「結構、しんどかった」漏れた本音
「インド人と結婚したことを伝えるとかなりの確率で“インドって暑いよね”と言われるんですけど、首都デリーは東京より涼しい印象です。1、2月は最高気温も一桁でダウンがないと過ごせない。でも、多くの家庭にクーラーはあるけど、暖房がない。
だから、初めて旦那の家族にお会いする時、日本のお土産としてユニクロのフリースを持っていきました。物価が日本より安いのでインドでユニクロは高級品扱いでして。あと、顔のパックも喜んでもらえましたね。日本の美容系商品はインドで人気も高いようでとても喜んでもらえました」
高槻は今年1月から結婚式を挙げるために約1ヶ月半、夫の実家に滞在したという。義母が理解できるのがヒンディー語のみなので、あらかじめ夫から日常生活に必要な単語などを教えてもらうなど準備はしていたつもりだったが、渡航するとその“現実”に挫けそうになったという。
「この期間は、結構、自分がしんどかった」
高槻はこう吐露する。
日本人には、インドは「仏教発祥の地」として知られているが、国民の8割以上が信仰しているというヒンドゥー教、イスラム教、シク教など多岐にわたり、同じ宗派の中でも細かい違いがある。高槻も渡航前に夫から「同じヒンドゥー教でも“お肉を食べるのがOKな家庭”もあれば、“牛だけは食べないけど水牛は食べていい家庭”がある」などと細かい違いを教えられていたという。高槻が直面したのもまさにこの「食」だった。
「食事はカレーにおかずが2~3種類というのが基本で。スープカレーもあれば、ちょっと固形っぽいカレーもあってスパイスもこだわっていると聞いていたのですが日本人からしたら全部同じカレーなんです(苦笑)。これが毎日なので参っちゃって……。
日本からレトルトのお味噌汁などを持っていこうと思っていたのですが、旦那の実家の方々は皆さん敬虔なヒンドゥー教徒なので、全部が自然由来の食品でなければダメでして。
味噌汁も人工の鰹エキスなどが入っているとダメ。日本ではなかなかそういう商品がすぐ手に入らなくて。結局、持っていけたのは昆布茶だけ。暖房もない部屋で、毛布にくるまりながら昆布茶を飲んでいた時は、精神的にきつかったですね」