ショーパブは、はるなにとって“自分”を全開にできる場所だったという
中学生で飛び込み、「居場所」となったショーパブの世界
──ショーパブは、どういう世界でしたか。
一人ひとりの「これが好き!」「これがやりたい!」という思いに賛同する人たちがいる空気感で、心地よかったです。“自分”を全開にできる。学校は……男の子の制服もイヤやったし、ずっと居場所はなかったからね。
──高校は男子校でしたね。
勉強を全然していなくて、入れる高校がそこしかなかった。ただ親の手前で入学しただけだったから、結局中退して、夜のお店で働いていました。そっちのほうが、“本当の生活”ができる感覚がありました。
とにかく早く、“本当の生活”をしたい。その一心で、小学生の頃から聖子さんのモノマネでテレビにも出してもらって、中学生の頃も週末はイベントのゲスト仕事。頭の中は「次のイベントでは何を歌おうかな」といったことでいっぱいで、小学生の頃からずっと、学校での生活は仮の姿でした。
──イベントでは盛り上がるでしょうね。
私が“男の子”だから、その意外性もあったのかな。でもね、自分で“女の子じゃない”という現実はとうに知ってるので、それはどうでもいいの。スポットライトがあって、自分の好きなことを自分なりに表現して、みんなが拍手してくれる。それで十分に幸せでした。
