中国公演のポスター(公式HPより)
「浜崎さんは中国で凄まじい人気を誇っており、昨年の中国ツアーでは1万8000人のキャパに対し、10万人以上の購入希望者が殺到したそうです。また中国のSNS『Weibo』にもアカウントを所持しており、フォロワー数は310万を超えています」
相次ぐ中止の裏で予定通り行われたイベントもある。浜崎あゆみのコンサートが予定されていた11月29日、歌手・BENI(39)が広州公演「BENI Premium Live in Guangzhou」を無事開催し、満員の観客の前でパフォーマンスを成功させた。
ほか、11月30日には日本のロックバイオリニスト・Ayasa(34)の北京公演や、サウンドディレクター・西原健一郎(47)の中国ツアーも3公演中2公演が無事に開催された。さる国際ジャーナリストは「中国は広いため、“北京”の影響が及びにくい地域もあります」と指摘する。
「広州は中国では“南方(ナンファン)”にある大きな都市ですが、北京に本部がある中国共産党の統制力が北京、上海よりは及びにくい。独自に判断が働いたのではないか。SNSでは“広州は独立するのか?”といった声も聞かれます。実際、西原さんのツアーの場合は、直轄市の上海に近い杭州の公演(28日)のみが中止になり、広東省の深セン(29日)と広州(30日)公演は予定通り開催となりました。
また、 Ayasaさんのケースでは、コンサートは演奏中心でメッセージ性がそこまでないため、北京でも即座に中止という判断にはならなかったのではないでしょうか。浜崎あゆみさんや大槻マキさんはJ-POPやアニメソングなど日本カルチャーの色が濃く、メッセージ性も強いため、上海当局もそういった判断を下したのでしょう」
中国側の対応については、現地でも意見が分かれている。
「中国のSNSでは、広州が不必要な制限をしなかったことを〈このような状況でも中国に来て公演してくれる日本の歌手に感謝する〉と称賛する一方で、〈音楽は無関係だ。楽しみにしていたイベントなのに!〉など上海が過度にコンサートなどを制限したことを批判する声が上がった。少なくともファンが割りを食ってしまったのは事実で、今後も中国国内で物議を醸すのではないか」
今後の日中関係はどうなっていくのだろうか。
