海外セレブの間では「アスレジャー というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
ヒップラインや下着のラインがくっきり浮き出た後ろ姿に、不適切と思うと同時に不快感を覚える人もいる。海外では美しく鍛え上げた身体を見せることが1つの勲章だという説もあるが、そこにあるのはアスレジャーで出歩く人たちが他人に美しいと思っている身体を見せたい、見せつけたいという「自己顕示欲」や「承認欲求」だろう。不適切と感じる人たちは、例えそれが美しいボディラインであっても無意識的か意識的か、見せつけられたような感覚を覚えてしまう。話題になったカニエ・ウェストの妻、ビアンカ・センソリの豊満なバストを強調したスポーツブラ姿に、街でもし出会ってしまったら、目をそらさずにはいられないし、彼女の自己満足的な欲求を感じ取るだろう。
不快感を覚えてしまう理由は他にもある。アスレジャーを着用している人がみんな意識が高く、美しいボディラインを持っているかといえば、現実はそうではないからだ。着やすさや実用性からか、都内の繁華街や観光地では年齢を問わず、ムチムチした”わがままボディ”の人や、たるんだヒップラインが露わになったレギンス姿の外国人を度々目にする。そのような姿の人が前を歩いていたとしたら目のやり場に困ってしまうだけでなく、感度が高いというより着やすいだけだろうと、その人のセルフコントロールの無さを想像してしまう人もいる。「太っている人はだらしない」というステレオタイプの偏見と似たような感覚だ。どんな外見でも、ありのままの身体を愛して前向きに受け入れようというボディポジティブという考え方が称揚されても、好みではないものを褒め称えるように強要されるいわれはないだろう。
実用性とデザイン性を兼ね備えているというアスレジャーだが、いくらトレンドでブームになったとしても私は着られない。
