歌手・浜崎あゆみ(47)の上海公演が開催直前で突如中止に
高市早苗首相による「台湾有事は存立危機事態になりうる」との発言をきっかけに、日中関係に緊張が走っている。中国政府からの反発は強く、11月14日には日本への渡航自粛を呼びかけたほか、11月19日には日本産水産物の輸入を事実上停止。多くのアーティストの中国公演が急遽中止されるなど、影響は拡大する一途だ。
歌手・浜崎あゆみ(47)の上海公演も開催直前で突如中止となった。主催する中国企業は、その理由を「不可抗力」としている。中国側の厳しい取り締まりに注目が集まるなか、SNSの“ある投稿”が話題になっている。全国紙の国際部記者が解説する。
「上海には、浜崎あゆみさんのポスターやグッズが店内に飾られ、日中のファンの交流の場となっているカフェがあります。現地のファンが運営する非公式のお店です。しかし、そこが摘発されて、店内から浜崎さんのポスターなどが撤去されたようだとSNS上で騒ぎになっているのです」
近著『民族がわかれば中国がわかる-帝国化する大国の実像』(中公新書ラクレ)をはじめ、中国の実情を伝える著書を多数持つルポライターの安田峰俊氏によると、浜崎のファンは中国にも大勢いるという。
「中国では、今まさに人気というより、少し懐メロ的な存在かもしれません。しかし、ゼロ年代は中国でも絶大な人気を誇っていました。日本に特別関心があるわけではない中国人でも浜崎あゆみさんのことを知っていましたし、現地の食堂でも彼女の曲が普通に流れていました」
現地の浜崎ファンによる非公式の小さな店も対象となり、この過剰にも感じられる取り締まりには、一体どのような意図があるのか。安田氏は、「はっきりした意図はないと思います」と分析する。
「習近平国家主席が何らかの意向を持っていることがわかったら、各官僚が一斉に忖度して、意向に沿うようなことをそれぞれで始める……というのが、基本的な中国政府の動きです。
現場の忖度が行き過ぎた結果、浜崎あゆみさんのファンによるカフェからポスターが剥がされたのではないでしょうか」
