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キッチンの大掃除のコツと段取り7つのポイント「まずは冷蔵庫の整理から」

 家の中でも特に汚れがたまりやすいキッチン。汚れていて不衛生では健康にもかかわるだけに、大掃除のときにも重点的に行っておきたい。お掃除のプロが教える順番にやっていけば、効率良くキレイになりますよ。

 まずは、冷蔵庫の整理&食材の管理からスタート。油汚れを落とすのは、そのあと余裕があったら、でいいんです。作業を進めるコツさえつかめば、ラクしてピカピカになりますよ!

1.冷蔵庫の食材をすべて外に出し、庫内をきれいに拭き掃除する

 キッチンには油がこってりついた換気扇やレンジフードなどがあるが、「いちばん目につく冷蔵庫の整理をすべき」というのが、専門家の見解。

 ラク家事アドバイザーの島本美由紀さんは、

「毎日開け閉めしている冷蔵庫を片付ければ、奥までの見通しがよくなり、家事効率もアップ。気分もスッキリします」と話す。

 住生活ジャーナリストの藤原千秋さんは、「気温の低い冬は、食材を一時的に外に出しておいても傷まないので、安心して整理できます。お正月のごちそうスペースを空けるためにも不用品は捨てましょう」とアドバイスする。

 空っぽになった冷蔵庫内の壁や棚板が汚れていれば、消毒用エタノールや、プラスチックを傷つけない除菌剤を布につけて拭けばきれいになる。カビやバクテリア対策にもなって、完璧!

2.賞味期限をチェックし、食べかけの食品は傷み具合を確認

 分類した食品は、必ず賞味期限を確認してから、整理して冷蔵庫に戻す。

「賞味期限切れのモノは迷わず処分。期限が近付いているモノは、年内に食べ切るように献立を考えましょう」と言うのは、知的家事プロデューサーの本間朝子さん。

 さらに、家事代行サービス『CaSy』の掃除実地研修講師の経験を持つお掃除キャスト・網元紀子さんは、「ジャムや佃煮など、開封済みの瓶詰は、賞味期限だけでなく、一度ふたを開けて中を確認し、カビが生えたり、嫌なにおいがしたら廃棄を。少しでも気になるところがあれば、『健康を害するもの』と考え、処分した方がいいでしょう」と言う。

年末年始のごちそうを思い浮かべながら、思い切ってスッキリしましょう。

3.食品庫にあるレトルトや缶詰の賞味期限もチェックする

 常温で保存できる食品は、つい乱雑に置きがちだが、最初に賞味期限切れがないかを確認。缶詰、レトルト、乾燥野菜など、カテゴリーごとに場所を決めて収納し直し、そのルールを守るようにすればスッキリ収納をキープできる。

「開封した食材は梅雨や夏の時期には虫がわくことがあるので、気温が低くて乾燥した冬に掃除をするのがおすすめ。古い缶詰を処分する場合は、必ず缶を開け、生ゴミと缶ゴミに分別して出しましょう」(藤原さん)。

4.長く使い続けているフライパンや鍋、ポンジやふきん類はまとめて一新を!

 フライパンや鍋などの調理器具を、使い勝手がいいからと汚れや傷がついているのに使い続けている場合は、これを機に処分を。

「フライパンや鍋はつい数が増えてしまいがち。テフロン加工が剥げてきたら、その部分を食べてしまっている可能性があるので、すぐに買い替えましょう。また、食器や調理器具を洗うスポンジは雑菌が入りやすい状態にあるので、泡立ちが悪くなり、黒ずんでいるモノを使い続けるのは危険。菌をまき散らして健康を損なってしまいます」(島本さん)

 ふきんの黒ずみの正体はカビ。新しいモノと交換し、雑巾として一度使ったら、すぐに捨てよう。

5.保存容器は、ふたの合わないモノを処分!

 さまざまな大きさや形がある保存容器は、気づかぬうちに増えてかさばり、収納スペースが拡大しがち。

「ふたが変形していても、入れ物としては役立つかもしれませんが、『密閉して保存する』という本来の目的は果たせません。思い切って処分しましょう」(整理収納アドバイザー・要めぐみさん)。

 捨てる目安は、以下の5つ。【1】ふたがしまらない(ふたがない)。【2】変色している。【3】変形している。【4】においが取れない。【5】べたつく。収納場所を決めておき、そこに収まりきらないモノも処分してしまおう。

6.1年間使わなかった便利グッズは、もう必要ない!?

 100円ショップで便利なキッチン用グッズが手に入るが、買っただけで満足し、ほとんど出番のないモノも多い。

「いくら便利なモノでも、使わなければ不用品。特に“○○用”と、用途を限定しているモノは、使用しないままで、不便と感じることなく1年を経過しているなら、処分しても支障がないでしょう」(要さん)

 しまい込んだままのモノを見つけたら、一度使ってみて、必要かどうかを判断し、処分するかどうかも決めるのも手。

7.カケた食器は運気を下げると心得よ

 カケていたり、ヒビが入った食器類は処分対象。たとえ小さな“カケ”でもけがをすることがあり、その後に割れる可能性がある。風水でも、「壊れたモノは身代わりになって寿命を終えた」という考え方があり、そのままにしておけば運気を下げるといわれている。すぐに処分しよう。

 また、思い入れのある食器の場合、

「金継ぎといって、食器の割れを漆で修復する技法があります。カケたままにせず、きちんと修復してから、大切に使いましょう」(要さん)

 そのほか、そろわない椀や子供用食器、好みではなくなった食器なども思い切って処分し、来客用にと、しまい込んでいた食器は、お正月用やふだん使い用におろすのもおすすめだ。

教えてくれた人

ラク家事アドバイザー・島本美由紀さん、住生活ジャーナリスト・藤原千秋さん、知的家事プロデューサー・本間朝子さん、家事代行サービス『CaSy』の掃除実地研修講師の経験を持つお掃除キャスト・網元紀子さん、整理収納アドバイザー・要めぐみさん

取材・文/山下和恵 イラスト/坂木浩子

※女性セブン2022年1月1日号
https://josei7.com/

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