健康のために控えるべき炭水化物ランキング「1位はラーメンと食パン」理由を専門家が解説

 朝はこんがり焼けたトーストにバターとジャムをたっぷり、お昼は消化によさそうなうどんをすすって、夜は白いご飯をたっぷり食べる──こんな生活で体が蝕まれているかもしれない。1日3食、「主食」に何を選ぶかによってあなたの体は大きく変わる。そこで、避けるべき炭水化物を食と健康の専門家に調査しランキングで表した。専門家の全力回答を食卓に生かしてほしい。

避けるべき「ワースト炭水化物」ランキング

※20人の「食と健康の専門家」に避けるべき「ワースト炭水化物」を挙げてもらい、1位を3点、2位を2点、3位を1点として集計。3点以上の食品を掲載した。

■今回コメントを寄せた「食と健康の専門家」のみなさん

浅尾貴子さん(管理栄養士)、石原新菜さん(イシハラクリニック副院長)、磯村優貴恵さん(管理栄養士)、小倉朋子さん(フードプロデューサー)、笠岡誠一さん(文教大学健康栄養学部教授)、金子あきこさん(管理栄養士)、北嶋佳奈さん(管理栄養士)、黒田愛美さん(医師/アスリート)、佐々木欧さん(秋葉原駅クリニック医師)、柴田真希さん(管理栄養士)、清水加奈子さん(管理栄養士)、伊達友美さん(ダイエットカウンセラー/管理栄養士/戸板女子短期大学食物栄養科講師)、田中亜希子さん(あきこクリニック院長)、田中優子さん(田中病院院長)、谷本哲也さん(ナビタスクリニック川崎内科医)、中沢るみさん(管理栄養士)、望月理恵子さん(健康検定協会/管理栄養士)、浜本千恵さん(管理栄養士)、福田千晶さん(医学博士)、藤岡智子さん(フードライター/栄養士)

≪順位(点数)/食品名/理由≫

1位(20点):食パン

「塩分が多い半面、その排出を促す『カリウム』の含有量は非常に少ない。高血圧の人は特に控えるべき主食」(伊達さん)、「脂質の多いバターや糖分をたっぷり含むジャムをつけて食べると、カロリーの摂取過多の原因に」(福田さん)、「発酵させる際に使用される化学物質には体に害のあるものも。特に『ショートニング』には要注意。心臓疾患のリスクを上げるとされている」(小倉さん)

2位(20点):ラーメン

「塩分や脂質が多いうえ、麺が料理のメインになるため野菜やたんぱく質の不足も懸念される」(谷本さん)、「スープに含まれた塩分と脂質も気がかり。なるべく飲み干すのは控えてほしい」(磯村さん)、「麺の原材料である小麦粉が含有する『グルテン』には腸内環境を荒らす作用がある」(小倉さん)

3位(7点):そうめん

「夏場に食べやすいあっさりした麺類だが、単品で食卓に上がることが多いためたんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維の不足が懸念される」(伊達さん)、「細麺でのど越しがいいゆえに、過食になりやすく糖質過多につながる」(小倉さん)

4位(6点):菓子パン

「原料となる白いパンは精白された小麦粉を使用するため糖質の割合が高く、血糖値が上がりやすい」(藤岡さん)、「糖質を多く含有する白パンに加え、ジャムやチョコレートなどさらに糖分がたっぷり入ったものがトッピングされる商品も。主食に置き換えるのは危険」(望月さん)

4位(6点):コーンフレーク

「砂糖が添加されている商品も多く、食後の血糖値を大幅に上げてしまう」(浜本さん)、「一部の商品には原材料として遺伝子組み換えのとうもろこしを使用しているものも。アレルギーをはじめとした病気や不調の原因になりうるため、なるべく控えるべし」(田中優子さん)

6位(5点):うどん

「含有する塩分の量が多いため、高血圧の原因に」(石原さん)、「すすって食べるゆえにそしゃく回数が減る。かまずに飲み込まれた炭水化物は血糖値を上昇させすい臓に負担をかける原因に」(中沢さん)

6位(5点):白米

「玄米と比較して血糖値の上昇率が高く、過剰摂取は糖尿病をはじめとした生活習慣病につながりやすい」(谷本さん)、「食物繊維やビタミンBなどの栄養素が少ない半面、糖質の量は多い」(田中亜希子さん)

8位(3点):ロールパン

「パン生地にバターやマーガリンを練り込んで作るため、脂質が多くカロリーも高い」(黒田さん)

8位(3点):もち

「いわば“糖質の塊”で食後血糖値を急上昇させる。食べるときは食物繊維の多いのりと一緒に摂るなどひと工夫を」(石原さん)

8位(3点):じゃがいも

「フライやグリルなど高温で調理した場合、『アクリルアミド』と呼ばれる発がん性物質が増えるとされている。食べるときはゆでるか蒸すかを推奨したい」(中沢さん)

「白物」炭水化物に注意せよ

 かつてテレビや雑誌にこんな文字が躍るほど、空前のムーブメントを起こした糖質制限だが、いまやさまざまな研究や調査により、がんや血管病リスクが上昇するなど、その危険性が明らかになってきた。

 また、かつては多くの人に支持された「炭水化物を抜けば体重が減る」という言説も、最新の知見に照らし合わせると“誤った常識”になる。

 ただし、炭水化物を抜くことは良くないといっても、体に悪い炭水化物を摂っていれば、元も子もない。そこで、食と健康の専門家に「避けるべき炭水化物」を教えてもらった。その結果、ワースト1を二分したのが、「ラーメン」と「食パン」だ。

 フードプロデューサーの小倉朋子さんは両者に共通した注意点として「塩分」を挙げる。

「ラーメンはスープに塩分含有量が多く、食パンにもパン生地の状態を安定させ、味わいをよくするために塩分が多く含まれています。さらにラーメンは同じ麺類でもそばに比べて糖質量が多く、食物繊維やたんぱく質が少ない。そのため食べた後にすぐに血糖値が上がってしまいます。また、食パンは種類によっては発酵を促すために化学物質を使っているものもあるため、注意してほしい。例えば『ショートニング』という成分には、心臓疾患などを引き起こすリスクが指摘されています」

 3位以下にも、「そうめん」や「菓子パン」「うどん」といった小麦粉食品が名を連ねた。ダイエットカウンセラーで管理栄養士の伊達友美さんが言う。

「小麦粉に含まれる『グルテン』という成分は腸内環境を悪化させたり体を冷やしたりとさまざまな問題を引き起こします。特にそうめんは、これからの季節に食べやすいあっさりした食品ですが、冷えが気になる人は控えた方がいい。また、細くてのど越しがいいため、つい食べすぎてしまううえ、一緒に食べるのは薬味だけのことがほとんど。糖質量ばかりが増え、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養素の不足が懸念されます」

 炭水化物を上手に取り入れながら、健康な体を手に入れたい。

※女性セブン2022年5月26日号
https://josei7.com/

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