公開日:2019.12.15   

インフルエンザ、ノロウイルス、風邪…冬の病気に打ち克つ食品ランキング15

「忘年会続きで外食ばかり」「大掃除で冷蔵庫を片付けるから、新しい食材はなるべく買わない」。忙しい12月、つい“食べること”を疎かにしていないだろうか。ワクチンよりも薬よりもマスクよりも、簡単で効果のある病気対策、「冬の最強食品」を一挙公開。

納豆、にんにく、かぼちゃ、舞茸、小松菜、緑茶の画像
ウイルスや病原菌を寄せつけない&免疫力を高める食べ物を一挙紹介(写真/アフロ)

猛威を振るい始めたインフルエンザ・ノロウイルス

 年末の慌ただしさに沸く街中に、静かにウイルスが忍び寄っている。インフルエンザは例年以上のペースで感染が広がり、都内の患者数は過去5年で最多を記録した。ノロウイルスによる集団感染のニュースも後を絶たない。

 手洗いやうがい、予防接種の大切さは例年繰り返し語られているが、管理栄養士の中沢るみさんは「食べ物に気を配るのも同じくらい重要です」と話す。

「必要な栄養を充分に摂って、体の中から健康になって病気を防ぐ。とりわけウイルスが蔓延するこの時期は、免疫力を高める食べ物が鍵になります」

 そこで今回は、医師や栄養士ら専門家による「冬の病気を防ぐ」食品ランキングを作成。その理由を効果的な食べ方とともに紹介していく。

 以下、20人の「食と健康のプロ」に「冬の病気に打ち克つ食べ物」を挙げてもらい、1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として集計。5点以上を獲得した食品を掲載した。

磯村優貴恵さん(管理栄養士) 宇多川久美子さん(薬剤師/栄養学博士) 岡田明子さん(管理栄養士) 小倉朋子さん(トータルフード代表取締役) 金丸絵里加さん(管理栄養士) 河埜玲子さん(医師/料理研究家) 金子あきこさん(管理栄養士) 片村優美さん(管理栄養士) 工藤孝文さん(医師/工藤内科副院長) 黒田愛美さん(医師/アスリート) 田中優子さん(医師/田中病院院長) 伊達友美さん(管理栄養士/ダイエットカウンセラー) 刀根由香さん(管理栄養士/中医薬膳師) 飛田砂織さん(医師/クリニックシュアー銀座院長)中沢るみさん(管理栄養士) 藤岡智子さん(フードライター/栄養士) 堀知佐子さん(管理栄養士) 前田あきこさん(管理栄養士) 望月理恵子さん(管理栄養士/健康検定協会)渡辺信幸さん(医師/こくらクリニック院長)

冬の病気に打ち克つ食品ランキング

■1位 納豆 35点

 

小鉢に入った納豆
納豆にはたんぱく質や食物繊維が含まれる(写真/アフロ)

「豊富に含まれるたんぱく質や食物繊維が腸内環境を整え、免疫力を高めてくれる」(金丸さん)、「ジピコリン酸という成分には高い抗ウイルス作用がある」(小倉さん)、「免疫力を上げるためにはミネラルの摂取も重要であり、納豆のカルシウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、銅は積極的に摂りたい」(宇多川さん)。

■2位 ブロッコリー 20点

「茎の部分に含有されるスルフォラファンには抗酸化作用、解毒作用があり免疫力を高めてくれる」(黒田さん)、「腸内環境を整える食物繊維も豊富。この時期は旬で甘みがありおいしい」(河埜さん)、「粘膜を保護するβ―カロテンが感染症の予防をサポートしてくれる」(金丸さん)。

■3位 にんにく 16点

 

木のお盆に乗ったにんにく
免疫力の向上や疲労回復にも働きかける(写真/アフロ)

「スコルジニンは血行をよくして免疫力の低下を防ぐため、インフルエンザ予防になる」(小倉さん)、「アリシンには免疫力上昇効果が。細かく刻むほど香りが強くなり、効果もアップする」(中沢さん)、「疲労回復に働きかけるビタミンB1の吸収をサポートし、インフルエンザや風邪にかかりにくい体をつくる」(望月さん)。

■3位 ヨーグルト 16点

「含有する乳酸菌の種類によって期待される効果が違うため、自分に合ったものを見つけてほしい」(片村さん)、「りんごなど季節の果物やはちみつを足すと乳酸菌、食物繊維、オリゴ糖のトリプルで腸内環境が整う」(磯村さん)。

■5位 かぼちゃ 15点

 

2つのかぼちゃ
かぼちゃはビタミンの宝庫(写真/アフロ)

「多く含有するβカロテンは高い抗酸化作用のあるビタミンAに変わり、粘膜を保護してノロウイルスなどを悪性ウイルスから私たちの体を守ってくれる」(工藤さん)、「通称「ビタミンエース」と呼ばれ、強い抗酸化作用を持つビタミンA、C、Eを含む」(宇多川さん)、「粘膜が健康に保つビタミンAを含み、感染症に対する抵抗力がつく」(金子さん)。

■6位 鮭 14点

「インフルエンザなど、免疫力低下で起こる疾病予防に必要なビタミンDを含むほか、抗酸化効果のあるアスタキサンチンやDHAも豊富」(堀さん)、「EPAやDHAといわれる体によいω3脂肪酸も適度に含まれ、アンチエイジング効果も」(黒田さん)。

■7位 まいたけ 13点

 

ザルに乗せたまいたけ
まいたけには免疫細胞を活性化する働きが(写真/アフロ)

「まいたけだけが含むMD-フラクションには、NK細胞など免疫細胞を活性化して免疫力をアップする働きがある」(伊達さん)、「まいたけは、インフルエンザウイルスの増殖を抑えるたんぱく質を含有することがわかっている」(望月さん)。

■8位 卵 11点

「卵白に含まれるリゾチームは抗ウイルスの働きがあり、風邪薬の成分にも含まれる」(渡辺さん)、「免疫力を高めるビタミンDが豊富」(飛田さん)。

■9位 小松菜 10点

 

一束の小松菜
ビタミンやミネラルも含む小松菜(写真/アフロ)

「免疫力アップに欠かせないβカロテン、ビタミンC、ビタミンEがバランスよく、しかも豊富に含まれている」(工藤さん)、「鉄やカルシウムなどの不足しがちな栄養素も豊富。油と一緒に摂ることでβ―カロテン、ビタミンEなど脂溶性のビタミンの吸収率がよくなる」(岡田さん)。

■9位 しょうが 10点

「鼻詰まりやせきを軽減させる作用があるとさえるスキベルテンという物質が豊富に含まれている」(小倉さん)、「発汗・解毒作用は風邪を遠ざける」(藤岡さん)。

■9位 緑茶 10点

茶托に乗せた緑茶
カテキンには殺菌作用が(写真/アフロ)

「カテキンには抗生物質と同じ、体内の有害な菌を退治する殺菌作用がある」(田中さん)、「こまめに飲むことでのどの粘膜を潤してウイルスや殺菌を洗い流すことができる」(前田さん)。

■12位 キムチ 6点

「野菜そのもののビタミンや食物繊維に加えて発酵食品の乳酸菌も摂れる。腸内環境が整いスタミナも回復する」(黒田さん)

■13位 豆苗 5点

「粘膜を正常に保つβカロテンが豊富。油で炒めると独特のくせが和らぐ」(河埜さん)

■13位 長ねぎ 5点

「免疫力を高めるビタミンCや、抗菌作用のある硫化アリルやアリシンが豊富」(刀根さん)

■13位 豚肉 5位

「体の不調を吹き飛ばすスタミナ増強効果が期待できるビタミンB1の含有率が高い」(藤岡さん)

腸内環境を整える納豆、IgAの濃度を上げるヨーグルト…                    

 1位には、過去に何度も「最強食品」のトップを飾ってきた納豆が輝き、王者の貫禄を見せつけた。

 管理栄養士の金丸絵里加さんが解説する。

「腸内には体全体の約7割の免疫細胞が集まっています。ですから、インフルエンザをはじめとする病気への感染を防ぐには、腸内環境を整えることが非常に大切。納豆に含まれる納豆菌と食物繊維は腸内環境を整えてくれます。また、免疫力を高めるには良質なたんぱく質の摂取も非常に重要。大豆が原料の納豆はその面でも優れています」

 トータルフードプロデューサーの小倉朋子さんによれば、

「加えて納豆菌に含まれるジピコリン酸という成分には、抗ウイルス作用があるため、ノロウイルスや風邪などの予防効果が期待できます」という。

 腸内環境を整え、たんぱく質も豊富という点では、3位のヨーグルトも積極的に摂りたい食品だ。

「ヨーグルトを摂取すると、IgAという体内の免疫物質の唾液中の濃度が上昇するという研究もあります」(管理栄養士の望月理恵子さん)

 納豆やヨーグルトといった“常連”に加えてブロッコリーや小松菜、かぼちゃ、長ねぎなど“旬の顔”も上位に名を連ねた。

 医師で料理研究家の河埜玲子さんが言う。

「ブロッコリーは今が旬で、甘みがあっておいしい。体内でビタミンAに変わり、粘膜を正常に保ってノロウイルスやインフルエンザなど冬の病気が発端の感染症を防いでくれるβカロテンのほか、抗酸化作用のあるビタミンCとビタミンEも豊富。ビタミンCは水溶性ですが、電子レンジで調理すれば流失が最小限に抑えられます。かぼちゃも同様にβカロテンとビタミンがたくさん含まれており、ヨーグルトを使ったサラダにすれば、食物繊維と善玉菌が一緒に摂れます。ただし、この時期はどうしてもカロリー過多になりやすいので、マヨネーズを使ったサラダはおすすめできません」

「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」というのは医学的にも正しいようだ。

 管理栄養士の岡田明子さんのイチオシは、小松菜。βカロテン、ビタミンC、Eのほか、鉄やカルシウムといった不足しがちな栄養素も豊富というのがその理由だ。

「βカロテンやビタミンEなどの脂溶性のビタミンは、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。炒めものにしたり、和えものやおひたしにしてごま油を少し加えたり、オイル入りのドレッシングで食べるのがおすすめです」(岡田さん)

 一方、薬膳の専門家が真っ先に挙げたのは、長ねぎだった。

「長ねぎは、青い部分が緑黄色野菜、白い部分が淡色野菜という“ハイブリッド”。青い葉の部分にはβカロテンが多く含まれているうえ、内側から分泌される粘液には免疫を活性化させる作用があることも報告されています。また、白い部分はビタミンCのほか、抗菌作用や血流を改善する働きのある硫化アリルやアリシンを豊富に含んでいます」(管理栄養士で中医薬膳師の刀根由香さん)

 風邪をひいた時の民間療法として「ねぎを首に巻く」ことが推奨されるが、これもアリシンが口や鼻からのどに入り、吸収されることで病状が治まることを期待してのもののようだ。

 ほかにも3位のにんにくや9位のしょうが、13位の豆苗など野菜の名前が目立つ結果となった。

「冬は飲み会やイベントなどが多く、脂の多い肉や炭水化物に偏り、野菜が足りない食生活になりがちなので、積極的に摂ってほしい。とはいえ、免疫力を保つためには、バランスも重要です。何が自分に足りないか、考えながら献立を決めてください」(河埜さん)

 冬の感染症、おいしく食べて乗り切ろう!

※女性セブン2019年12月19日号

●冬こそ「東洋医学」!風邪、冷え、インフルエンザは【漢方】で対策

●野菜の栄養失わない調理法|長寿ホルモンを増やす皮のむき方、ゆで方、保存法

●がんを予防する食事|抗がん剤の権威が教える野菜スープが最強な理由

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