コメント日|2022.06.28
私も認知症重度から寝たきりの母を計5年位一人介護しました。あの頃を思い出し胸が詰まります。脳梗塞で寝たきり …
認知症の母が作った不思議な夕食に心がざわついた話
2020年9月に100才を超える高齢者が初の8万人を超えた。しかし実は、日本は世界有数の長寿国だが、他国に比べて寝たきりで最期を迎える“ネンネンコロリ”が多いと、専門家が指摘する。理想の最期――ピンピンコロリを実現するためにどうすればいいのだろうか?
2019年の日本人の平均寿命は、女性が87.45才、男性も81.41才となり、ともに過去最高を更新した。2020年9月には、100才以上の高齢者が初めて8万人を超え、“人生100年時代”が訪れようとしている。だが、それは同時に“寝たきり”で過ごす高齢者が増加したことも指し示している。
東京都立大学名誉教授で健康長寿に関する研究の第一人者の星旦二さんが言う。
「日本は世界でトップクラスの長寿国ですが、他国に比べて寝たきりで最期を迎える“ネンネンコロリ”が多いのが特徴です。つまり、長寿だからといって幸せとは限らないのです」
日本における「寝たきり」の人数はアメリカの5倍、スウェーデンの10倍ともいわれている。いくら長生きしたとしても、自立した生活ができなければ幸せとは言いがたい。誰もが理想とする死に方である「ピンピンコロリ」に近づく方法はないのだろうか──
最新の研究から、「ピンピンコロリ」で旅立った人を看取った医師のアドバイスまで徹底取材した結果、彼らに共通する「絶対にやらないこと」と「毎日やっていること」が明らかになった。
そもそも「ピンピンコロリ」とはどんな死に方なのか。星さんが解説する。
「最期まで元気で、要介護状態にならずに寿命を全うできる状態のことを指します。寿命には健康寿命と平均寿命がありますが、この2つの差が少なければ少ないほど、ピンピンコロリだといえます」
補足すると、健康寿命とは、要介護などで日常生活が制限されずに、自立して生活できる期間のことを指す。つまり、寿命が長くても健康寿命が短ければ、その間は充実した生活が送れないということだ。
厚生労働白書によると、2013年の女性の平均寿命と健康寿命の差は12.4年、男性は9.02年もある。つまり、多くの人が、不健康な期間が平均して約10年はあるのだ。
『“歩く力”を落とさない!「新しい足」のトリセツ』などの著書がある足の専門医・久道勝也さんは「人生には老齢期に入って亡くなるまでに、3つの“下りステップ”がある」と話す。
「人生最後の下り階段は、歩行・排泄・食事の順に段差が高く、一度下りてしまえばふたたび上ることはほぼ不可能です。
このステップを下りるスピードをできるだけ遅くすることこそが、“ピンピンコロリ”につながります。
その中で最も重要なのが最初のステップである歩行。これさえ維持できていれば、下り階段を下りることそのものを遅らせることができる。
そのうえ、自分の思いどおりに動けない状態は介護する方も大変だが、本人がいちばんつらいことは言うまでもない。歩行機能は精神面にも大きな影響を与えるのです」(久道さん)
この「3つの階段」を下りる速度を遅らせれば遅らせるだけ、「ピンピンコロリ」に近づくことができる。
在宅ケアを専門とする立川在宅ケアクリニック院長の荘司輝昭さんはこれまで多くの人を看取ったが、歯が丈夫な人は最期まで元気だったと振り返る。
「元気で長生きするうえでベースになるのは、自分の歯で噛んで食べること。噛むことは脳への刺激につながるし、何より自分の力で栄養を摂ることができます」
歯の健康と並んで、荘司さんが気づいた彼らの共通点は「社会的なつながり」だった。
「スポーツジムや趣味の習い事に通うだけでもかまいません。違う世代の人と話をすることも、脳への刺激になり、認知症予防になります。意外にも、もともと明るい性格かどうかは関係ない。たとえ時間がかかったとしても、自分なりに社会とのつながりを持てるように考えて行動している人は、最期まで元気な人が多いのです」(荘司さん)
星さんはピンピンコロリの人は家にひとりで引きこもらないと話す。
「ピンピンコロリを体現したいなら『老後はゆっくりのんびり暮らしたい』というのは適切ではありません。役割があり、何かと用事を作って忙しい人の方が元気で長生きです。
会社や趣味、地域活動をやめて社会とのネットワークが断絶されると、6年間で男性が7割、女性で5割の人が死亡することが明確になっています。
いまは新型コロナウイルスの影響で人に会いづらいため、コミュニケーションの手段は電話やZoomなどのオンラインでもかまいません。人とのつながりを維持することは、ピンピンコロリの第一歩です」
暖冬といわれた2020年も少しずつではあるが、日ごとに寒さがつのるようになった。朝起きて室内の寒さに身震いする人も多いだろう。しかし星さんは、「ピンピンコロリを目指すならば18℃以下の家に住んではいけない」と断言する。
「日本では暖かい居間ですら6割の住宅が、冬の室内温度が18℃以下になりますが、体が冷えると血圧が上がり、ヒートショックのリスクも高くなる。喘息やアレルギーも寒い家から発症することが多いのです。
いまの時期なら、窓を二重にしたり厚手のカーテンを使ったりして、室温を一定に保つように工夫する。結露は、カビとダニの原因にもなるので、気をつけましょう。ダニはエアコンにもたまります。定期的に掃除することも健康長寿につながります」(星さん)
過ごしやすく居心地のいい住まいが完成すれば、いつそこで“お迎え”がきても安らかに逝ける──しかし荘司さんはそれに待ったをかける。
「安らかな死への準備として、エンディングノートも忘れずに。ご自宅で看取りをして、本人はピンピンコロリで気持ちよく逝ったけれど、遺族が相続でもめるケースは珍しくありません。自宅で亡くなった後、家族が警察に調べられたケースもあります。急に先立たれた遺族の負担を軽くするために、葬儀の方法や訃報の連絡先を含めてエンディングノートに書いておく、遺言書を作るなど、準備が必要です。そうしないと、平和なピンピンコロリになりません」(荘司さん)
幸せな最期を迎えるため、できることから始めよう。
→最も多くの医師が「安らかな死に方」のトップに挙げたのは?眠るように穏やかに最期を迎えることはできるのか
東京都立大学名誉教授・星旦二さん、足の専門医・久道勝也さん、立川在宅ケアクリニック院長・荘司輝昭さん
※女性セブン2021年1月1日号
https://josei7.com/
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ピンピンコロリと、ネンネンコロリは、理想の、死に方と、思います。
ただ、潜在意識による、死に方があるかと、思われます。
夢は、実現するなど、潜在意識によるものがありますが、逆の発想で、潜在意識に、問いかける感じだと、死ぬことが、出来るように、思います。
役立ちました、ありがとう。
優れたデータの提供の点は素晴らしい。
アメリカはともかく、スウェーデンの人口は日本の1/10なので、日本に寝たきりの人が10倍いるのは当たり前のような気が。
あと、統計によれば、どの国も平均寿命から健康寿命を引いた「非」健康寿命は10年前後とあまり変わりないので、「日本は外国より寝たきりが多い」というのもミスリード。
また、社会活動を維持するのは健康維持の面で大賛成ですが、ピンピンコロリするということは、自分も周囲も何の準備もないままに、それなりに何かの管理や責任も負ってる状態で「社会活動や皆との楽しみの最中に」「多くの人や親しい人たちの前で」突然倒れて「心筋梗塞や脳梗塞で死ぬ」ことを意味するのだということを意識すべきですね。
「ピンピンコロリ」は「突然死」ですから。
下手すれば誰かの送り迎えの運転中に・・という可能性もあるのです。引き継ぐべき人に少しずつ実務や情報の引き継ぎ、あるいは心の準備をしてもらって・・ということができません。ピンピンしてるのですから、他人も「目の前の人の死の心の準備を」しませんよね。いろんな人と交流し、ただブラブラしてるだけではなく大なり小なり何かの社会的な役割を担うことになるでしょう。ピンピンしてる人を、周囲も「自分も」放っておきません。
多くの人がなんとなくイメージしてるだろう「ピンピンした生活していれば、夜に寝てる間に静かに布団の上で、何の迷惑もかけずにポックリ息を引き取る」みたいな死に方は、確率的に少ないと言わざるを得ないでしょう。
仮に目の前で苦しむ姿を見せないで済んでも「今日の孫の送り迎えどうするの!」「町内会の金庫の番号は!?」といった様々な社会的な問題、「社会的な突然死」による問題が「ピンピンコロリ」からは切り離せません。
自分は全てを投げ出して死ぬだけですから楽ちんですが、周りはたまったものではありません。
「ピンピンコロリ」を「何の波風も迷惑もかけず静かに綺麗に死ぬ」というイメージで、死のあるべき姿や目標であるかのように語るのは、間違いだと思います。社会の中で生きる人間として、もっと緩やかに軟着陸するような死のあり方を提示すべきではないかと思います。