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小田急沿線で「住まい」にこだわるサービス付き高齢者向け住宅<後編>

 評判の高い高齢者施設や老人ホームなど、カテゴリーを問わず高齢者向けの住宅全般を幅広くピックアップし、実際に訪問して詳細にレポートしている「注目施設ウォッチング」シリーズ。

 今回は、小田急線沿線の経堂にあるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を紹介する。

レオーダ経堂

→この記事の<前編>を読む

 小田急グループが手がけるサービス付き高齢者向け住宅である「レオーダ経堂」。経堂駅周辺にはショッピングモール「経堂コルティ」やスーパーマーケットの「Odakyu OX」、ドラッグストアなど生活に役立つ店が多くあり、住みやすさは申し分ない。

 レオーダシリーズが掲げるコンセプトは5つあり、<前編>では「施設ではなく『住まい』の提供」「小田急グループの総合力を活用したサービスメニューの提案」「魅力あるイベント」「手作り料理へのこだわり」を紹介した。

 今回の<後編>では「要介護状態になっても生活を継続できる住宅」という5つ目のコンセプトについて、貸主である小田急電鉄株式会社の大里洋一さんと大久保和哉さんのお二人に話を聞いた。

最期まで住み続けるための備えとは?

 レオーダ経堂は介護が必要になっても住み続けることができる。共用フロア、各居室は段差のないバリアフリー構造になっているほか、エレベーターはストレッチャーが入る13人乗りの大型エレベーターを採用。万が一の際にも迅速な対応が可能だ。さらに、スプリンクラーやAED(自動体外除細動器)、災害時の備蓄など、小田急電鉄の看板にふさわしい堅実な備えがされている。

 実際に介護が必要になれば、連携している介護事業者から必要なサービスを選択して受けられる。また、医療についても地域の在宅医療診療所や医療機関と連携しているので安心だ。コンシェルジュがつなぎ役になってくれるので、土地勘のない入居者が心身の状況に適した医療機関を探す際もスムーズに必要な医療を受けることができる。介護に初めて直面する場合でも、親身に相談にのってくれるのは心強い。

「介護度が重くなっても介護サービスを使って住むことができますよ」(大里さん)

「今はまだお元気な方が多いですが、介護が必要な方向けの対応や看取りのことも考えた運営を考えています」(大久保さん)

サ高住を選ぶ際はコンセプトも要チェック

 サ高住を探していて、それぞれの施設の違いに驚いた方も多いのではないだろうか。元気なうちに移り住み、心身の状態に合わせて徐々に必要な介護サービスを利用していくことが基本であることはどのサ高住も変わらない。国が定めた基準値を満たしていることももちろん一緒だ。では一体、どこで違いが生まれてくるのだろうか?

 取材を通じて様々なタイプのサ高住を見てきたが、違いが生まれる理由はコンセプトにあるのではないかと感じている。さらに言えば、明確なコンセプトがあり、それを確認する機会を設け、実際の運営に活かしているかどうかがポイントとなってくる。

 これはサ高住だけではなく、介護付有料老人ホームなどにも言えることなので、見学に行った際には、コンセプトを尋ねてみてはいかがだろうか。そしてそのコンセプトが設備や運営に表れているかをチェックすると、選びやすくなるはずだ。


 レオーダ経堂では5つのコンセプトが明確に定められ、それを実現するための設備が整えられ、運営方針が決められている。

 大里さんと大久保さんに話を聞いていて印象的だったのが、入居者や家族の声に耳を傾ける姿勢だ。食事のことや対応の仕方、設備のことなど要望をよく聞き、必要があれば柔軟に改善している。介護浴室の利用方法について実際に変更した事例を聞いたが、これはまさしく「施設ではなく『住まい』の提供」というコンセプトに照らして判断していると感じられた。

 コンシェルジュがここでの日々の生活の様子を写真付きでブログにアップしているので、ぜひ一度見ていただきたい。もし、コンセプトに共感できる部分があったら、実際に見学に足を運んでみることをオススメする。

撮影/津野貴生

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【データ】
施設名:レオーダ経堂
公式WEBサイト:http://www.odakyu-reoda.jp/kyodo/
所在地:東京都世田谷区宮坂二丁目11番13号
最寄駅:小田急線「経堂」駅徒歩8分、「豪徳寺」駅徒歩6分
類型:サービス付き高齢者向け住宅
運営主体:小田急電鉄株式会社
敷地面積:865.36平方メートル
延床面積:1680.76平方メートル
室数:40室(1R12戸、1K28戸)
入居要件:60歳以上、または介護保険法に定める60歳未満の要支援・要介護認定を受けている方(単身者限定)
構造:鉄筋コンクリート造地上5階
開設年月日:2014年11月13日
料金:
【1】月額利用料19万2000~20万8000円
※月額利用料には賃料13万1000~14万7000円、共益費1万6000円、基本サービス料4万5000円を含む。賃料と共益費は非課税、基本サービス料には消費税がかかる
【2】食事サービス料5万4000円(消費税別)
※30日(1日3食の場合。月額1万5000円の厨房維持費を含む)
【3】敷金として賃料の3か月分(入居一時金不要)
【4】住宅総合保険は要加入1万円(非課税)/年
【5】その他 退去時には、クリーニング費用(実費相当)が発生

※施設のご選択の際には、できるだけ事前に施設を見学し、担当者から直接お話を聞くなどなさったうえ、あくまでご自身の判断でお選びください。

【このシリーズのバックナンバー】

●充実した介護体制を備えるサービス付き高齢者向け住宅<前編>

●充実した介護体制を備えるサービス付き高齢者向け住宅<後編>

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