公開日:2021.06.05   

磯野貴理子、爆笑問題の田中裕二も感じた「脳梗塞」「くも膜下出血」の超初期症状

 息切れや足のむくみ、頭痛など、小さな体の不調をそのままにしてはいないだろうか。それはもしかしたら、心臓や脳がSOSを出しているサインかもしれない。実際に脳梗塞やくも膜下出血を体験した芸能人たちの「兆候」をはじめ、心臓や脳の病気にまつわる「超初期症状」について、専門医に解説してもらった。

タレント 磯野貴理子さん
脳梗塞の兆候とは…(写真/時事通信)

脳梗塞・くも膜下出血を経験した芸能人にもこんな兆候が…

 実際2013年に脳梗塞で入院したフリーアナウンサーの大橋未歩(42才)は、左手の感覚がなくなり、顔を洗おうとしたときに洗顔クリームを落としてしまったことが兆候だったという。

フリーアナウンサー 大橋未歩さん
2013年に脳梗塞を発症した際、「手のしびれがあった」と語る大橋アナ

 また、50才で発症した磯野貴理子(57才)は夫に「ろれつが回っていない」と指摘されたと語っている。

 脳動脈瘤が破裂することで起きるくも膜下出血は、突然の激しい頭痛がその兆候だ。

 2021年1月にくも膜下出血と脳梗塞で救急搬送された爆笑問題・田中裕二(56才)は、

「急にぐらっと痛くなり、痛み止めをのもうかと思ったものの、そういうレベルではないほどつらかった」

 と、その痛みを振り返っている。

お笑い芸人 爆笑問題 田中裕二さん
1年に1度「脳ドック」に通っていたという田中

心臓の病気の兆候

  心臓や脳の病気の兆候はどう見分けるべきなのか。

 狭心症や心不全など「心疾患」の初期症状として、専門家が真っ先にあげるのが「息切れ」だ。

心不全や狭心症:息切れや胸の痛み

「坂道や階段を上がったときに息切れや胸の痛み、せきの症状があるものの、少し休んでいれば治まる。これらは心不全や狭心症、心臓弁膜症の初期症状である可能性があります。病状が進行して心筋梗塞になった場合、激しい痛みが生じ、横になって休んでいても改善しません」(慶應義塾大学病院心臓血管外科診療科部長・志水秀行さんさん)

 医療やヘルスケアなどを専門とするJ&Tプランニング代表で『危険な病気の意外な予兆69』の著書がある市川純子さんによると、その痛みは独特の苦しさを伴うという。

胸に鉛の塊をのせたような重苦しさが続く

「胸の中心あるいは左側に鉛の塊をのせたような重苦しさがあり、30分ほど続くことが多い。これに加えて発汗や吐き気を伴うこともあります」

 コロナ自粛で運動をせず、テレワークに移行して通勤のための駅の階段の上り下りもしなくなれば、これらの兆候を感じる機会が減ってしまう。突然起きる痛みには、すぐに対処が必要なケースもある。

「発作的に起こり、かつ、それが以前に感じたことがないような痛みなら、大いに警戒しなければなりません。時間がたてば治まることもありますが、繰り返すほど危険性が増すので、すぐに病院を受診してほしい。

 耐えられないほどひどい痛みがある場合は、大動脈の血管が裂ける“動脈解離”の可能性が。すぐに救急車を呼ぶ必要があります。胸部大動脈解離では背中側に、腹部大動脈解離では腰から背骨に沿って、腸管動脈であれば腹部に猛烈な痛みを感じると覚えておいてほしい」(菅原脳神経外科クリニック院長・菅原道仁さん)

「靴や指輪がきつい」も要注意

 足のむくみも、心疾患の初期症状として現れる。

「足がむくんだので“コロナ太りかな”と思っていたら、心不全を起こしたというケースもあります。心臓の機能が低下することで充分な血液を送り出せなくなり、腎臓に流れる血液が減少。すると排出する水分量が減って体にたまってしまうため、むくみにつながるのです」(志水さん)

 初期症状として手足のむくみにより、靴や指輪が急にきつく感じるようになるケースもある。  

 市川さんが続ける。

疲労感、手足が冷える

「これらに加え、疲労感が強くなったり、手足が冷えたりすることも兆候のひとつ。総合的に判断することが重要です」

 これらの兆候は、少し神経を研ぎ澄ませば敏感に感じ取ることができるだろう。

糖尿病の場合は症状を感じにくくなることも

 しかし、糖尿病を患っている場合は事情が異なる。

「糖尿病の合併症には神経障害があげられ、感覚が鈍くなるケースもあり、こうした症状を感じにくくなることが多い。例えば狭心症の人が感じやすい胸の圧迫感なども、糖尿病に罹患している場合は感じにくく、病気が進行するまで気づかないことがあるのです」(志水さん)

 心臓病の兆候に気を配りつつ、巣ごもり生活による運動不足や食べすぎで、血糖値が高い状態になっていないかにも注意してほしい。

 息苦しさやむくみなど痛みや見た目の変化に現れる心疾患に対し、脳の病気の兆候は日常生活における違和感に潜むことが多い。

脳の病気の兆候

 佐田さんは脳の血管がつまったり破れたりすることで起きる脳の障害全般を指す病気である「脳卒中」の兆候についてこう語る。

脳卒中:片方の目が見えない

「片方の目が見えない、ものが2つに見える、視野の半分が欠けるといった目の違和感に加え、頭痛を伴うことがあります」

頭が痛そうな女性
(写真/アフロ)

脳梗塞:指先にしびれ、言葉につまる

 脳の病気は、目以外の「違和感」から見つかることも少なくない。

「脳の血管がつまる脳梗塞は、指先にしびれが出たり、言葉につまったり、歩いていて何もないところでつまずいたりと、これまでは難なくこなせていた生活の中で支障が出てくることが兆候となって現れる場合が多い。

 体のバランスが取れず自転車に乗れなかったり、料理の手順が急にわからなくなってしまったという人もいます」(市川さん)

初期症状を感じたときの対処法

 これらの初期症状に心当たりがあった場合、どう対処すべきか。

「すぐに病院を受診することです。コロナが心配で病院を受診せずにいると、手遅れになりかねません。電車やバスで遠くの病院に行くのは心配でしょうから、まず地元のかかりつけ医に診てもらいましょう。その判断に従って、専門病院で検査を受けるなど、次のステップに進めばいい」(志水さん)

 菅原さんは脳梗塞などを引き起こした際の対処法として「FAST(ファスト)」というキーワードを提唱する。

「F(FACE)=顔のまひ、A(ARM)=腕のまひ、S(SPEECH)=ろれつが回らない。これらの症状が出たらすぐに救急車を呼びましょう。

 T(TIME)=病院につくまでの時間が回復のカギを握っているからです。

 検査時間を考慮すると、発症から3時間以内に病院に到着するのが理想的で、受診が早ければ“tPA”という薬を使って血栓を溶かすことができます」(菅原さん)

 救急車を呼ぶべきかどうか迷ったときには、「相談窓口」に電話を入れるのも一案だ。

「例えば東京都なら東京消防庁救急相談センター(#7119)など、各都道府県に無料相談窓口がある。そこに電話して病状を伝え、判断を仰ぐのもいいでしょう」(菅原さん)

日頃からの予防対策、備えも大切

 こうした“もしものとき”への備えとともに、予防にも積極的に取り組みたい。

「食生活で気をつけたいのは脂質と塩分の摂りすぎです。脂質は高コレステロールにつながり、血管がつまりやすくなります。

 一方、塩分の摂りすぎは血圧を上昇させ、血管に負担がかかるうえ心臓にも悪い。これらを控えつつ、こまめに水分を補給することが重要です。脱水も血管がつまる一因です」(志水さん)

ランニングしている女性
定期的な運動をしたり体重をこまめに量ったりと、自分の体の状態を知り、体を動かすことで血管病のリスクは大幅に下がる。(写真/ pixta)

 食事内容に気を配った後は、自分の体と向き合いたい。

「マスクをして人混みのない道で散歩やジョギングなど適度な運動で摂ったカロリーを消費することも心がけてほしい。糖尿病リスクが高い人はこまめに血圧を測り、数値を知っておくことも早期発見につながります」(志水さん)

 定期的に検診を受け、体の状態を常日頃から自分で把握しておくことが、はじめの一歩になるだろう。

教えてくれた人

志水秀行さん/慶應義塾大学病院心臓血管外科・診療科部長、市川純子さん/J&Tプランニング代表、菅原道仁さん/菅原脳神経外科クリニック・院長

※女性セブン2021年6月10日号

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