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高木ブー、2回目のコロナワクチン接種終了「とりあえずホッとしました」

 少しずつ軌道に乗り始めてきた新型コロナワクチンの接種。6月8日、高木ブーさんは無事に2度の接種を終えた。「けっして油断はできないけど、とりあえずホッとした。早めに打てたのは、ラッキーが重なったおかげです」とブーさんは言う。接種したときの状況やその後の経緯、気持ちの変化などを根掘り葉掘り尋ねてみた。(聞き手・石原壮一郎)

おかげさまでワクチン接種が終わりました!

 6月8日に行きつけのクリニックで、新型コロナワクチンの2度目の接種をしてもらってきました。たまに体がだるくなったり熱が出たりする人がいるって聞いてたけど、そういうのは何もなかったね。

 3週間前に1回目を打った日の夜は、腕に少し痛みが出た。うっかり利き手の右腕に打っちゃって、痛みが長引いたらウクレレを弾くときに困るなと思ったんだけどね。でも、お医者さんにもらった痛み止めを飲んで寝たら、翌朝には治ってた。2回目は左腕に打って、痛みとかはぜんぜんなかったな。注射を打つときも、ちょっとチクッとしたぐらいだった。

 僕が住んでいる地域で最初に予約の受付があったのが、5月の初め頃だったかな。家族みんなで電話やパソコンを駆使してがんばってくれたんだけど、どうがんばってもつながらない。2回目の受付ときも、開始時間のだいぶ前からスタンバイしてたらしいんだけど、ぜんぜんダメ。これはいつ打てるかわからないなと、いったんは気長に構えるつもりでいたんだよね。

 ところが、僕の行きつけのクリニックでも接種できることがわかって、娘のかおるが「キャンセル待ち」を申し込んでくれた。そしたら、5月の半ばに「打てますよ」って連絡をもらったの。ワクチンが入っているひとつの瓶で6人分だっけ。使い切らないと捨てることになるからって、うまくタイミングが合って早く打ってもらえた。ラッキーが重なったおかげです。1回目の帰りにクリニックの受付で3週間後の予定を聞いてくれて、すんなり2回目も予約できた。

 外に自由に出られない時期が長かったからか、僕はすっかり勘違いしてたんだよね。ワクチンの接種が済んだら、外でじゃんじゃん食事したり人に会ったりできるのかと思ってた。ぜんぜんそうじゃないんだね。2週間ぐらいすると体の中に抗体ができるし、重症化のリスクは小さくなるかもしれないけど、感染の可能性はなくならない。会う人全員がワクチンを打ってれば話は違うかもしれないけど、まだまだそういう状況にはならないもんね。

 でも、けっして油断はできないけど、とりあえずはホッとしたな。少しずつ元の日常に戻っている感じっていうか、光が差し込んだ感じっていうか。ずっと行きたくて行けていないハワイにも、一歩近づいた気がする。2回目を打った日は一面の青空で、3週間ぶりに外に出て太陽の光を浴びながら思いっ切り伸びをして、すごく気持ちがよかった。だから余計に、ハワイのことを思い出したのかもしれない。

家族もホッとしたんじゃないかな

 ワクチンを接種して、僕自身もホッとしたけど、家族もホッとしたんじゃないかな。きっと、たくさん気をつかってくれていただろうから。僕はたまたま運よく打てたけど、たくさんの人にどんどん接種できる仕組みが早くできて、スムーズに進むといいよね。

 ハワイに住んでいる人から聞いた話だけど、あっちの大規模な接種センターでは、会場でハワイアンバンドが演奏してるんだって。センスがいいというか余裕があるというか、そういうところはアメリカってすごいよね。もし日本の会場でもそういうことをするなら、僕もウクレレを持って喜んで行くんだけどね。今のところ会場に来るのは高齢者がほとんどだけど、ハワイアンのスタンダートとか、みなさんにおなじみの曲を演奏しますよ。だけど、日本のお役所はそんなことしないだろうな、きっと。

僕が描くドリフの仲間たちの画集が発売になります!

 さて、さんざん引っ張ってきた僕の絵についての“重大発表”ですが、6月21日に画集が出ます。『高木ブー画集 ドリフターズとともに』(ワニ・プラス)っていう本で、30年ぐらいかけて描きためたドリフの仲間たちの絵を集めました。絵の本を出すのは長年の夢だったから、出来上がりを手にしたときは、「うわー、とうとうできたんだなあ」と思ってしばらく表紙とにらめっこしちゃった。

 拙い絵だけど、懐かしいコントの場面や僕の妄想の中で遊んでいるメンバーの姿を見て、『8時だョ!全員集合』や『ドリフ大爆笑』で大笑いした頃の自分を思い出してもらえたら嬉しいな。本の中では長さんも志村も荒井さんも元気に生きてるしね。新型コロナワクチンの接種も終わったし、念願だった画集も出るし、ますます張り切ってがんばらなきゃ。

ブーさんからのひと言

「ハワイでは、ワクチン接種会場でハワイアンバンドが演奏しているそうです。日本でもそうすればいいのに。そしたら僕はウクレレを弾きに行きますよ」

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高木ブー(たかぎ・ぶー)

1933年東京生まれ。中央大学経済学部卒。いくつかのバンドを経て、1964年にザ・ドリフターズに加入。超人気テレビ番組『8時だョ!全員集合』などで、国民的な人気者となる。1990年代後半以降はウクレレ奏者として活躍し、日本にウクレレブーム、ハワイアンブームをもたらした。CD『Hawaiian Christmas』『美女とYABOO!~ハワイアンサウンドによる昭和歌謡名曲集~』『Life is Boo-tiful ~高木ブーベストコレクション』など多数。著書に『第5の男 どこにでもいる僕』(朝日新聞社)など。YouTube「【Aloha】高木ブー家を覗いてみよう」(イザワオフィス公式チャンネル内)も大好評! 6月21日に初めての画集『高木ブー画集 ドリフターズとともに』がワニ・プラスから発売。

取材・文/石原壮一郎(いしはら・そういちろう)

1963年三重県生まれ。コラムニスト。「大人養成講座」「大人力検定」など著書多数。最新刊「【超実用】好感度UPの言い方・伝え方」が好評発売中。この連載ではブーさんの言葉を通じて、高齢者が幸せに暮らすためのヒントを探求している。

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