公開日:2021.06.16 / 更新日:2021.08.12 |暮らし   

シニアのスマホ選び4つの注意ポイント 高齢者向けより教える人と同じ機種にするのがおすすめ

「スマホ教室の生徒さんには70代後半、80代、90代の人も、みなさんスマホを楽しんでいらっしゃいますよ」とは、スマホ活用アドバイザーの増田由紀さん。「高齢者の親に教えたいスマホ講座」第2回は、スマホの機種選びについて。初めて購入する人も買い替える人にも役立つ内容だ。

スマホの操作がわからない母にイライラする娘
シニアのスマホデビュー、どんな機種を選べばいいのかアドバイス

第3話「高齢者向けスマホ教室での実話…忘れがちなパスワードは「スマホノート」で管理を」

電話でスマホの使い方を教えるのは至難の業

70代の母:ねぇ、このボタンはなに?

50代の娘:えっ?どのボタン?

70代の母:え?よく聞こえないよ。

50代の娘:お母さん、じゃぁ音量上げてみて(イライラ)

70代の母:音量上げるってどうやるの? わかんないよ? これ押すの?「ブツッ」(通話が切れる)

 コロナ禍で会えない親に、電話でスマホの使い方を教えてもさっぱり伝わらない…。スマホを巡る高齢の親と子のこんなやりとり、ありませんか――?

せっかく買ったスマホで親子喧嘩も…

「せっかくスマホを買ったのに、使い方を子供に聞いても邪険に扱われてしまい、心が折れてしまう。結局使わなくなってしまったという話はよくあるんですよ」

 こう話すのは、シニア世代向けのスマホやパソコン講座を開催しているスマホ活用アドバイザーの増田由紀さんだ。

「目の前にいれば『このボタンだよ』ですむことも、電話口だとなかなか正確に伝わらない。すべてを言葉だけ説明するのはとても難しいんですよね」(以下、増田さん)

 とくにスマホの場合、機種によって各ボタンの位置やメニューの表示が違うので、誤解が起こりやすいという。

高齢の親にスマホをすすめるときの注意ポイント

1.iPhoneは難しそう…は思い込み

 スマホを巡って親子のいざこざを起こさないためにも、

「シニアのスマホは“親子で同じ機種”を持つのがおすすめです。シニアだから高齢者向けの機種ではなく、お子さん世代など、教えてくれる人と同じスマホを使って欲しいですね。

 たとえば、お子さんがiPhone(アイフォン)なら自分もiPhoneにするのがおすすめ。若い世代が使う機種は、使いこなせる自信がないという方も多いですが、その考えはもったいない。スマホ教室に通ってくださっている91歳の生徒さんは、iPhoneを使いこなしていますよ。

 長年シニア世代とお付き合いしてきた実感として、高齢であってもみなさん使いこなせるようになるんです。年齢と関係なく“やったことのないことに挑戦してみよう”“新しい道具を使ってみよう”という前向きな気持ちが大切です」

2.親子で同じ機種にすれば教えやすい

「スマホは、機種が変われば、使い方も変わります。使ったことのない機種を教えるのは大変なことです。

 実際にスマホを触りながら教えられるなら、直感で分かる部分もありますが、コロナ禍のいまは、直接会うことさえ難しい状況です。

 大半が、親世代に操作を教えることになると思うので、教える側の負担を減らす意味でも、使い慣れている自分(子世代)と同じ機種を購入してもらった方がいいでしょう」

 教えられる側としても、教えてくれる人と同じ機種の方が、話も通じやすく、困った時にすぐに対処してもらえる。

3.“らくらく”操作の高齢者向けスマホはどうなの?

「シニア世代が新たにスマホを購入するときの候補として、『らくらくスマートフォン』『かんたんスマホ』など高齢者向けに開発されたスマホは、必ずしもおすすめとはいえません。

 高齢者向けのスマホは、操作がシンプルで機能を絞っており、シニア世代に使いやすい面もありますが、一般的なスマホと動きが違う部分があるんです。

 一般的なスマホなら軽くトンッとタッチすれば動くのに対し、高齢者向けスマホは誤作動を防ぐためにググッと押さないと反応しないなど、動作が一部制約されています。

 “らくらく”などといった名前のイメージから、簡単に使える、楽に使える夢のようなスマホという印象を抱いているシニアの方も多いのですが、そんなことはありません。

 新しい道具なのでどんな機種であってもイチから使い方を覚えないといけませんし、使い方を子供に聞いても子供はそれを使ったことがないから教えられないのです」

スマホを操作するシニア世代の手元
親のスマホ、自分と違う機種だと操作がわからない…(写真/GettyImages)

 最近は、携帯電話会社の店頭に操作を聞きに行きたくても、コロナでなかなか対応してくれないとう現状。やはり友人や子供と共通の話ができる機種を選ぶのが良さそうだ。

4.価格が安いだけで買ってはいけない

「たいして使わないから値段が安いほうがいいと、価格で選んでしまう人もいますが、これは失敗のもと。

 例えば、安く買えるからという理由で、携帯電話会社の限定スマホを買ってしまうと、子供や友人など、周囲に持っている人がいなければ、使い方も教えてもらえないし、トラブルがあったときに相談できません。

 コロナ禍でオンライン化が加速し、ワクチン接種の予約をはじめ、病院の予約にしても、スマホやインターネットの活用は必須になってきています。シニア世代こそ積極的にデジタル機器を使いこなせないと生きていけません。

 少し値は張っても、長く活用することを考えて納得できる機種を選んで欲しいですね」

シニアのスマホ選び【まとめ】

・子供と同じ機種なら操作を教わりやすくトラブルのときも頼れる

・子世代と親世代で同じ画面で話ができるiphoneはシニア世代にこそおすすめ

・自分は関係ないと思わずに、新しいことに挑戦する気持ちが大切

・「年だから安いのでいい」「安いから」という理由で買ってはいけない

教えてくれた人

増田由紀さん

スマホ講師の増田由紀さん

2000年に千葉県浦安市で初心者向けのパソコン教室「パソコムプラザ」を開校。2020年10月より全国どこからでも学べるオンラインスクールにリニューアル。スマホ、iPad、パソコン講座の講師をはじめ、講座の企画、執筆、講師養成などを行う。丁寧な解説と、わかりやすい教材が人気。シニア世代のスマホの利活用に力を入れている。『いちばんやさしい60代からの』シリーズ(日経BP)著者。デパートカルチャー講座、新聞・雑誌への執筆・監修など多数。

取材・文/鳥居優美 イラスト/朝倉千夏

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