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ウォーターサーバー市場調査その6 ミネラルウォーター最新事情

ウォーターサーバー市場調査その6 ミネラルウォーター最新事情

 スーパーやコンビニ、自動販売機などで売られているミネラルウォーター。種類が豊富でどれを選ぶか迷ってしまうことも多いが、ミネラルウォーターの現状について、日本ミネラルウォーター協会の渡邊健介さんに話をうかがった。

コスモウォーター

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――日本で販売しているミネラルウォーターにはどんな種類があるのですか?

「ミネラルウォーターには、大きく分けて、ペットボトルで販売しているものや、ウォーターサーバー用の容器で販売しているものなどがあります。後者には、ポリカーボネートという容器に入っていて、エアーが入らないと水が出てこないものと、BIBといって、段ボールの中に薄いビニール袋のような容器に入っていて、使うとしぼんでいくタイプがあります。いずれの容器も互換性があるわけではなく、それを販売している会社のサーバーしか使用できません」(渡邊さん 以下「」は同)

[ps-image src="/lab/waterserver/wp-content/uploads/2016/08/mineralwater-association-watanabe.jpg" alt="「日本ミネラルウォーター協会」の渡邊健介さん" class="alignnone size-medium wp-image-2029" width="660" height="466" style="margin-right: 30px; margin-top: 5px; margin-bottom: 12px; float: left;"]キャプション

――なるほど。ペットボトルは天然水がほとんどですか?

「そうですね。どのくらいの種類があるかというのは、なかなかわからないのですが、把握している会社だけでも350社ほどあり、各社1~2ブランドを出しているところもあるので、400ブランドくらいはあるのかなと思います」

※画像:「日本ミネラルウォーター協会」の渡邊健介さん

◆水の歴史と最近の水事情

――日本のミネラルウォーターの産地というのは温泉地と関係あるのですか?

「そうですね。もともと地下水をくみ上げているというミネラルウォーターの発祥を考えると、温泉由来のものもありますね。

『エビアン』などヨーロッパの有名な水は数百年前に、“ここの水は身体にいい”ということで知られるようになり、ヨーロッパの場合は温泉ではなくて保養所みたいなところに冷泉があり、それを飲んだり使ったり、滝のように打たせたりしながら発展してきました。そして、200年くらい前に、その場所まで来なくてもいいようにボトルに詰めて渡すようになったわけです。

 日本の場合、出だしが温泉なんですね。武田信玄など有名人が入って体が治ったなど、伝説のある水が残っているケースが多いですが、そんなに有名な人でなくても、“ここの水がおいしい”と、その地域で評判になっていた水が売られるようになっているものも多いですね」

水の歴史と最近の水事情

――もともとおいしいとか、体にいいとか評判の水が商品になっていることですか?

「最初にミネラルウォーターを販売したのは、バーなどでウイスキーを割る水割り用の水ですね。そもそも日本の水道水は優秀なので、水道の蛇口をひねって飲むというのが当たり前でしたから、普通の家庭で水を買うという意識はありませんでした。

 それが、だんだん人の考え方も変わってきて、飲む水は買って、水道水は食器を洗ったりするというように使い分けるようになりました。ミネラルウォーターが生活水になってきたんです

――今年のような猛暑だと水の売れ行きも上がるんでしょうね?

「清涼飲料全体では猛暑だと売れて、涼しいと売れ行きが落ちるんです。ところが、水は猛暑でも爆発的に販売数は増えませんが、涼しくても減りません。ということは、だんだんと生活に根差したものになってきているということだと思いますね」

――ストック用に常備するのも、一般的になってきましたしね。

「災害時に向けて、備蓄用に置いておく人も増えていますが、その場合、2~3日くらいの量を家に置きましょうといっているので、1人1日2リットルくらい飲むとすると、4人家族で6ケースくらい。賞味期限があるので、ストックしそれを飲みながら減ったら補充する人も増えていて、3ケース置いておいて、1ケース減ったら買うという人も多いんです」

――ペットボトルのミネラルウォーターの販売数は、どのくらい伸びているのでしょうか?

「ずっと3%くらい伸びている感じですね」

――伸び続けているというのはすごいですね。

◆各地の水を飲み比べて味の違いを知るのも楽しい

各地の水を飲み比べて味の違いを知るのも楽しい

――硬度の違いはありますが、味はさほど変わらないものなんでしょうか?

「日本の水は、硬度がそれほど高くない軟水が多く、100以下のものがほとんどです。6月下旬に『第1回ドリンクジャパン』という展示会がビッグサイトであったのですが、そこで、硬度の低い日本の水と、海外の硬度300くらいの水1500くらいを並べて出して、3日間の展示会で1500人弱くらいに常温で試飲してもらったんです。

 そこで、どれが好きかを聞いたところ、80%の人がいちばん硬度の低いものを選びました。味の違いはほぼ全員がわかっていて、硬度1500のものを好きだとした人は8%くらいでした。味は硬度により違いますが、常温だとより明確に違いがわかりますね」

――たしかに常温だと飲みやすいもの、飲みにくいものがはっきりわかるような気がします。料理など用途によって合う水も違いますよね?

「日本はもそもそ軟水なので、昔から日本にあるようなものには軟水がいいんです。お茶とか、みそ汁とか、日本料理などには軟水が合っていると思います。それと同じで、ヨーロッパの料理は、もともと硬水が合うようになっていると思います。炭酸水も少し前にブームになっていましたが、ヨーロッパでは、必ずガスか、ノンガスか、聞かれますしね」

――最近、味付きの水も出てきていますよね?

はい、今、ブームですね。最近は、同じブランドの炭酸水も増えていますが、そこに“フレーバー”も登場しています」

お水を選ぶ基準はそれぞれ

お水を選ぶ基準はそれぞれ

――おすすめのミネラルウォーター―の選び方はありますか?

「選ぶ基準はそれぞれの好みだと思います。ですが、基本的に日本では軟水が多いので、それでも硬度高めがいいのか、低めがいいのか、大きいメーカーのものがいいのか、いろんな地域のものが飲みたいのか、なんとなく体に良さそうなものが入っているものがいいのか…という感じじゃないでしょうか。

 温度は、キンキンに冷えているものよりも常温に近いもののほうが体にいいと思いますが、味を比べるなら常温のほうが、違いはわかりますね。冷たくなると冷たさが先に立っちゃうので味はわからないかもしれません」

――水素水もブームですよね?

そうですね。ですが、効果がどのくらいあるかは、まだはっきりわかっていないようです

――ペットボトルは捨てるのが面倒という人もいますよね。ゴミがたくさん出てしまうし…。

「ペットボトル自体の改良は進んでおり、薄いボトルも増えています。薄い場合は開けるときに力を入れると中の水がこぼれることがありますので注意が必要ですが、環境を考えたものになっていますね。昔はこんな商品を出したら、苦情の山だったのですけどね(笑い)」

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「飲料水は買うもの」という意識が根付いてきた日本のマーケット。フレーバー付きのペットボトルウォーターや炭酸水なども続々登場している他、より安全・安心な水を常にストックしておきたいという要求からウォーターサーバーへの注目もますます高まっているようだ。

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