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海上自衛隊の「シーマンシップ」とは 氷山に囲まれた北極海で、他国船の重傷者を救う「決断」【空母いぶき GREAT GAME 第3話】

かわぐちかいじ 協力/八木勝大・潮匡人 原案協力/惠谷治

 世界第6位のEEZ(排他的経済水域)を保有する日本は、2022年8月現在も隣国との「領土問題」を抱えている。国際法を無視し不法占拠し続ける国や、連日のように巨大な警備艇を“侵入”させてくる国もある。

 そんな海洋国家・日本の海における防衛を担う海上自衛隊は日々、危機を想定したシミュレーションから訓練、装備の増強を続けている。装備に関していえば、海自のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」は、戦後初の「航空母艦」となるべく改修工事を始め、2021年には第1段階が完了している。

『空母いぶき GREAT GAME』では、海氷が減り北極海航路も現実味を帯びるなか、海自の護衛艦「しらぬい」が北極海に。艦長は、空母・いぶきの次期艦長との呼び声高い蕪木薫二佐。アルゼンチン籍の調査船が突然、ある国から魚雷攻撃を受ける場面でしらぬいが迎撃した。あくまで調査研究目的での派遣だったため「武器使用」は司令部から禁じられていたが、蕪木艦長は見捨てておけず魚雷戦を決断したのだった。

 ダメージを負ったアルゼンチンの船を「救う」ことすら簡単にできない専守防衛の組織は、その組織体や体裁を守りたい「統合総隊司令部」が首を突っ込んでくる。しかし、そこは過酷な大海原の上、人として助け合わなければならない「シーマンシップ」の重んじられる場所。蕪木艦長は重傷者収容のためにヘリ・SH60Kを飛ばす指令を出す。一方で、横須賀基地に停泊中の「いぶき」から艦長の新浪一佐が官邸に呼ばれ、事実を告げられる。