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他人の結婚式に出たくない若者たち「コスパだけでなくタムパも悪い」
〈私は正直、結婚祝いを友人にあげる意味がわかりません〉〈他人の結婚式で感動したとか言ってる人にもモヤモヤします。/私はケチで冷たい人間なのでしょうか〉──20代の女子学生によるこんな投書が読売新聞の連載「人生案内」に寄せられ(11月24日付)、「これが令和の若者の考え方というものか」と話題になった。結婚のあり方が時代によって変わる以上、結婚に対する意識も世代によって違うだろう。 明治安田生命保険が、2019年10月以降に結婚した「新婚夫婦」のうち58.8%が結婚式を挙げていないとのアンケート結果を発表した。それ以前に結婚した夫婦で結婚式を挙げていない夫婦は20.8%だったので、実に3倍近くに増えている。2020年初頭からのコロナ禍で結婚式を挙げる状況になかったことが最大の要因だろうが、結婚式を敬遠する風潮も確かに存在する。少子化、晩婚化、非婚化が進み婚姻自体の件数が減少している昨今。結婚式もこのまま無用の長物とされてしまうのだろうか。 世代・トレンド評論家の牛窪恵氏はこう指摘する。「コロナ以前から、入籍しても結婚式を挙げない“ナシ婚”を志向するカップルは年々増加傾向にあり、2019年時点で約4~5割を占めていました。優先すべきはコスパ(コストパフォーマンス)で、形式的に大人数で行なう結婚式に意味を感じない人が増えているんです。やるのも疑問なのだから、ましてや呼ばれるなんて……という人が多いのも無理はありません。 4~5年前に“婚テロ”という言葉も話題になりましたが、知人の結婚報告に敏感になる未婚女性は一定数います。一昔前は『結婚しました』と葉書を送っていたものが、SNSで気軽に結婚報告がなされる。価値観の多様化で、『みんなで“いいね”を押し、おめでとうとコメントするやりとりの意味がわからない』と感じる人が増えているんです。中には、“突然”“身近で頻発”する結婚報告に『裏切られた』『指輪の画像を見せられて心臓止まりそうになった』と傷つく人もいます」 結婚式に参加することについては、昔から「ご祝儀貧乏」という言葉はあった。特に女性はご祝儀だけではなく、服装や美容でもお金がかかる。さらに今は、金銭的な負担だけでなく「タムパ」(タイムパフォーマンス)が重視される時代だという。「土日の貴重な時間が、知人とはいえ結婚式に出るだけでまるまるつぶれるのがもったいないと考える人が増えています。そうした人たちも、趣味の繋がりは大事にする。つまり結婚式は“タムパが悪い”んですね。何に時間を使うかの問題です」(牛窪氏) 結婚式が“是非参加したい”ものではなくなったことで、招待状の送り方にも変化が見られるようになった。牛窪氏は続ける。「今、招待状を“いきなり送る”のが乱暴だと捉える人が増えています。普段から仲良くしているわけではない場合、圧力を感じさせてしまうから。同様に、みんなの前で一律に結婚式の案内をされることを嫌がる人も多い。最近では、招待したい人に事前にスケジュールや温度感を確認してから招待状を送る人が増えています」 こうした風潮を決定付けたのがコロナだった。コロナ禍は多くの人に、自分にとって本当に大切なことは何かを考えるきっかけを与えたと言われている。どう働くのか、日々誰と過ごすかを見つめ直した人も多いだろう。牛窪氏も、女性たちと話をする中で、彼女たちが結婚式に出ない生活というものを知ったことも大きいと感じるという。「『コロナでお金を使うことが減ったよね』という取材の途中、『あ、結婚式に出てないからだ』と取材した女性3人が同時に気づいたことがありました。そこに気づいてしまうと、もう結婚式にお金も時間もかけたくないですよね。ただ、みなさん、家族との絆は大事にします。結婚式は“家族でのイベント”に変わっていくといえるのではないでしょうか」 もちろんこれまでのような、職場の関係者や友人、遠方の親戚を大勢招く結婚式・披露宴を志向する人もいるだろう。とはいえ、縮小傾向にあることは間違いない。「結婚式場は危機感を抱いていると思います。ただ、先日タレントの原田龍二さんが結婚20年目で初めて挙式したというニュースがありましたよね。また、神田うのさんは8回も9回も結婚式を挙げたそうです。最近では再婚での挙式も増えていますし、授かり婚をした夫婦が落ち着いてから式を挙げるケースもあります。少し上の世代をターゲットにしたり、隙間隙間を狙って挙式の提案をするという方向に、結婚式場もシフトチェンジしていかないといけない時代に入ったのです」(牛窪氏) 横並びでお祝いしなくてもいい——それがコロナ後の結婚式のニューノーマルなのだろう。◆取材・文/大木信景(HEW)
2021.12.13 16:00
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梅宮アンナが提起した“ウォッシャー液問題” 教習所教官の見解は?
自動車のウォッシャー液は走行中に使ってはいけない……? そんな問題提起がタレントの梅宮アンナ(49)からなされ、物議を醸している。 梅宮は12月2日、車を走行中に“被害”にあったとして、〈前の車に、走りながらウォッシャー液を出されてワイパーやられて、それも、2回も。私の車は、そのしぶきを浴びた〉とInstagramで報告した。〈走りながらフロントガラスを綺麗にする行為〉を〈絶対にやっては、イケナイ行為〉としたうえで、〈止まっている時、周りに誰もいない時にやるべき事なのに。。〉〈自分さえ良ければいいって人が目立つな。。最近は。。相手を思いやれない人。本当に嫌です〉とつづった梅宮に対し、ネット上では異論が噴出した。「不快に思う人もいるのかもだが、『絶対やってはイケナイ』というのは違和感がある」「高級車に飛沫が飛んだだけでしょ。止まった時に拭ければ一番いいと思いますけど、その時の状況によっては走行中にしなきゃいけない時だってある」「走行中に鳥フンや虫が当たり視界が悪くなった場合、急停止は危険なのでウォッシャー液使うでしょ」「水たまりの雨水が対向車に跳ね上がるぐらいの田舎者の私には許容範囲だと思います」などの書き込みが見られた。 すると梅宮も再びInstagramで〈違反じゃないから問題ないと 怒る方がおかしいと〉〈視界優先だから、安全第一なんだから、走行中に、フロントガラスが汚れたら、ウォッシャー液は、周り関係なく当たり前の行為だ!!と、わたし。。怒られる始末に〉と批判があったと報告し、〈読んでいて、なんだか悲しくなるモノが多かった 他人に思いやる気持ちより、自分の心配。。自己中心的。傍若無人な人。目立った〉と反論する。 これに対しても「共感してくれる人がいなかったからといって、それを『傍若無人』『自分の意見が絶対』と決めつける行為こそ、自己中心的でしょう」といった意見が上がるなど収拾がつかなくなり、梅宮はInstagramの当該エントリーを削除している。 走行中にウォッシャーでフロントガラスをきれいにするのは「絶対にやってはいけない行為」なのだろうか? 自動車教習所の教官の経験を活かし、YouTubeで運転のノウハウなどの解説動画を配信している“教習所YouTuber”アルバカ氏は「周囲の確認はするべき」とした上で、「走行中にウォッシャー液を使ってワイパーをかけるのは、“視界を良好に保つため”であれば本来の使い方」だと答えてくれた。「フロントガラスが汚れたら、ウォッシャーとワイパーで視界を良好に保つのは全く問題ありません。万が一、それで他車に危害を及ぼすまでに至った場合は、『他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない』とする道路交通法70条に抵触する可能性もなくはないとは思います」(アルバカ氏) とはいえ、アルバカ氏がこのニュースを聞いて真っ先に浮かんだのは「車間距離が近かったのではないか」ということ。アルバカ氏は指摘する。「車間距離を空けていればそもそも前の車のウォッシャーがかかるなんてことはあり得ません。ご自分で思っている以上に近かったのではないでしょうか。運転する方で、きちんと車間距離を認識できていない方はたくさんいます。 私も企業の研修でお話ししたりするのですが、皆さん『そんなに空けるの?』という反応をされます。自分の認識と実際の距離にズレがあるんですね。一般的に、車間距離は【時速マイナス15】メートルと言われています。時速50キロで走っていたなら、35メートルです。高速道路の場合は【時速】そのままのメートルとなります」 混雑時を除き、前の車が通過した3〜4秒後に自車が通過する程度の距離を空けて走らなければいけないのだ。アルバカ氏は続ける。「自動車の運転にはひとりひとり癖があり、いろんな人がいます。大切なのは運転中も周りのことを考え思いやりを持って行動することなんです。ついつい自分が正しいと思ってしまいがちなんですが、どんな人にも癖はある。車そのものに対する考え方にも同じことが言えます。車を移動手段と捉える人もいれば、とても綺麗にしている人もいる。梅宮さんはとても車を大切にしている方なのかもしれませんね」 運転空間は外界と遮断されているため、パブリックスペースと比べプライベート感が増し意識や言動が荒くなりやすいとよく言われている。ドライバーは、心にも車間にも余裕を持って運転を。◆取材・文/大木信景(HEW)
2021.12.09 16:00
NEWSポストセブン

36歳になった芹那に漂う「愛人感」 美脚&超ミニスカも話題に
タレント・芹那(36)が10月、約9年ぶりの写真集『Serina.』(ワニブックス)を発売した。芹那といえば、かつてSDN48でセンターを務め(2012年3月卒業)、バラエティ番組を中心に引っ張りだこだった。 しかし、“あざといキャラ”や“モテ女キャラ”として期待に応えようとしすぎたのだろうか。「あの芸能人に口説かれた」エピソードが本人から完全否定される騒動に発展し、視聴者から〈売名行為だ〉とバッシングされる事態に。好感度が急落した結果、この数年はメディアで姿を見る機会は激減してしまった。多くの視聴者にとって芹那は「テレビから消えた芸能人」というイメージが強いかもしれない。……しかし、そんな芹那が久々に披露したグラビアが大きな話題になっている。本人が「今までやってきたグラビアとは雰囲気が違うので、驚いてしまうかもしれません」とコメントしている通り、最新写真集では大胆な美尻ショットなども披露。11月1日付の「オリコン週間写真集ランキング」でベストテン入りを果たした。 Instagramではオフショットもふんだんに公開している。膝上25センチはあろうかという超ミニスカをはいた姿やランジェリー姿に対して、〈美の極み〉など称賛のコメントが続々と寄せられ、ネットニュースでも頻繁に取り上げられている。 グラビア評論家の徳重龍徳氏も、アイドル時代よりむしろ現在の芹那のほうに魅力を感じているという。「芹那さんは炎上も経験しましたが、ビジュアルだけを見ると芸能界の中でもかなりの美貌の持ち主で、2010年代前半はグラビアでも活躍しました。当時『こんな美人が水着に』というありがたみがある一方、体はかなりスレンダーで、セクシーさよりも華奢な印象が強かった。ビキニ以外にも、ランジェリーなど露出度の高い衣装を着ていましたが、セクシーさはあまり感じませんでした。 しかし、今年10月に発売された9年ぶりの写真集ではそのイメージが一変。“愛人感”とでもいうような大人の色気を漂わせています。写真集に合わせて、あえて5キロほど体重を増やしたそうで、その成果が丸みのある女性らしいボディ、特に写真集で全面に推されているヒップラインの美しさに繋がっています。 表情も笑顔がなく、けだるい感じもこれまでと違う新生芹那を感じさせてくれます。36歳という今の年齢の魅力を最大限に活かしたグラビアで、今後のグラビアにも期待したいです」 昨年に出演したバラエティ番組では、「(全盛期の)100分の1の仕事量」と告白していた芹那。アラフォーとなった今、グラビアで再ブレイクの芽もありそうだ。◆取材・文/原田イチボ(HEW)
2021.12.08 11:00
NEWSポストセブン

HIKAKIN越えた「まいぜんシスターズ」、『マイクラ』との相乗効果
小学生を中心に絶大な人気を誇るオリジナルキャラYouTuber、まいぜんシスターズ。“ぜんいち”と“マイッキー”の2人のキャラクターからなる彼らの主要コンテンツが、世界累計販売数2億本を超える大ヒットゲーム『Minecraft(マインクラフト、通称マイクラ)』の実況動画である。まいぜんシスターズの人気の背景には、『マイクラ』の爆発的ヒットがあると言っていい。 まいぜんシスターズは2015年に活動スタート。「大切な人と一緒に思い出を作るきっかけを提供すること」を理念に、「誰もが家族や友達と楽しめる動画を作り、日々の幸せの手助けをすること」を目指して動画制作を行なっており、2021年12月現在では登録者数218万人。動画の累計再生回数は40億回を超えるほどの人気だ。 YouTuberアカデミーを運営するFULMAが11月に発表した「小学生に人気のYouTuberランキング」では、3年連続トップの座に君臨していたHIKAKINを抑えてまいぜんシスターズが初の第1位を獲得。今や小学生にとってYouTuberといえばまいぜんシスターズの名前が真っ先に上がる時代になったのである。 そんなまいぜんシスターズがメインで投稿しているのが『マイクラ』のゲーム実況動画だ。動画制作だけでなく、昨年には『まいぜんシスターズと学ぼう!~1冊ですべて身につくマインクラフトプログラミング入門~』と『まいぜんシスターズとマイクラを遊ぼう!』の、『マイクラ』についてわかりやすく解説した2冊の著書も刊行している。 この『マイクラ』も、世界中で社会現象を巻き起こしているほどの人気コンテンツである。2011年に初めて正式リリースされてから今年でちょうど10年。7月には月間アクティブユーザー数が約1億4000万人と、日本の総人口を凌駕するほどの数に達している。これまでの累計販売数は2億本を超えており、2019年時点で『テトリス』を抜いて世界で最も売れたゲームとなったことが知られている。『マイクラ』とYouTuberは「Win-Win」の関係 そもそもなぜ、『マイクラ』は絶大な人気を誇っているのだろうか。ゲームカルチャーに造詣の深いゲームジャーナリストのJini氏はこのように説明する。「『マイクラ』は2010年代を通じて特筆すべき作品の1つで、現状、世界一売れたゲームだと言われています。ですがこのゲーム、最初はNotchというハンドルネームのスウェーデン人が、30歳の時に独りで作ったものでした。なので企業が仕掛けるような宣伝は全くなかったんですが、ユーザー同士の口コミで爆発的にヒットしていったという背景があります。 その口コミの一つが、ゲーム実況者やYouTuberでした。『マイクラ』では好きな建物を作ったり、自動生成のマップで冒険をしたりすることができるので、動画にする上でもYouTuberたちの個性が強く出て面白いんですよね。それでまた『マイクラ』人気に火がついて、YouTuberたちもデビューできた。今ではYouTubeをきっかけにゲームが人気になることは珍しくない現象です。『マイクラ』とYouTuberはまさにWin-Winの関係なんです」(Jini氏)『マイクラ』とYouTuberの間には、好ましい相乗効果があった。まいぜんシスターズの人気も、こうした関係が後押ししたことだろう。それは口コミだけでなく、『マイクラ』のシステムにも理由があるとJini氏は語る。「革命的なのが『マイクラ』におけるマルチプレイでした。これによって友達同士で同じ世界を共有して、一緒に冒険したり、建築したりできるようになった。友達と一緒にゲームすること自体は珍しくないですが、大抵はどっちが強いのか上手いのか、競い合う形式のゲームですよね。けれど『マイクラ』では、例えば一人が魚を釣って食料を集めながら、もう一人が住処を作るとか、バーチャルな空間での生活全てを友達と共有できるので可能性が無限にある。 今で言う“メタバース”そのものですね。そこにさっきお話ししたようなYouTubeが組み合わさると、まいぜんシスターズみたいに複数人でYouTubeチャンネルを作るとか、有名なYouTuber同士でコラボするとか、そういうこともできるようになる。YouTuber同士の交流に『マイクラ』は極めて有用なんです」(Jini氏)現代の子供にとって身近な“公園” さらにJini氏によれば、『マイクラ』は子供たちにとって“公園”のような場所だという。「リリースから10年以上も『マイクラ』が遊ばれ続けているのは、遊び方が無限大に存在するからです。『マイクラ』は“Mine(採掘する)+Craft(手作業で作る)”とタイトルにあるように、基本的には自然を採取して、人工物を建築するゲームです。これだけでも何を取って、何を作るか考えるだけで遊びは多岐に渡ります。しかし次第にユーザー側が新しい遊びを次々に発明していきました。 例えば、鬼ごっこしたり、雪合戦をしたり。その上、そうした遊びをユーザーが管理するサーバーの設定に組み込んで、シューティングゲームやレースゲームなど全く別のゲームに変えてしまう例もある。現代では公園が減っていると問題になることがありますが、実際のところ、『マイクラ』は現代の子供たちにとって一番身近な“公園”といえます。もちろんネタ切れを何より恐れるYouTuberたちにとっても尽きぬ水源なわけです。だからYouTubeでもずっと『マイクラ』は人気なんですよね」(Jini氏) すると子供たちにとっては、身近な“公園”で遊ぶ様子が動画として届けられることになる。制作側であるまいぜんシスターズにとっては、動画を作り続けるためのネタの宝庫と言える。こうした『マイクラ』の社会現象化を背景に、まいぜんシスターズも小学生の間でトップに躍り出たのだと言えるだろう。◆取材・文/細田成嗣(HEW)
2021.12.06 07:00
NEWSポストセブン

『鬼滅の刃』モブキャラの声優まで主演級 貫く「作品ファースト」
テレビアニメ「『鬼滅の刃』遊郭編」がいよいよ12月5日より放送スタートする。主人公の敵役(鬼の堕姫)を演じる声優・沢城みゆきは、『ルパン三世』峰不二子(3代目)や『ゲゲゲの鬼太郎』鬼太郎(第6作)などで知られ、実力派として名高い。ほかのキャストはまだ発表されていないが、そちらもビッグネームが期待できそうだ。 数多の人気声優を起用してきた『鬼滅の刃』。大きな特徴と言えるのが、前出の堕姫のような重要キャラはもちろん、端役と呼んでも差し支えないようなキャラクターも豪華キャストが演じている点だ。 たとえば、アニメ第1期の第7、8話に登場したうどん屋の店主(すぐに思い出せる人は相当な鬼滅マニアだろう)。主人公・竈門炭治郎が浅草で立ち寄ったうどん屋の店主の登場シーンはわずか1分程度だ。それにもかかわらず、店主を演じるのは、あの伝説的アニメ映画『AKIRA』(1988)で主人公の金田を演じた声優・岩田光央なのだ。ネット上では〈岩田光央さんが演じているから、あのうどん屋は重要人物だと思っていた〉という声が少なくない。 ほとんど一瞬しか出番のない下弦の鬼を演じたのも、楠大典(ドウェイン・ジョンソンの日本語版吹き替え、『テニスの王子様』真田弦一郎など)、保志総一朗(『ひぐらしのなく頃に』前原圭一、『機動戦士ガンダムSEED』キラ・ヤマトなど)、植田佳奈(『Fate/stay night』遠坂凛、『咲-Saki-』宮永咲など)、KENN(『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』遊城十代、『宇宙兄弟』南波日々人など)といった本来なら主役級の声優たちだ。 声優業界は、「セリフが少なければ、そのぶんギャラも安くなる」というものではない。声優ライターの須永兼次氏が、業界の仕組みを解説する。「声優の出演料は、人気の高さやキャリアによって更新される“ランク制”と呼ばれる制度に基づき『このランクの人であれば○万円』のように1本あたりの金額が決まるものであり、セリフの多寡に応じて変動するものではありません。にもかかわらず『鬼滅の刃』は、数話しか登場しないキャラクターやいわゆるモブキャラ(名前のないその他の登場キャラ)に至るまで、妥協のないキャスティングが行なわれています」(須永氏、以下同) 須永氏は、キャストたちの「世代的なバランス」にも着目する。「重要な役どころを担う大塚芳忠(鱗滝左近次役)や関俊彦(鬼舞辻無惨役)といった大ベテランや、“柱”や鬼役の多くを占める脂の乗り切った中堅~ベテラン勢に加え、新進気鋭の声優たちも数多く出演しています。鬼頭明里(竈門禰豆子役)もアニメ第1期放送時は声優デビュー6年目でしたし、他にも人気作『ゾンビランドサガ』の主人公・源さくらをはじめ数々の人気作でメインキャラを担当する本渡楓(炭治郎の弟・茂役)や、2019年から放送されたリメイク版『フルーツバスケット』の主人公・本田透などを演じる石見舞菜香(我妻善逸の鎹鴉・チュン太郎役)など、人気と実力を兼ね備えた面々が顔を揃えています。 もちろん、メインキャストの盤石さも忘れてはならないポイント。特に竈門炭治郎に関しては、『主人公らしさと“優しさ”を併せ持つ炭治郎を演じられるのは、花江夏樹の他をおいていない』と言えるほどのベストキャスティングです」 モブキャラに至るまで有名声優を起用している『鬼滅の刃』だが、声優ファンに向けて豪華キャストを前面に押し出すというより、「作品のために自然とそうなった」という姿勢が感じられる。「そもそも『鬼滅の刃』は、作画・音楽の分野も“作品ファースト”が徹底されている作品。 その姿勢をキャスティングの面でもモブキャラに至るまで貫き、その信念に応えた声優陣の好演が、アニメファン以外にも本作が受け入れられていくための原動力のひとつとなったのではないでしょうか」「『鬼滅の刃』遊郭編」でも声優たちの名演が期待できそうだ。※禰豆子の「禰」は正式には「ネ+爾」表記。◆取材・文/原田イチボ(HEW)
2021.12.04 11:00
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「すとぷり」なぜ超絶人気? ネット、リアル双方で“王子様”
6人組エンタメユニット「すとぷり」をご存知だろうか。今月上旬にはNHK総合の音楽番組『うたコン』に初出演を果たし、SNSの世界トレンド1位を獲得するなど大反響。2次元と3次元を行き来する次世代アイドルがなぜ注目されているのか、その魅力に迫った。「すとぷり」こと「すとろべりーぷりんす」は、YouTubeやTikTokなどの動画配信サイトを中心に、音楽活動やゲーム実況などを行なうエンターテインメント・グループ。2016年から活動を始め、現在は20代男性6人のメンバーで構成されている。 ライブでは通常の男性アイドルと同じように顔出しをしているが、インターネット上では基本的に顔出しをせず、それぞれのメンバーがアニメ風のオリジナルキャラクターに扮してバーチャルなパフォーマンスを行なっている。2次元のキャラクターと3次元のアイドルを同じメンバーが使い分けているところが一つの特徴だ。 とりわけ公式YouTubeチャンネル「すとぷりちゃんねる」の人気は高く、登録者数は約160万人。2019年リリースのファースト・ミニ・アルバムに収録されている楽曲『大好きになればいいんじゃない?』のMVは2700万回以上もの再生回数を記録している。 子供たちの間でも評判だ。YouTuberアカデミーを運営するFULMAが実施した「小学生に人気のYouTuberランキング」の2021年版では、トップYouTuberのHIKAKINに続いて第3位にランクイン。昨年までは圏外だったため、今年に入ってから「すとぷり」人気が急上昇していることが窺える。 子供から大人まで虜にする「すとぷり」の人気について、音楽やアニメに詳しいライターの草野英絵氏はこう説明する。「すとぷりの活動が支持される理由の一つは、すべて彼らが自主的に発信しているという点です。オリジナル楽曲や“歌ってみた“と呼ばれる楽曲カバー、声優活動、プロデュース業にゲーム実況と、メンバーの活動は多岐にわたっており、それぞれにたくさんの熱心なファンを抱えています。 そんな個性豊かなトップクリエイター6人が、“すとぷり”の名の下に集って仲良く活動している姿に憧れるファンも多いようです。生配信などでリスナーと多くの時間を共有していて、スターでありながら親近感がわくところも魅力です」 また、草野氏によれば2次元と3次元両方でライブ活動を行うところが「すとぷり」の特色だという。「すとぷりを語る上で欠かせないのがライブ活動です。ネット上ではメンバーがイラストで描かれていますが、ライブや握手会では顔出しをしてファンとリアルに対面しており、彼らもそういう場を大切にしています。 またAR技術を巧みに使ったバーチャルライブも行っており、直接会いに行けないファンも一体となってライブを楽しめる機会を作っています。 ネット上でもリアルでも、彼らはファンファーストです。感謝の言葉を忘れず、常にファンを喜ばせることを考えている姿勢は、まさに“王子様”。それこそが一番の魅力であり人気の理由だと思います」(草野氏) コロナ禍でライブ・エンタテインメントのあり方が変化する中、2次元と3次元を行き来しながらインディペンデントに情報発信を行い、つねに“ファンファースト”の精神で活動を続けているところが、「すとぷり」人気の秘訣と言えるのではないだろうか。◆取材・文/細田成嗣(HEW)
2021.11.28 11:00
NEWSポストセブン

まいぜんシスターズほか小学生が夢中になるYouTuber 人気の背景
「小学生に人気のYouTuberランキング」(YouTuberアカデミーを運営するFULMAが実施)では、2018年から2020年にかけて3年連続で人気YouTuber・HIKAKINが第1位の座に君臨していた。だが2021年に発表された調査結果では、HIKAKINを抑えて“まいぜんシスターズ”が第1位を獲得。まいぜんシスターズは、“ぜんいち”と“マイッキー”という2人のオリジナルキャラクターからなるゲーム実況系YouTuberだ。 2021年の調査結果では他にも、アーティストとしても活躍する“すとぷりちゃんねる”や“P丸様。”といったオリジナルキャラYouTuberがトップ5にランクイン。昨年の同調査ではまいぜんシスターズのみトップ5に名前を連ねていたため、オリジナルキャラYouTuberの人気が増加傾向にあると捉えることもできる。 そもそも、オリジナルキャラクターを用いたYouTuberといえば、アバターを活用する“バーチャルYouTuber(VTuber)”がジャンルとして確立しており世間では知られている。小学生に人気のオリジナルキャラYouTuberやVTuberの強みは、どのような点にあるのだろうか。VTuber事情に詳しいゲームジャーナリストのJini氏が説明する。「にじさんじやホロライブに代表されるVTuberたち、そして現代のYouTuberに共通するストロングポイントは、何よりも『親しみやすさ』のように思います。 生放送を介したファンとの直接的なコミュニケーションもさることながら、話し方、編集、また題材(MinecraftやAmong Usのような、皆でワイワイと楽しめるゲーム)も、親しみやすさを意識していますね。 また、VTuberたちのようにグループで活動したり、まいぜんシスターズやワイテルズ、三人称のように複数人でYouTubeチャンネルを作るのも、接点を増やして友達感覚で接しやすくさせる意図があるかと思います」(Jini氏) Jini氏によれば、こうした強みが小学生の間で人気を集める理由ともなっているという。自粛生活で「リアルとネット」の差異が薄くなった「YouTuberたちは、昨今ではテレビで見るスターではなく、あくまでクラスの人気者のような立ち位置として、特に小学生の間で人気を博しています。 理由はさまざま考えられますが、生まれた時からSNSが存在したデジタルネイティブの世代にとって、デジタル上で常にだれかとつながることを日常として築かれた独自の距離感に、コロナ禍による自粛によって一層、『リアルの友達』と『ネットの友達』の差異が薄くなった結果、YouTuberたちの親しみやすさがマッチしているからだと思います」(Jini氏) さらに近年では、YouTuberなどの括りを超えてインフルエンサーが集まり、ゲーム大会の配信を行っており、こうした動きも人気コンテンツとなっているようだ。Jini氏が続ける。「昨今、VtuberやYouTuberの垣根を超えた交流が見られるようになりました。 プロゲーミングチームCrazy Raccoonが主催する、招待制のゲーム大会CRカップでは、これらインフルエンサーがチームを組み、初心者からプロゲーマーまで一緒に練習(その様子も配信し、コンテンツにする)して、最終的に大会でぶつかりあう様子が配信されます。こちらは同時接続55万人でした。 要するに、『クラスの人気者』たちが集まって一つの巨大なクラスを作り、そこでゲームを遊ぶ様子が今最も注目されるコンテンツの一つになったのです。 CRカップの成功により、同様の大会が他社でも催されるようになり、一層インフルエンサーは単独のカリスマだけではなく、インフルエンサー同士の繋がり、『仲の良さ』も重視されるようになりました。こうしたことも、いかにファンが自分たちの人間関係の延長線上に、少なくとも極めて身近な世界観で、インフルエンサーを認識しているかよくわかると思います」 小学生の間で“オリジナルキャラYouTuber”の人気が増加していることの背景には、こうした大人も含めたコンテンツの盛り上がりがあると言えるのではないだろうか。◆取材・文/細田成嗣(HEW)
2021.11.27 16:00
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菜々緒、みちょぱ、秋元才加も「へそピアスが似合う女性芸能人」
女優・菜々緒(33)がInstagramに投稿した黒ビキニ写真を見て、驚いたファンも多かったことだろう。美くびれにも目を奪われるが、それ以上に気になるのが“おへそ”だ。形のいいへそにシルバーのピアスがつけられているのだ。菜々緒は過去にもへそピアスをつけた写真を披露したことがあるが、今回の投稿で初めて知った人々もいるようで、ネット上では〈菜々緒ってへそピアスしていたんだ〉と驚く声が上がっている。 菜々緒のほかにも、へそにピアス穴を開けている女性芸能人はいる。タレントでモデルの「みちょぱ」こと池田美優(23)もそのひとりだ。2015年2月にピアス穴を開けたときは、〈中3の冬からずっと言いまくっててやっと臍ピ開けてきたー!!開けたばっかで赤いし血出てるけど糞可愛い〉と喜びのあまりへその写真をTwitterで公開していた。 また、女優の秋元才加(33)はAKB48時代からへそピアスをしており、見事に割れた腹筋と共に、その真ん中に鎮座するピアスが話題になってきた。 ほかにもパフォーマンスグループ・AAA(2020年をもって活動休止)のメンバーで歌手の宇野実彩子(35)、歌手の倖田來未(39)らも、へそピアスをしている女性芸能人として有名だ。 へそピアスは、わざわざ肌を晒さなければ周囲にはバレない。たとえお腹を出したとしても、ピアスさえ外してしまったら、まじまじと観察されない限りピアス穴が開いていることはわかりにくい。へそピアスをしている女性芸能人は、実はもっとたくさん存在するのかもしれない。耳たぶとは違い、へそなどに付けるボディピアスは一般人には敷居が高く感じるが……。 ボディピアスの穴あけも手掛ける「青山セレスクリニック」の元神賢太理事長は、「近年は、開ける方が増加している認識はあります」と言う。「以前は20~30代で穴あけを希望される方が多かったのですが、最近は10代から40代以上と年齢層も広がっています。Instagramで有名人がへそピアスをしている写真を見かけて、スタイリッシュに感じた方が多いのではないでしょうか」(元神理事長) さすがに耳たぶのピアスほどメジャーではなくとも、いまやへそピアスは珍しいものではなくなりつつある。自分で手軽にピアス穴を開けられるピアッサーも販売されているが、医師としてはオススメしづらいらしい。「耳たぶのピアスに比べて、へそに自分でピアス穴を開けるのは、『穴がまっすぐになっていない』、『皮膚が裂ける』、『細菌感染する』といったトラブルが起きやすいと言えます。必ず専門の医師に開けてもらうべきです」(元神理事長) へそ用のピアッサーは3000~4000円ほどで購入できるのに対して、クリニックを利用するとなると1万円以上かかる場合がほとんどだ。とはいえ、施術に局所麻酔を使用してくれる点やアフターケアのことを考えると、たしかに専門家に頼んだほうが安心だろう。 どんなことにもリスクやデメリットは存在する。へそピアスにあこがれるにしても、いったん冷静に情報収集してほしい。◆取材・文/原田イチボ(HEW)
2021.11.23 16:00
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『じゃない方の彼女』で本領発揮 主演・濱田岳の卓越した“表情”
不倫をテーマにした連続コメディドラマ『じゃない方の彼女』(月曜夜11時6分〜、テレビ東京系)で、主演を務める俳優・濱田岳の演技が話題だ。これまでも演技力に定評があることで知られてきた彼は、新作主演ドラマで新たな魅力を発揮している。人気の秘訣を探った。『じゃない方の彼女』は、どこにでもいる普通の人生を送ってきた大学教員の主人公・小谷雅也(濱田岳)が、妻・麗(小西真奈美)がいながら女子大生・野々山怜子(山下美月)との不倫に手を染めていく三角関係をコメディタッチで描いたドラマ。 企画・原作は『あなたの番です』(日本テレビ系)や『漂着者』(テレビ朝日系)をはじめ多数の話題作を手がけてきた秋元康氏が担当。不倫というシリアスなテーマを題材としつつ、「○○じゃない方」という視点を持ち込むことで、視聴者の笑いを誘う作品に仕上げている。 中でも、主人公を演じる濱田岳に注目が集まっている。11月16日に放送された第6話では、不倫相手と“一線”を超える展開を見事な演技で披露した。視聴者からは「憎めない」「ハラハラドキドキする」「やっぱり実力あるなあ」といった声が相次いで寄せられている。 濱田岳はドラマの中でどんな魅力を発揮しているのか。『じゃない方の彼女』をレビューし続けているエンタメ系ライター・あまのさき氏は「ともすれば“クズ男”になりかねない不倫夫役を愛嬌ある存在に昇華している」と濱田岳を称賛する。「特筆すべきはその表情。運命の相手かもしれない教え子の怜子(山下美月)と出会い、様々な偶然が重なって距離が縮まっていく過程の戸惑いとまんざらでもなさそうな様子は秀逸です。 印象に残っているのは、第1話、大学構内のエレベーターでのシーン。雅也の時計に怜子のカーディガンが引っかかってしまったときの、混乱と惚けの真ん中にあるような表情は絶妙でした。その後、雅也だけを乗せたエレベーターが急上昇したことから、無事に怜子に心を奪われたものと解釈できるのですが、それでもだらしなくもいやらしくもならないのは濱田さんだからこそといえるでしょう。 また、第3話で怜子と成り行き上、一夜を共にしてしまったあとのおどおどとした様子には、『何やってんだよ!』と突っ込みつつも、もはやかわいらしさすら感じてしまうほど。仮に自分の旦那が知らぬ女性と……ということがあったとしても、あの段階では未遂でしたし、こんなにも動揺していたことを知れば許せてしまうかもしれません。濱田さんが演じる雅也には、“クズ男”とは少し違う愛嬌がたしかに見え隠れしています」(あまのさき氏) こうした濱田岳の“表情”は、ドラマ内の三角関係における不倫相手だけでなく、妻とのシーンでも視聴者に訴えかけるものがあるようだ。あまのさき氏が続ける。「徐々に明らかになってきた妻・麗への、ある意味劣等感とも思われる感情の表出のさせ方からも、濱田さんの器用さが感じられます。 例えば、第3話のラスト、雨の中で怜子の思いを拒絶するシーンがありました。そこには、これまでコミカルさの影に鳴りを潜めていた雅也の“じゃない方”として生きてきた人生の歴史が垣間見えたように感じます。 おどけず、真剣な表情で『そんな風に僕のことを思ってくれる人なんていないんだよ。それはずっと前から知ってるの』と言葉を紡ぐ姿は、雅也が初めて見せる一面。ここで雅也という役にぐんと奥行きが増し、感情移入できるようになった視聴者も多かったのではないでしょうか。 また、第5話の麗との馴れ初めを回想するシーンからは、雅也がこれまで抱いてきた劣等感が輪郭を持ちはじめます。大事にしている家族、麗にとってすらも、雅也は“じゃない方”だった……こんな繊細な裏側が隠されていたとは、正直言って想定外でした」 予想外の物語展開を見せる『じゃない方の彼女』。そんなドラマの中で、濱田岳の演技は二面性を器用に使い分けることで視聴者を釘付けにする。こうした演技力こそ濱田岳の持ち味だと、あまのさき氏は指摘する。「怜子に心を奪われていくコミカルさ、“じゃない方”の哀愁を醸し出す表現力。この二面性を同居させながら雅也というキャラクターに説得力を持たせられるところこそ、濱田岳が濱田岳たる所以なのではないでしょうか。 同世代の俳優が群雄割拠する中でも確かな立ち位置を確立する濱田さんだからこそ、企画・原作の秋元康さんが描きたかった“じゃない方”側の人間への愛おしさが表現できているように感じます」(あまのさき氏) 不倫と笑いという、一見すると相反する要素を一つの作品の中で溶け合わせた『じゃない方の彼女』。ドラマの展開に視聴者が「ハラハラドキドキ」してしまうのは、主演を務めた濱田岳の力量も大きいのではないだろうか。◆取材・文/細田成嗣(HEW)
2021.11.22 16:00
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「今年の顔」有村架純 「純粋さもズルさも強さも弱さも」演じる力
11月上旬、日経トレンディが発表した「今年の顔」に女優・有村架純(28)が選出された。2021年は菅田将暉とW主演した映画『花束みたいな恋をした』をはじめ多数のヒット作・話題作に出演。11月20日からは主演ドラマ『前科者 −新米保護司・阿川佳代−』(WOWOW)もスタートする彼女は、2021年を通じてどのような成長を遂げたのだろうか。 今年の有村架純の活躍ぶりを振り返ると、映画・ドラマともにヒット作が多く、高い演技力も評価されたことがうかがえる。年明けに公開された主演映画『花束みたいな恋をした』は、興行収入38億円を突破する予想外のロングヒットを記録。人気映画シリーズのフィナーレを飾る『るろうに剣心 最終章 The Beginning』にも出演しており、こちらは2部作合計の興行収入が65億円を超えている。 他にも『太陽の子』や『バイプレイヤーズ 〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜』といった映画に出演し、その活躍から第13回TAMA映画賞では最優秀女優賞を獲得。また春に放送され反響を呼んだドラマ『コントが始まる』(日本テレビ系)では、第108回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演女優賞も受賞している。 そうした存在感が後押ししてか、今年の夏には日経エンタテインメント!の「タレントパワーランキング」で総合9位にランクイン、初のトップ10入りを果たしていた。「女優部門」で見ると、昨年の6位から上昇、石原さとみや深田恭子を抜いて4位の座を獲得している。 以前から実力派として知られ、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(2013年)でブレイクして以降、毎年欠かさず映画やドラマで賞を受賞してきた有村架純。『テレビドラマクロニクル 1990→2020』(PLANETS)の著者であるドラマ評論家の成馬零一氏は、有村架純が「今年の顔」に選ばれたポイントは「どこにでもいるふつうの真面目に生きている女性を、リアルに演じられるところ」だと指摘し、2021年を通じた成長についてこう説明する。「基本的には今まで積み上げてきたイメージを踏まえた上でステップアップしているのですが、より年相応の20代後半の女性をリアルに演じられるようになったと思います。 単純な清純派でなく、恋愛も仕事も体験している20代後半の女性、純粋さもズルさも強さも弱さも兼ね備えたどこにでもいる女性を演じられることが、彼女の最大の強みです。 含みのある表情を用いて複雑な感情を表現できるのに、作品世界にうまく溶け込んで演技が悪目立ちしないのも魅力だと思います」 11月3日に都内で行われた「2021年ヒット商品ベスト30」発表会で、「今年の顔」に選出されたことについて有村架純は「作品に携わる時には誠実に1つ1つ大切に、つむいでいきたいという思いでやっていた」「自分だけの力ではなく、作品を見てくださった方々の心に残ってくれた作品たちが、今年は運良くあったのかなと思います」とも語っていた。 20日スタートのドラマ『前科者』は、2022年1月に続編が映画版として公開される予定だ。犯罪歴を持つ人々の社会復帰と向き合う“保護司”を演じる社会派ヒューマンドラマで、どんな風に作品世界に溶け込んでいくのか。彼女の誠実でリアリティ溢れる演技に、多くの観客が期待を寄せているに違いない。◆取材・文/細田成嗣(HEW)
2021.11.20 16:00
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