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孫の年齢の小泉進次郎氏を「さん付け」するのが二階俊博流

アクの強い権力者に重用されるのはなぜ?

 二階俊博・自民党幹事長は「異能の政治家」である。地味な風貌で、弁も立たず、目立った政策もない。当世の“人気政治家の条件”には、まず当てはまらない。にもかかわらず、安倍晋三氏、小泉純一郎氏、小沢一郎氏、小池百合子氏ら政治的には敵味方の関係にあったアクとクセの強い権力者たちに重宝され、政界の実力者へと上り詰めた。“将来の首相候補”小泉進次郎氏さえ、いまや二階氏の側にいる。作家・大下英治氏が二階氏にインタビューした。

 * * *
 今年8月の自民党人事で二階氏は小泉進次郎氏を筆頭副幹事長に抜擢した。それを聞かされた安倍首相は、「進次郎がよく受けたな」と驚いたという。“一強”と呼ばれる権力者にも歯に衣着せない批判を口にする若者を、二階氏が“懐柔”してみせたからだ。

 この人事の裏には、小泉純一郎・元首相が政治生命をかけて臨んだ郵政民営化以来の二階氏と小泉父子との秘められた関係がある。二階氏の出世の糸口となったのは、郵政民営化法案を審議する特別委員会の委員長就任だった。

──郵政民営化で“火中の栗”を拾ったことが小泉父子に信頼されるきっかけになった。

「実は、私は当初、郵政民営化に賛成ではなかったんです。小泉さんからも『賛成じゃなかったあなたを敢えて委員長に指名したんだ』と言われてね。頼まれたから断わらなかったけど、積極的に賛成して民営化の旗を振ろうという気持ちを持っているわけじゃなかった」

 法案は二階流の国会運営で衆院では僅差で可決されたが、参院で否決。小泉首相は衆院を解散し、党内の造反組に刺客を立てる。この郵政選挙の実務を取り仕切ったのも自民党総務局長を兼ねていた二階氏だ。結果は大勝、小泉氏はその手腕を高く評価し、経産大臣に起用した。

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