樹木希林さん(享年75)の告別式が9月30日、東京・光林寺で開かれた。娘・内田也哉子(42才)の夫である本木雅弘(52才)は、告別式の直前に囲み取材を受け、樹木さんの最期の様子を明らかにした。ここでは、本木雅弘が会見で話した全文を掲載する──。
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家族としては落ち着いて振り返る暇が、心に余裕がまだない状態ですが、報道で皆さんがいろいろな形で取り上げてくださっているので、樹木さんの若かりし時代のことも含め、私たちが知らないエピソードがたくさん出てきて…なんだかまだ生きているような気分でいます。
正直いいますと、実は春のうちに余命宣告がされており、私たち家族もそのことと向き合いながら、また樹木さんご自身の哲学である“自然に朽ちていきたい”という強い思いがあったので、それを受け止めるのに、家族もちょっと時間がかかるところがあったんです。「今年1年もつかもたないか、場合によっては2~3か月ということもある」という話で、ある意味すがすがしくそれを語っておられて、「もうこれはハッキリしたから、いろいろと私も準備を進めるわね」という姿勢でした。
(準備とは)樹木さん自身が、自分の体、仕事とどういうふうに向き合って決着をつけていくかということも含め、具体的に、「遺産のこともあなたたちが困らないようにきちんとする」「お葬式が私の好きな光林寺でできるかどうか確かめましょう」と。すぐに、私たちも一緒に下見に行き、確認して。「お葬式の内容は残された人たちのことだから、あなたたちが勝手にやってちょうだい。てゆーかこれ、私が先か裕也が先か、どっちかわからない話よ」とあっけらかんとしながらも、「あぁ、よかった。これでお葬式もできるのね。もうこれはオッケー、はい、次」というような感じで月日が進みまして。回復に向かいつつも、とても考えさせられる場面はありながらの1か月でした。
体が弱っていく中でも、樹木さんは“延命に繋がる治療はしたくない”と決めていたので、基本的には痛みを和らげる緩和ケアを中心に行い、薬の使い方もとてもデリケートに調整していただき、とにかく樹木さん自身が、正常な意識でいられる範囲内で治療していただきました。