自動車の中国生産ストップを余儀なくされたホンダ(時事通信フォト)

自動車の中国生産ストップを余儀なくされたホンダ(時事通信フォト)

◆中国依存の製造業、卸売業は大打撃

 世界第2位の経済大国となった中国は、日本にとって最大の部品供給拠点であると同時に、大きな生産拠点、マーケットでもある。その中国経済が大減速し始めたのだから影響は甚大である。

 武漢での感染拡大長期化による移動制限、操業ストップなどで日本の自動車メーカーをはじめとする製造業界は大幅な生産縮小を余儀なくされている。日産は中国からの部品調達がストップし、九州工場の一時生産停止に追い込まれた。

 中国での新車販売台数が155万台(2019年)と過去最高を更新したというホンダも、武漢にある3工場の現地生産のストップに加え、今後の中国国内での販売面での影響が懸念される。

 輸入も深刻だ。中国から製品などを輸入している日本企業は2万社近くあると言われるだけに、その影響は計り知れない。

 中国国内に多くの店舗を展開している流通大手や小売店も直撃を受けている。ユニクロ、無印良品などが武漢だけでなく中国各地で営業休止の事態に追い込まれた。国内では、中国人観光客の激減で大手百貨店の売り上げが軒並みダウンしている。

 航空業界も対応に大わらわだ。中国便・香港便の運休がどんどん拡大している。国際航空運送協会は2月20日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、アジア太平洋地域の航空会社が2020年に約3兆1000億円の損失を被るとの試算を発表した。日本のエアラインも例外ではない。あらゆる業界がダメージを受けているといっていい状況だ。

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