小渕恵三内閣で官房長官を務めた野中広務・元自民党幹事長(写真/共同通信社)
官房機密費の情報公開をめぐって政府を相手に訴訟を起こし、一部開示の最高裁判決を得た上脇博之・神戸学院大学教授が指摘する。
「機密費の使途を見ると、違法性のあるものが多数ある。たとえば、官邸が法案や予算に反対する野党議員を賛成させたり審議に協力させるための国会対策費に使えば、その支出は賄賂といえるでしょう。公金で選挙支援するのも法的におかしい。違法性が疑われるからその使途を公表せよというのが、われわれが裁判を行なった理由です。
例えばアメリカでは機密情報でも例外を除けば25年以内に機密解除、情報公開することになっている。日本も違法な使い方がされていないか検証できる仕組みにしなければならない。現状は、国民のために使われているというよりも、与党議員のため、政権維持のためだけに使われている」
使途公開がない限り、機密費という国民の税金は、今後も権力者とそれにたかる政治家にしゃぶられ続ける。
(了。前編から読む)
※週刊ポスト2023年12月15日号