ウォーターサーバーを徹底比較!

日本国内ではレア!? 水の硬度が高い地域はあの県だった!

日本国内ではレア!? 水の硬度が高い地域はあの県だった!

 水、特に天然水に関してちょっと知識のある人であれば「水の硬度」による違いをご存じだろう。水は含まれる成分によって硬水と軟水に分類され、日本では総じて軟水が産出される。ところが日本国内でもまれに、非常に水の硬度が高い地域もあるのだ。そんな高硬度地域は、ほかの軟水の地域と比べてどこに違いがあるのかについて今回は調べてみた。

コスモウォーター

◆ミネラル分が多い水の特性とは?

 硬水、軟水と聞くと水自体に硬さの違いがあるのかと思ってしまいそうだが、実は含まれているミネラルの量によってそう呼ばれるのだ。マグネシウムとカルシウムが1リットル中に何ミリグラム入っているかが目安となる。WHO(世界保健機関)では、120ミリグラム以上を硬水、それより少ないものを軟水と定めている。

 水に硬軟の違いが出る理由は、産出する場所の岩石や地層にある。石灰岩のようにカルシウムを多く含む岩盤を通った地下水は硬水になりやすい。また、水が地下に長く留まっていると、さらに周囲の地層の影響を受けやすくなる。硬水がヨーロッパなどに多く日本では少ないのは、地質の違いと同時に地形が関係しているといわれている。日本は狭い国土ながら高低差が激しく、地上の水も地下水も急流であることが多い。つまり、岩石の成分を含む前に、水は下流へと流れてしまうのだ。

 では、含まれるミネラルの量によって何が変わってくるのだろうか? 軟水も硬水も、見た目も感触もまるで違いはない。しかし実際には、主に3つの大きな違いがある。

 まずは、飲んだとき。硬水はミネラル分が持つ特有の渋みのような風味によって、水の味自体にある種のコクが出る。「重たい味」と評する人もいて、これを楽しむファンも少なくない。一方の軟水はスッキリとまろやかで、喉ごしがいいという認識が一般的だ。

 そして、調理などに使うときには水に混ざりものが少ないほうが食品の成分が抽出されやすいため、軟水のほうがお茶や出汁がよく出る。ただ、肉の煮込み料理には硬水が向いているという。

 3つ目は石けんとの相性だ。石けんに多く含まれる界面活性剤は、カルシウムやマグネシウムのイオンと反応してしまう性質があり、この反応によって泡立つ前にボロボロした「石けんカス」ができてしまうのだ。硬水が多いヨーロッパでは、この石けんカスが作られないような洗剤も開発されている。

お茶は軟水のほうが抽出しやすい

お茶は軟水のほうが抽出しやすい

 ウォーターサーバーに使われている国内産の天然水は、ほぼ軟水だ。数値で見ていくと「コスモウォーター(静岡)」は53ミリグラム、「ふじざくら命水」31ミリグラム、「うるのん」29ミリグラム、「キララ」28ミリグラム、「プレミアムウォーター(富士吉田)」は25ミリグラム、「フレシャス富士」21ミリグラムとなっている。日本人になじみがあり、飲んでも、料理その他でも使いやすい水が選ばれているということだろう。

◆千葉は硬水が多い!?

 そんな日本においても、非常に水の硬度が高い地域がある。たとえば、千葉県の大多喜町の水は硬度270ミリグラム。前述したウォーターサーバーの天然水と比較すると、約10倍近い。この数値から見ると、使い勝手があまりよくなさそうに思えるが、同町に住む人はそれなりに工夫しているようだ。東京都内に住む、同町出身者である40代の会社員Aさんはこう話す。

「家庭によっては軟水がいいという場合は、硬水の硬度を下げてくれる『軟水器』という装置を使っているケースもありますね。ウォーターサーバーの利用者もいます。ただ私は昔からなじんでいるので問題があると感じたことはないし、水自体もおいしいと思っています」

千葉県大多喜町は水の硬度が非常に高い(写真は同町の名所、大多喜城)

千葉県大多喜町は水の硬度が非常に高い(写真は同町の名所、大多喜城)

「軟水器」とは、水道管に直結すると硬度の高い水をフィルタリングして軟水化してくれる装置で、食品加工などでは軟水がいいという場合もあるため業務用として普及している。しかし一般家庭でも使いたいというニーズがあることから、安価で手軽に導入できるタイプが作られるようになった。千葉県は大多喜町以外でも水の硬度が高い地域があり、軟水器はそれほど珍しいものではないとAさんはいう。

 軟水器と近い機能を持つ機器としては、水道水をろ過して使う「ウォータースタンド」が挙げられるかもしれない。「ウォータースタンド」にも使用されている1000万分の1ミリという網の目を持つ超高性能フィルターであるRO膜は、水に含まれるほとんどの物質を漉し取ってしまう。このRO膜を備えた業務用の浄水器の中には、ミネラル分もほぼ0に近い純水のような水を作ることができるものもある。

「ウォータースタンド」は冷水や温水、常温水も出せるモデルがあり、水道の蛇口に取り付けるタイプの浄水器よりもはるかに高機能だ。また原水が水道水なので、水を消費するたびに交換用のボトルを注文する手間もない。そして、水の硬度がもともと低い地域でも水道水の残留塩素やニオイを浄化して使いたいというニーズからユーザーが広がっている。

   

 地域の水に慣れ親しんでそこで生活してきた人たちにとっては、どんな硬度の水でもごく当たり前の存在で、それぞれに工夫をしたり特性を活かしたりしながら歴史を刻んできたのだろう。しかし、いまや水は用途によっていろいろ選べる時代だ。自分のライフスタイルによりフィットした水を、見つけてみるのもいいかもしれない。

   
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