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「ハウル・カラシニコフ」こと小川雅朝容疑者(本人の公式Twitterアカウントより)
NHKも騙されていた 淫行で逮捕「トー横のハウル」の巧みなメディア統制
 新宿・歌舞伎町の「トー横」(新宿東宝ビル横)と呼ばれる一角で清掃活動や炊き出しを行なうボランティア団体「歌舞伎町卍会」の総会長を務める小川雅朝容疑者(32、職業不詳)が、16歳の少女に淫らな行為をしたとして東京都青少年健全育成条例違反容疑で警視庁に逮捕された。自らを「ハウル・カラシニコフ」と名乗った小川容疑者は、昨年12月、取材班に対して「行き場のない未成年の子供を救いたい」と話していたが、その実態は少女を狙う卑劣な男だった。 歌舞伎町に詳しいライターの佐々木チワワ氏は、「面識がある」という小川容疑者についてこう語る。「目立つ場所で活動しているし、SNSでの発信も盛ん。一見『いい人だよね』という印象を受けるんですが、元々トー横界隈にいた人たちからの評判はよくなかった。卍会は『悪い大人を追い払う』という名目で、多くの人間を広場から力ずくで“出禁”にしていました。『広場はハウルが仕切っているから面白くない』とバーやコンカフェに居場所を変える少女も多くいたし、『どうせハウルも手出してるでしょ』という話がトー横界隈で流れていました」 一方で、メディアが取り上げてきたのは“表の顔”だった。 NHKの報道ドキュメンタリー番組「クローズアップ現代+」の公式サイト上の記事「『トー横キッズ』~居場所なき子どもたちの声~」では、炊き出しを行なう小川容疑者を「子供たちに慕われている」と表現していた(NHKは逮捕を受けて小川容疑者に関する記述を削除)。これに限らず、好意的に取り上げるメディアが少なくなかった。佐々木が続ける。「11月末の歌舞伎町ビル殺人事件を機に、『トー横』は全国的な問題として取り上げられ始めましたが、現地取材に行ったら目立つ場所にいるのは卍会のメンバーばかりでした。子供たちは基本的に大人が嫌いで取材を受けないけど、ハウルは積極的に取材を受けた。ある記者には『トー横関係で気になることあったら、いつでも俺んとこ聞きに来てください』と伝えていたそうです。私も彼から話を聞くことはありましたし、一部記者たちの“ネタ元”になっていたわけです。 実際にあるメディアの取材でも、トー横の女の子が『ハウルさんも実際児ポ(児童ポルノ法違反)してる』と話していたんです。しかしそのメディアはハウルさんにも取材していて、映像チェックの際にハウルさんからチェックを受け否定されたため、該当箇所は使用できなかった。こういうケースが他にもあったのではないでしょうか」 実際に昨年12月に小川容疑者と接触していた取材班も、「炊き出しのパスタ食いませんか」「LINE交換しましょうよ」と声をかけられていた。「トー横」の闇は深い。

国際情報

中国国防省が弾道ミサイルの迎撃実験成功をHPで発表
上海の企業家らの公開書簡が話題 市政府にロックダウンで受けた損害への補償要求
 上海市で5月末まで2か月続いた都市封鎖(ロックダウン)では、多くの市民が経済的な損失や人権無視の扱いなどを受けた。上海の企業家らが、中国共産党指導部に対して、秋の第20回党全国代表大会(党大会)までに損害の補償など7つの要求の実現を求める公開書簡を発表し、ネット上で話題を呼んでいる。 さらに公開書簡を受けて、上海の衣類の小売業者らが2か月間の損害を弁償する代わりに、6か月分の店舗の家賃の免除を求めるストを実施するなど、要求がエスカレートしている。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」モーニングなどが報じた。 公開書簡は「寝そべるゼロコロナ!仕事は再開するが、生産せず!第20回党大会を静観」と題し、ロックダウン解除2日前の5月30日にネット上で発表された。タイトル中の「寝そべる」は現実に希望が持てずに寝そべるような無気力な生活を送る若者を総称した『寝そべり族』をもじったもの。習近平国家主席は昨年、寝そべり族を批判する演説を行っている。 書簡の差出人は「上海の一部の企業家・投資家」で具体的な名前は書かれていないが、総数は数十人で、従業員総数は数十万人とされる。文章の作成に当たって、上海の企業家らが共産党指導部への要求の内容などについて、フランス在住の中国人の民主化活動家の王龍蒙氏に依頼したという。 その要求内容は、上海市のロックダウン中の2カ月間のゼロコロナ政策によって、甚大な経済的損害が発生したとして、被害金額の弁償や横暴な振る舞いをした市政府の役人の処罰、投獄されている企業家らの釈放、都市と農村を差別した戸籍制度の廃止などだ。 すでに6月13日から上海の衣料品市場のテナント数百人が、今後半年間の家賃免除に応じない限り、店舗の営業を再開しないなどとして、デモや集会を行っている。 サウス紙は「これは中国本土の商業の中心地である上海市のロックダウンが何百万もの中小企業に深刻な打撃を与えたことを改めて示すものだ」と報じている。

スポーツ

なぜここまで打てなくなってしまったのか…(時事通信フォト)
巨人・小林誠司、6月の打率0割… 慢性的な打撃不振は「指導者に責任の一端」の指摘
 ヤクルトに首位独走を許している巨人。苦戦の原因の1つは正捕手を固定できていないことだろう。大城卓三が攻守で精彩を欠き、6月2日に登録抹消。プロ5年目で初の二軍降格だった。そうしたなかでは、高卒3年目の山瀬慎之助とともに、この男も正捕手奪取の大きなチャンスとなるはずだが、打力が大きなネックになっている。プロ9年目の小林誠司だ。スポーツ紙記者が語る。「守備型の捕手ですが、ここまで打てないと厳しい。投手以下の打率だと8、9番は自動アウトの感覚になる。1試合で3打席回ると考えると、実質2回分攻撃が減っているようなものです。小林はアマチュア時代から打撃が秀でていたわけではない。広陵高でも社会人・日本生命でも下位打線に組み込まれていた。ただ、非力なわけではなくスイングはキレイなんです。パンチ力もあるのでフリー打撃では左翼席の中段にポンポン飛ばしていました。プロ1年目には63試合出場で打率.255をマークしている。打撃技術が上がらないのは本人の問題ですが、指導者にも責任の一端があるように感じます。打撃フォームを大きく変えるなど土台から作り直したほうが良いかもしれません」 6月はチーム最多の10試合にスタメン出場しているが、25打数0安打11三振と月間打率は.000で、打席の半分近くで三振を喫している(6月24日試合終了時点、以下同)。四死球での出塁もゼロだ。 6月22日のDeNA戦では2試合ぶりの先発マスクをかぶったが、2回の1打席目で遊ゴロ、4回の2打席目も一邪飛に倒れて28打席連続無安打。同点の6回の打席で代打・重信慎之介が告げられ、途中交代となった。今シーズンの打率.134、0本塁打、3打点では厳しい。この試合で先発のメルセデスが2回の第1打席で中前打を放ち、打率.176に。戸郷翔征も打率.143で小林はそれを下回る。野手としては屈辱的な数字だ。 2020年は10試合出場で打率.056、昨年も64試合出場で打率.093と1割にも満たないシーズンが2年も続いている。打撃は持っているセンスが大きく結果を左右するものなのはたしかだろう。 ただ、時折放つ惚れ惚れとするような打球を見ると、改善の余地があるのではないかと考えてしまう。侍ジャパンに選出された2017年のWBCでは全7試合で先発マスクをかぶり、20打数9安打でチームトップの打率.450、1本塁打、6打点をマーク。初出場した2017年のオールスターでは全パの2番手・金子千尋の初球の直球を左翼席中段へ叩き込む先制アーチを放ち、巨人の高橋由伸監督(当時)に祝福のハイタッチで頭をはたかれたのが話題になった。他球団のスコアラーも「小林に打撃センスがないとは思わない」とし、こう語る。「オールスターは直球勝負であることを差し引いても、あんな打撃ができるのだからセンスが全くないわけではない。実際に新人の時の打撃を見た時は懐が深い打ち方で、経験を重ねたら打率が上がるんじゃないかと感じましたし。不調の原因? うーん、詳しいことは分からないけど、スイングが年々小さくなっているように感じます。 本人も打撃で結果を出さないといけないという焦りがあると思う。相手投手に合わせて当てにいくような打ち方になっている。昔はあんな打ち方じゃなかった。賢い選手なので相手バッテリーの配球を読む力はあると思う。ただ、当てることばかりを気にすると球と衝突するような打ち方になり、タイミングが合わなくなって逆に空振りが増えてしまう。基本的に引っ張りの打者だと思うので、ノーサインの時は空振りを恐れず初球からもっと強く振った方がいいと思います」 2016年から4年連続リーグトップの盗塁阻止率をマークするなど強肩とインサイドワーク、ブロッキング技術は大きな魅力だ。打撃で覚醒を迎えられるか。

グラビア

超ときめき宣伝部がお腹チラ衣装で最近の思いを語った
「超ときめき宣伝部」が弾ける笑顔!「好きなこと」「がんばっていること」話します!
 楽曲がTikTokやYouTubeなどでも広がりを見せている人気6人組アイドルユニット「超ときめき宣伝部」が、6月20日発売の『週刊ビッグコミックスピリッツ』(29号)の表紙&巻頭グラビアに登場した。6月22日には新ミニアルバム『ハートギュッと!』も発売する「超とき宣」メンバー6人が、好きなことや最近がんばっていることなどについて、語ってくれた。 * * *辻野かなみ:好奇心旺盛で、気になった事は挑戦しないと気がすまないタイプ。最近は、引き締まった身体を作るため食事に気をつけています!杏ジュリア:好きなものはとことん好きになっちゃいます。なんでも信じる。自分のそんなところもちょっと好きです。坂井仁香:自分の好きなところは、髪が伸びるのが早いところ(笑)。健康の為にお水をたくさん飲んでいます。あと、日傘をさすことも忘れません!小泉遥香:人の名前や誕生日を覚えることが得意です。たくさん食べるし、好き嫌いもないんです!吉川ひより:早寝早起きです! ベッドに入れば3分で眠りにつけるし、目覚ましの鳴る1時間くらい前に起きます。でも、起きちゃうのは悩みかも…。菅田愛貴:ペットボトルを開けるのがちょっと苦手…SNSの更新、お芝居をがんばっています!【ProFile】Kanami Tsujino●1999年6月2日生まれ、埼玉県出身。●趣味:器械体操・ギネス記録に挑戦、パステルアート、カメラ(多趣味だが長く続いたことはない…?)●特技:バック転・キャラ弁。【Instagram】kanami_tsujino_official【TikTok】kanami_tsujino_officialJulia An●2004月1日15日生まれ、東京都出身。●趣味:バレエ、旅行。●特技:バレエ、柔軟、ウインク、ぷく顔。【Instagram】julia_an_official【TikTok】julia_an_officialHitoka Sakai●2001年7月25日生まれ、神奈川県出身。●趣味:テレビ、映画鑑賞。●特技:柔軟、どこでも寝られる。【Instagram】hitoka_sakai_official【TikTok】hitoka_sakai_officialHaruka Koizumi●2001年1月5日生まれ、埼玉県出身。●趣味:作詞、ギター。●特技:歌うこと、一人芝居。【Instagram】haruka_koizumi_official【TikTok】haruka_koizumi_officialHiyori Yoshikawa●2001年8月12日生まれ、千葉県出身。●趣味:歌うこと、料理。●特技:即興ものまね、即興宣伝ソング。【Instagram】hiyori_yoshikawa_official【TikTok】hiyoriyoshikawa_officialAki Suda●2004年12月20日生まれ、東京都出身。●趣味:ピアノ、水泳、書道、アニメ鑑賞・ゲーム。●特技:ピアノ、水泳、書道。【Instagram】akisudaofficial【TikTok】akisudaofficial(C)熊木優/小学館ビッグコミックスピリッツ

ビジネス

店主と客の温かい交流と旨いつまみが評判の老舗
「料理も背中も大きくて温かい」と店主を慕う客で賑わう横浜・反町の角打ち
 横浜駅の隣、東急東横線・反町(たんまち)駅から徒歩7分、通り沿いに建ち並ぶマンションの狭間で、昔懐かしい昭和の情緒を醸す『三國屋酒店』。 印象的なレトロな木枠の引き戸を開くと、木目調の壁に貼られた和服美人の古いポスターやたくさんの著名人のサイン色紙が目に飛び込んでくる。店の奥では、“みっちゃん”と愛称で呼ばれ、客に慕われる3代目店主の岩瀬光重(みつのり)さん(49歳)がせっせと料理を仕込んでいる。「昭和9年に祖父が酒屋を始めて以来、店先で細々と角打ちはやっていたんですが、25年前、親父から店を継いだときからもっと本格的に角打ちをやっていこうと決めました。 料理は、うちから酒を仕入れてくれる居酒屋さんで教えてもらいました。原価を抑えて旨い味に仕上げるのがプロの料理人だって、さんざん教え込まれましてね、やり始めたら楽しくなっちゃって、メニューの数がどんどん増えていきました」(店主)「穏やかで、食いしん坊のみっちゃんが作る料理はどれもおいしいの。大きな背中がクマさんみたいで癒されます」(30代)。「焼きうどんだとか、特大鮭カマとか、温かい料理はいつも大盛りで絶品ですよ」(50代)。 店主は、市場を巡って、その日の掘り出し物をみつけてくるという。 今日の目玉は特大鮭カマ。焼き始めると、脂がのった鮭の香ばしい匂いがふわりと店内に漂い、食欲をそそる。「この鮭は、私たち常連が『海賊』と呼んでいる漁師も認める絶品。なかなかほかで味わえないわよ」(50代)と、ふっくら焼きあがった鮭カマをつまみに、客らは陽気に酒を傾ける。「庶民的で温かい店ですよ。私は昔プロレスをやっていたんだけど、初めて来たときから胃袋を鷲掴みにされました。出会いがしらにパワースラム(投げ技)、じわじわサソリ固めを決められた感じ(笑い)。 後楽園ホールで引退試合をしたとき、みっちゃんはサプライズゲストとして駆けつけてくれたんです。リングの上で花束贈呈してくれて、あれは嬉しかったですね。 現役を退いた今も柔術の道場で汗流して、帰りにここで一杯飲むのはたまらなく幸せな時間ですよ」(元女子プロレスラー・40代)「初めてこの店を訪れたとき、祖父母の家のような匂いがして引き込まれました。なんだか落ち着くんですよね。毎晩仕事帰りにここに寄って一杯やって、夫と待ち合わせて家に帰るのが日常です」(書道講師、30代)。「お母さんの代から長年通っているけど、私が体調を崩したときにはお母さんが作った煮物をみっちゃん(店主)が届けてくれたこともありました。店先で繰り広げるちょっとした親子喧嘩も見てきたから、なんだか親戚の家みたいな感覚で、居心地がいい店なんです。 みっちゃんには、色々人生相談にも乗ってもらってますよ。余計なことは言わない優しさがある。『誰が何と言おうと、自分が決めたことならいいんじゃない』なんて、背中を押してもらったこともありました」(看護師、50代)「角打ちをやっていると、これまでの自分の人生には関係なかった人たちとのご縁に恵まれます。プロレスラーや習字の先生など、いろんな世界の人に出会えるのが嬉しいね」と店主。「お客さんとは、1994年から草野球チーム『横浜バローズ』を結成していて、僕は監督をしているんです。毎年、夏に三國屋野球大会も開催しています。いつか横浜スタジアムで試合をしてみたいという夢があったのですが、結成から10年越しで、ついに叶いました」と語る店主に「あとは嫁さんだけだね」(50代)と馴染みの客が突っ込み、笑い合う。 明るい笑顔と温もり溢れる店で人気の酒は『焼酎ハイボール』。「爽快な辛口が好み。先代から受け継がれた名物ぬか漬けをあてに、さぁ、もう1杯!」2022年5月9日取材■三國屋酒店【住所】神奈川県横浜市神奈川区広台太田町5−2【電話番号】045-323-3802【営業時間】17~23時(ラストオーダー22時)、日曜定休 焼酎ハイボール280円、ビール大びん430円、特大鮭カマ塩焼600円、ホワイトアスパラガス500円、お新香(ぬか漬け)250円※営業時間等に関しては、店舗にお問い合わせください。

ライフ

藤井竜王と杉本八段
藤井聡太が叶えた「名古屋将棋対局場」新設 東海地方の棋士50年来の悲願だった
 藤井聡太竜王(19)の地元・愛知に、東京、大阪に次ぐ3拠点目の公式対局場がついに新設された。名古屋駅前の複合商業施設「ミッドランドスクエア」の25階のフロアをトヨタ自動車が提供。「名古屋将棋対局場」の新設の背景には、藤井竜王の活躍とその“大師匠”にあたる板谷進九段(故人、1988年没)の存在があった。今回の新設は東海地区の棋士にとって「悲願」だったのだという。「名古屋将棋対局場」のこけら落としとなった6月22日の今期順位戦A級の初戦では、藤井竜王が佐藤康光九段(52)を101手で破り、初の名人位挑戦に向けて白星発進を決めた。 藤井竜王にとって対局場の新設は「移動時間の激減」という大きなメリットをもたらす。「名古屋将棋対局場」では、本年度は順位戦を中心におよそ100局が行なわれる予定だ。日本将棋連盟によると、藤井竜王は順位戦9局中6局を名古屋で対局する予定。地元での対局は、体力的・精神的な負担の軽減につながる。将棋ライターの松本博文氏が解説する。「公式戦は基本的に将棋会館のある東京か大阪で行なわれる場合がほとんどです。愛知在住で関西(大阪)所属の藤井竜王は、東京では前日に1泊。大阪では当日朝、始発近い時間の新幹線に乗っているのだと思います。藤井竜王の鉄道好きは有名で、移動は苦にしていないようでもありますが、それでも名古屋での対局ならば、移動にかける負担は少なくなると考えていいでしょう。5つのタイトルを保持する藤井竜王は、タイトル戦のための地方転戦が多いため、それ以外の対局で名古屋開催のものが出てくるメリットは大きい」 対局前に長い移動時間がある場合、棋士はどのように過ごしているのだろうか。「棋士の多くは東京か大阪周辺に住んでいます。地方に住む人は少数派です。関東、関西の棋士がそれぞれアウェイに遠征するケースでは新幹線での移動がほとんどですが、その間の過ごし方はまちまちでしょう。これまでは、そこまで根を詰めて移動中も将棋のことを考えている人は多くなかった。ゆったり過ごして心身を休ませ、翌日からの対局に臨むという棋士がほとんどだったでしょう。しかしコンピュータ将棋(AI)が強くなって以降は、事前の準備が勝敗につながる傾向が強くなりました。現在では移動中もリモートで自宅のハイスペックなパソコンを操作し、研究している棋士もいます」(松本氏) 棋士の生活サイクルに大きな影響を与えそうな「名古屋将棋対局場」の新設までの道のりには、東海地区の将棋文化の発展に寄与してきた板谷一門の存在がある。名古屋に公式対局場が置かれるまでに実に50年以上の年月を要した。 板谷一門 もう一つの悲願の実現も……「板谷四郎九段、ご子息の板谷進九段が名古屋に『第三の将棋会館』を建てることを目標に、東海地区の将棋の普及に尽力されてきました。1970年には日本将棋連盟東海本部が設立されました。その頃は板谷将棋教室の奥座敷で公式対局も行なわれていました。しかしそれも長くは続かなかったようです。エネルギッシュに普及活動を続けていた板谷進九段は1988年、47歳の若さで死去。さらには中心人物であった父の板谷四郎九段も1995年に亡くなり、東海棋界は厳しい局面を迎えました。その後は板谷進九段の弟子である杉本昌隆八段(53)が名古屋在住の棋士として奮闘。地元の人々が地道に普及活動を続ける中で、大天才・藤井少年が現れることになります。 将棋界ではひとりのスーパースターが今までの景色をがらっと変える瞬間がありますが、今回はまさにスーパースターの藤井竜王の存在が大きかったでしょう。板谷進九段は、藤井竜王の師匠である杉本八段の師匠なので、藤井竜王と板谷進九段とは孫弟子と大師匠の関係にあたります。東海地区の関係者の夢であり、また板谷一門の悲願の一つはタイトルを持ち帰ることでした。それはすでに板谷進九段の孫弟子である藤井竜王が実現しています。さらにまた、もう一つの悲願も実現しつつあります」(松本氏) もう一つの悲願は、関西(大阪)に続き「第三の将棋会館」を新設することだ。「名古屋将棋対局場」はその大いなる目標へとつながっていくことが期待されている。「何にしても東京と大阪が拠点となるので、名古屋は都会ではあるもののハンディキャップがあるわけです。藤井竜王がプロになるまでは、小学生のときから大阪の関西奨励会に通っていました。親御さんにとっても大変な負担だったことでしょう。ゆくゆくは奨励会や将棋会館が東海地区にできたら、東海地方のさらなる将棋の普及につながることは間違いないでしょう」(松本氏) 藤井竜王が切り開いた地元・愛知の公式対局の拠点は、いずれ「東海将棋会館」として大きく実を結ぶことにつながる一歩となるのだろうか。  

コラム

日本で「稼げるスポーツ」「稼げないスポーツ」の違い もし子供にやらせるなら?
日本で「稼げるスポーツ」「稼げないスポーツ」の違い もし子供にやらせるなら?
 サッカーのリオネル・メッシ(アルゼンチン)、クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)、ネイマール(ブラジル)、バスケットボールのレブロン・ジェームズ(米国)、ステファン・カリー(米国)、ケビン・デュラント(米国)、テニスのロジャー・フェデラー(スイス)……。世界のトップに君臨するプロスポーツ選手たちは、いずれも日本円換算の総年収が100億円以上ととんでもない大金を稼いでいる。では、日本において最も稼げるスポーツは何なのか?【表】1位はメッシの1億3000万ドル!世界のアスリート長者番付・年収トップ10 そもそも、“稼げるスポーツ”と“稼げないスポーツ”の違いのカギを握るのが、競技そのものに魅力があって、“見るスポーツとしての市場”があるか否かだとスポーツマネジメント分野に詳しい、産業能率大学情報マネジメント学部兼任教員の須賀優樹さんは言う。「その魅力を測る目安が、地上波放送で1年に何回放送されたかのデータ。スポーツ白書によれば、NHK独占放送の大相撲以外だと、ゴルフ、サッカー、野球、競馬の放送が多く、テニス、フィギュアスケートが続きます。放送で注目度が上がり、企業からのスポンサー収入などでお金が集まる競技なら、プロスポーツとして成立しやすい。 プロとして生活できる市場規模として、年間最低でも数十億円単位は欲しいですが、日本の場合はプロバスケットのB1リーグで約100億円市場、プロサッカーのJ1で約800億円市場、プロ野球で約1500億円市場。なかでも野球は、引退後にコーチなどでベンチ入りの可能性もあり、安定して生涯稼げるスポーツといえるでしょう」(須賀さん・以下同)「プロ野球の推定年俸ランキング」で上位に入っていなくても、(チームで差はあれど)平均年俸3000万円程度で、10年プレーしたとして生涯収入3億円。このレベルを100人単位で稼げるスポーツはそうそうない。「個人競技では、シニアもあり選手生命が長いゴルフが挙げられます。逆に激しいコンタクトの多いスポーツは選手生命が短く、若いときに稼がないと生涯収入は上がらない。これ以外の陸上や水泳、マイナー競技でプロとしてやっていけるとしたら、どの大会でも優勝できる実力の持ち主で、個人にスポンサーがつき、グッズ販売で稼ぐなど、自分の商品価値を現金化する才覚がある選手でしょう」 ただし、クラブや企業チームに所属したり、昼間は仕事をする会社員であれば月給は出続け、安定的なスポーツ活動が可能だ。その一方、企業やクラブに所属せず労使関係がない個人競技者の場合、大会に出て賞金を稼ぐ単発的な活動になりやすい傾向がある。たとえば日本女子ゴルフの賞金ランキングを見ると、20代で2億円を稼ぐ選手が何人もいて一見華やかだが、その裏に個人競技ゆえの厳しさもあることを知っておきたい。 では、上記以外で「稼ぐこと」を眼目として、子供にやらせるとしたら──。「ほかには競馬のジョッキーが平均年収が高く、競技人生も長い。日本の騎手の生涯収入の高さは世界的に有名です。 そしてもう1つおすすめなのがクリケット。インドのプロリーグであるインディアンプレミアリーグの平均年俸は4億円、いちばん稼ぐ選手だと30億円。クリケットなら国内競技人口は2000人程度で、野球やサッカーに比べて圧倒的にライバルが少なく、日本でトップ選手になってインドに渡れば、ビッグマネーを稼げるかもしれません。 さらに今後はスケートボードや自転車などのXゲームや、ゲームで競うeスポーツもプロスポーツとして成り立っていく可能性があります」 夢を与えるスポーツは、時代とともに変わりゆくのだろう。取材・文/北武司※女性セブン2022年6月30日号