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安倍晋三元首相の国葬が行われた日本武道館[代表撮影](時事通信フォト)
安倍元首相の国葬前にも「自粛」通達 暴力団が国家的な行事に「協力」する狙い
 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、国葬や五輪など、国家的行事に際して自粛を要請する暴力団組織の通達について。 * * * 安倍晋三元首相の国葬に際し、某指定暴力団ではこんな通達が組に送られたという。「国葬の間、絶対に問題を起こさないようにする事。事件などを起こした者は厳罰に処すので、当日はなるべく外出は控えるようにする事」 国葬当日、自粛を要請する通達だ。「このような国をあげての大規模イベントがある時は、絶対に問題を起こさないようにという通達がくることがある」と、ある暴力団幹部は説明する。 警察関係者も国葬に関し、「全国から約2万人の警察官が動員され、都心はこれまでにないほどの厳戒態勢になる。安倍元首相の銃撃事件があった後だ。当日は大規模なデモも予想されているため、不審な動きをしなくても不審者と思えば、警官はすぐに職務質問をかけるだろう。地方から動員された警察官も、ピリピリと緊張した状態で警備するはずだ」と話していた。 厳重な警備の都心だけでなく、全国的にテロが警戒されている。些細な事でも問題を起こせば、すぐに捕まる可能性がある。暴力団が各組に出した自粛通達はそのためでもあるが、幹部はこうも述べる。「警察が威信をかけて警備している時に、俺たちがわざわざ問題を起こす事もない。問題を起こせば、国内だけでなく対外的にも警察のメンツを潰すことになる。そんなことをすれば、自分たちへの摘発が強まるだけだ。このような時に事件を起こすヤクザはいない」 2020年東京五輪・パラリンピックの前には、関東の暴力団6組織でつくる関東親睦会が加盟組織に対し、東京五輪に向けて銃器使用の自重を求める通達を出したことが報じられた。当時は発砲事件が相次いだこともあり、警察の摘発強化を警戒したものとみられていた。国家的な行事には協力しましょう? 暴力団組織では、オリンピックやサミットなどの行事の際、たとえ前もって通達がなくとも、事件は起こさないという不文律のような空気があると幹部は説明する。実際、東京五輪の開催時、六代目山口組と神戸山口組との間では対立が再燃しかけていたが、大きな事件は起きなかった。「通達といえば、あの時期は、ワクチン通達が話題だった」と幹部は振り返る。「警察よりコロナにかかるほうが怖かった時期だ。ワクチンを打つように、打った組員のリストを出すようにという通達がきた。まさかそんな通達が来ると笑ったが、下の者は適当に報告しても、各組織の親分たちはそうはいかない。きっちり報告しただろう」 通達は組事務所にファックスで送られてくることもあれば、組長や幹部に電話で伝えられることもあるという。末端の者はその内容をLINEで知らされているようだ。 ただ六代目山口組では、東京パラリンピック開催時、簡単な文章で「絶対にトラブルは起こさないようにという通達があった」とも別の暴力団組員は話す。 東京五輪の前、神戸山口組では離脱者が相次いでおり、すでに神戸山口組を離脱していた中核組織の五代目山健組中田浩司組長が、六代目山口組に復帰するという噂が流れていた時期でもある。通達にはこの水面下の動きに、わずかな水も刺されないようにという含みがあったのかもしれない。その数週間後、五代目山健組は六代目山口組に復帰し、幹部に就任。神戸山口組では激震が走ったといわれている。「2016年5月の伊勢志摩サミットでは、その前年の8月に分裂し対立抗争中だった六代目山口組と神戸山口組が双方、サミット終了まで抗争禁止の通達を出したのは有名な話だ。一時的な休戦で、サミット終了後すぐに、神戸山口組の直系組織の幹部が射殺される事件がおきたがね」と幹部は振り返って、こう続けた。「ヤクザはもともと愛国心が強いんで。国家的な行事には協力しましょうってことだ」

国際情報

(写真/村山康文)
【現地レポート】ベトナム戦争中の民間人殺害事件で新証言「韓国軍は味方側の村を焼き払った」
 ベトナム戦争中に起きた韓国軍による民間人殺害事件について、韓国政府に賠償を求めて係争中のベトナム人女性グエン・ティ・タンさん(62歳)。去る8月上旬、タンさんのおじが、ベトナム人として初めて韓国・ソウル中央地裁で当時のことを証言した。韓国社会で50年近くも“タブー”とされてきた、ベトナムでの韓国軍による加害の実態が、少しずつ明らかになりつつある。10数年にわたり同事件の取材を続けるフォトジャーナリストの村山康文氏が、ベトナムに渡りタンさんらに話を聞いた。 * * * 過去20年以上、毎年1〜4度はベトナムを訪れていた私にとって、およそ2年半ぶりとなる2022年8月下旬からのベトナム滞在。その旅は、屋台での法外な請求で幕を開けた。 夕方、予約していたホテルに到着した私は、休む間もなく、近くの屋台に夕食を取りに向かった。店員に勧められるまま席に座り、「ミエンガー(蒸し鶏が載った春雨スープ)」を注文。もちろん、最初に商品の値段を確かめていた。 しばらくして出てきたものは、1杯の「ミエン(春雨スープ)」と、別皿に山のように盛られた鶏肉だった。「この店は鶏肉を別皿で出してくれるのだ」と思い、このとき、別段気に留めることもしなかった。 食事を終え、清算のために店員を呼ぶと、注文した1杯の「ミエン」の代金と、別皿に盛られた鶏胸肉の金額(最初に確認した約5倍)が請求された。注文したもの以外には箸を付けず突き返せば良かったのだが、別皿の鶏肉に箸を付けていた私は、「やられたぁ」と、頭を抱えて苦笑した。 長年ベトナムに住む日本人の友人にその話をしたら、「ベトナムと長い付き合いでもやられるんですか? 相当感覚が鈍っていますね」と、ケタケタと笑った。到着直後、私は、以前と変わらないベトナムに洗礼を受けた。新型コロナ「ロックダウン」の爪痕 一方で、私のなかで大きく変わったベトナムの現実があった。 20年以上の付き合いになるバイクタクシーとシクロ(ベトナムの3輪自転車タクシー)のドライバーをしていた友人3人が、新型コロナウイルスに感染し、この2年半の間に相次いで亡くなっていたのだ。彼らはいずれも、ベトナム戦争時代、南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)などの北側勢力と戦った、ベトナム共和国(南ベトナム:当時)軍の元兵士だった。激戦を生き抜いてきたにもかかわらず、今回、南部ホーチミン市で蔓延した新型コロナウイルスには勝てなかった。 彼らの死のことを教えてくれた、別のある南ベトナム軍元兵士は、辺りに聞こえないような小さな声で、ゆっくりとこう話した。「今回、新型コロナウイルスでのホーチミン市で行われたロックダウン(都市封鎖)は異常だったよ。政府は庶民の意見に聞く耳を持たず、軍を使って圧力だけで人びとを抑え込んだ。補償もろくになく、病院に行くこともできず、新型コロナに感染したこの付近の貧困層は、次々と死んでいったんだ。約2か月間続いたロックダウン中に、糖尿病を患っている人らは、治療も受けられず、手の指を切断し、足を切り落とした。解除になった今後も、この影響はまだしばらく続くと思うね……」 彼が話した現実は、「軍を使って抑え込んだのは新型コロナウイルスだ」という、私が日本で確認していたベトナム政府の見解とは大きくかけ離れていて、ショックを受けた。事件の被害者らに再会 私は今年8月、ベトナム戦時下で起きた韓国軍による民間人殺害事件や、ライダイハン(韓国人男性とベトナム人女性の間に生まれた子どもを指す蔑称)問題を約13年かけて記録した拙著『韓国軍はベトナムで何をしたか』を上梓した。 米軍とともに南ベトナム側で参戦した韓国軍だが、その韓国軍による民間人殺害事件は、当時の南ベトナムで80件余り起き、犠牲者は9000人以上とされている。しかし、この問題について公的機関による調査は行われておらず、事件から50年以上が過ぎた今も、全容は不明のままだ。 私は同書で、事件で九死に一生を得た被害者やその家族、加害者とされる韓国軍元兵士ら数十名に会って集めた証言をまとめ、事件の真相に近付こうとした。 今回のベトナム渡航では、同書に登場する事件の被害者や取材協力者らに再会し、本を進呈したいと思っていた。コロナ禍の間に会えなかった彼らの近況を確認し、書籍の内容を伝え、感想を聞くことが旅の大事な目的でもあった。 ベトナム中部に位置するフーイエン省の取材で、いつもお世話になっているレンタカーのドライバー、ホー・ミン・サン兄(43)に拙著を渡すと、「この取材に同行できていることを私は誇りに思います。昔、この省で起きた事件のことを、妻や子どもたちに伝えます」と語ってくれた。 また、1966年にフーイエン省ドンホア県ホアヒエップナム社(社はベトナムの行政区画の単位)トーラム村で起きた韓国軍による民間人殺害事件に遭遇し、左頬に大きな傷跡が残るファム・ディン・タオさん(65)は、「事件を起こした韓国人が謝罪のためにここに来るのは当然ですが、事件と関係のない日本人のあなたが何度も何度も訪問してくれることに感謝します。このように事件を書籍にして残すことは意味があります」と、心から再会を喜んでくれた。ひとりの韓国兵が殺害され、事件は起きた そして、旅の目的はもうひとつあった。クアンナム省フォンニ村に住むグエン・ティ・タンさん(62)に会うことだ。 タンさんが住むフォンニ村と隣村のフォンニャット村で起きた韓国軍による民間人殺害事件(1968年2月12日発生)では、74名が犠牲になったとされる。タンさんの家族は、左わき腹に銃弾を受け意識朦朧となったタンさんと、腹と尻を銃で撃たれて立てなくなった兄を除く5人がこの事件で命を落とした。なお同事件は韓国軍と米軍の共同作戦中に起きたとされ、米軍側の調査報告により虐殺の実態が明らかになっている。 タンさんは、事件から半世紀以上が過ぎた2020年4月、韓国政府を相手取り、「民間人虐殺に責任がある大韓民国政府は3000万ウォン(約300万円)を賠償せよ」と、ソウル中央地裁に訴えを起こした。ベトナム人被害者自身による訴訟は、これが初めてとなった。しかし、韓国政府は、「韓国軍によって被害を受けた事実が十分に立証されていない」「米軍に対抗した南ベトナム民族解放戦線(ベトコン)が心理戦のために韓国軍に偽装し、民間人を攻撃した可能性がある」などと、未だにこの事件への関与を認めていない。 今年8月上旬、タンさんは裁判の第8回口頭弁論ために韓国に渡航していた。事件を明らかにしようと全力を注いでいるタンさんは、4度目となる今回の韓国渡航でどのような動きをし、どんなことを感じたのか。私はそれを確認したかった。 突然の訪問にもかかわらず、タンさんは笑顔で私を迎えいれてくれた。「私は、嘘は言っておらず、真実を伝えているだけです。しかし、今回の口頭弁論でも、元兵士や韓国政府が事件を認めていないことが改めてわかりました。私はいつも良い結果を望んでいます」と、タンさんは冷静に語った。 今回の渡韓には、フォンニ村の事件現場から約100メートル離れた場所で韓国軍の暴虐ぶりを目撃したというタンさんのおじ、グエン・ドゥック・チョイさん(82)も同行した。事件当時27歳で、南ベトナムの農村開発団員だったチョイさん(のちに南ベトナム共和国軍民兵隊)は、「無線機を通じて韓国軍がフォンニ村の住民らを殺しているとの知らせを聞き、現場の近くに向かった。そして、望遠鏡で韓国軍人が住民らを殺害している姿を見た」と、証人尋問で述べていた(『ハンギョレ新聞』、2022年8月10日付)。 私は、韓国に同行したチョイさんにも話が聞きたいと、タンさんに伝えた。タンさんは快諾し、チョイさんの家まで案内してくれた。 チョイさんは、フォンニ村で起きた事件について、次のように話した。「……事件前、この村でひとりの韓国兵が殺されました。本来、(韓国軍と敵対していた)ベトコンは山のほうで身を潜めているのですが、韓国兵が殺されると、『村人がベトコンを匿っているんじゃないか』と疑いを持ち、怒り狂ったんです。そして、次々と村人を殺し、村を焼き払っていきました。この村は事件当時、南側の勢力圏でした。韓国軍とは味方であるにもかかわらず、このような事件が起きてしまった。悲しすぎます」 ベトナム戦時下で起きた民間人殺害事件に関する私の取材は、今年で14年目になる。今まで「味方側を殺害した」という表現を、インターネットなどで確認したことはあったが、事件を知る関係者の証言を聞いたのは、これが初めてのことだった。そしてチョイさんは、苦笑しながらこう付け加えた。「当時、韓国軍兵士は臆病になっていたのではないでしょうか。ゲリラであるベトコンは、その韓国軍兵士の性格を利用して、南ベトナム側勢力の内部分裂を図ろうとしたのかもしれません……」 今回のベトナムは、私にとって通算52回目の渡航になった。今までの渡航では、街や人びとの大きな変化を感じることは少なかった。しかし、今回のベトナムは違った。やはり2年半の時間は大きかった。観るもの、聞くもの、感じるもの、そのすべてが私の心を揺さぶった。新型コロナウイルス感染症による友人の死。フォンニ村の事件を見ていたというチョイさんの証言。 チョイさんの証言内容で新たに知った事実を思うと、事件に関する取材もまだ道半ばだと実感する。私は、これからもベトナムを追い続ける。

芸能

2010年3月に行われた円楽さんの襲名披露会見
逝去の三遊亭円楽さん 故・桂歌丸さんが闘病の支えに「呼びにきちゃダメだよって……」
 長寿番組『笑点』(日本テレビ系)の大喜利メンバーとしてお茶の間の人気者だった落語家の六代目三遊亭円楽さんが9月30日、肺がんのため亡くなった。72歳だった。 晩年は病との闘いだった。2018年に初期の肺がんの手術を受け、翌2019年には脳腫瘍が見つかった。今年1月には脳梗塞を発症し、5月に退院して8月に高座復帰を果たしたものの、その後、肺炎で入院。闘病とリハビリを続けながら最後まで復帰を目指していたが、帰らぬ人となった。 円楽さんといえば二ツ目の楽太郎時代から『笑点』のレギュラーとなり、「腹黒」キャラですぐに人気者に。毒を含んだ時事ネタや風刺ジョークを得意とした。そして、円楽さんを語る上で欠かすことができない人物が、2018年7月に亡くなった桂歌丸さん。2人の“毒舌合戦”は同番組の見どころのひとつだった。「『歌丸』に『水』と書いて、死に水」「車へんに『歌丸』と書いて、霊柩車」「私の故郷コペンハーゲン、あなたはてっぺんハゲ」 円楽さんが歌丸さんの容姿や“寿命”をネタにしてからかい、怒った歌丸さんが「おい、山田くん! 座布団全部持っていけ!」とやり返す。そんなやり取りで笑いを誘い、番組を盛り上げた。もちろん、2人の間に信頼関係があったからこそできた掛け合いだ。「円楽さんに歌丸さんの容姿イジりや毒舌ネタを勧めたのは、ほかならぬ歌丸さんです。円楽さんは『笑点』メンバーになったばかりのころ、キャラクターが確立できずに悩んでいました。そんななかで歌丸さんから『困ったら俺のことを言いなよ』と助言されたと、歌丸さんへの感謝をインタビューなどで語っていました」(演芸ライター) 感謝があるからこそ、歌丸さんの愛情に容赦ない“毒舌”で応えた円楽さん。歌丸さんの死去後に放送された『笑点』での追悼の大喜利では、歌丸さんに「○○してくれて、ありがとうございました」と呼びかけて最後に一言を付け加える、というお題で、円楽さんは「私の悪口を優しく受け止めてくれて、罵詈雑言にも耐えてくれて、ありがとうございました」と感謝の言葉の後に、「最後に言わせてください……じじい! 早すぎるんだよ!」と目をうるませた。「円楽さんは肺がんや脳腫瘍の闘病中、よく歌丸さんのことを話していました。晩年、酸素吸入器を付け、一人では歩けなくなっても高座に上がり続けた歌丸さんの姿を思い出して、病魔と闘う力をもらっているようでした。『俺はまだまだ生きるって決めたから、歌丸師匠に、呼びにきちゃダメだよ、って言ってるんだよ』って」(落語芸術協会関係者) 歌丸さんが亡くなってから4年。円楽さんが鬼籍に入った。あの世で再会し、また“毒舌合戦”を繰り広げているだろうか。ご冥福をお祈りします。

スポーツ

坂本勇人の女性スキャンダルをTV局などが報じない理由は?(時事通信フォト)
「スルー対応」が続く坂本勇人のスキャンダル テレビ、新聞の若手記者からは「巨人を担当したくない」などの声も
 CS進出を逃し、巨人の今シーズンが事実上終了した。その一方で、巨人・坂本勇人の女性スキャンダルが文春オンラインで報じられ、3週間が経とうとしている。坂本は報道後もスタメンで試合に出続け、CS進出に向けて戦っている。球団は記者会見を開かずに沈黙を貫き、新聞、テレビは一切報じていない。一方で週刊誌、ネットメディアはこのスキャンダルを取り上げ、坂本が試合に出続けていること、球団がペナルティーを科さないことに対して批判的な論調が目立つ。 テレビ局で他球団の担当を務める30代の男性記者は、坂本のスキャンダルを報じない自社の方針に疑問を感じているという。「元ロッテの清田育宏がコロナ禍に度重なる不倫デートで契約を解除された時は各メディアが大々的に報じたのに、なぜ黙殺を続けるのか。巨人の担当記者に聞いたら、『坂本のトラブルに触れたら球団ににらまれるだろうし、会社からは活躍した時に取り上げればいいと言われている』とぼやいていました。正直、僕も巨人担当をやれと言われたら……。被害者と示談が成立しているからって沈黙を続けていることに疑問の声があるのは当然ではないか。世間の常識と乖離していると思うし、メディアの側だって『なぜ新聞は巨人を特別扱いするんだ』と叩かれる。その通りだと思いますし、ファンからも見放されますよ」 新聞、テレビがこのスキャンダルをスルーしていることに、現場の記者からは反発の声が少なくない。40代のスポーツ紙デスクも渋い表情を浮かべる。「昔は巨人担当に配属されたら花形だったんですけどね……。20代の記者たちは、巨人が『球界の盟主』と言われてもピンとこないらしい。彼らの学生時代はソフトバンクの黄金時代で、巨人が圧倒的に強かった時代を知らない。世代間のギャップは感じますね。大谷翔平や侍ジャパンの選手たちのほうが世間の注目度は高いのに、50代の上司たちの方針で巨人至上主義の紙面を作っている。今回の坂本のスキャンダルも『なぜウチは報じないんですか?』と不信感を募らせている若手の記者が少なくない」 今回の問題は球界全体の問題だという声も出ている。他球団の球団職員は、巨人の対応に懸念の声を上げる。「決して対岸の火事ではない。ああいう報道が出ると巨人だけでなく、プロ野球全体のイメージも悪くなります。詳細は分からないのでとやかく言うことではないかもしれませんが、球団が記者会見を開くのが筋ではないか。今回のようにスルーしてしまうと、球界全体がモラルが低いと受け取られかねない。坂本もスタメンで出続けていますが笑顔が全く見られなくなったし、居心地が悪いでしょう。スキャンダルを起こした後の対応が重要であると痛感させられました」 坂本が球界を代表する名遊撃手であることは間違いない。通算2200安打などの積み上げた数字は並大抵のものではない。だからこそ、多くのファンがいるわけだが、それゆえ責任のある対応が求められている側面もあるだろう。SNSが普及し、報道しないことで風化させるというやり方が通用する時代ではない。テレビ、新聞で働く記者たちはその現実を痛感している。メディアの側は、今後この問題とどう向き合うのだろうか。

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ビジネス

50億円詐欺被害のオウケイウェイヴ前社長を直撃 民事と刑事で起こした訴訟の行方は
50億円詐欺被害のオウケイウェイヴ前社長を直撃 民事と刑事で起こした訴訟の行方は
 上場企業が舞台となった詐欺事件は混迷の度を深めている。ジャーナリスト・伊藤博敏氏がレポートする。 * * * 名証ネクストに上場するオウケイウェイヴの“騒動”が治まらない。 今年8月末の臨時株主総会で解任された前経営陣が、9月21日、総会決議の取り消しを求めて東京地裁に提訴。同時に、現経営陣の職務執行を停止する仮処分を申し立てた。 混乱のきっかけは投資の失敗だった。 インド人金融業者のスニール・ジー・サドワニ氏の“甘言”に乗って「IPO(新規公開株)の特別枠」に約50億円を投資したところ、入金された資金を他の投資家の利払いに回す「ポンジスキーム」という詐欺だったことが発覚した。 筆者は、オウケイウェイヴの依頼を受けた調査委員会が、6月10日、調査報告書を提出したのを機に、本サイトで「50億円詐欺事件の全貌」と題する記事を執筆した。 会社側は、報告書に合わせて警視庁に告訴状を提出して受理されており、捜査は始まっている。また、2度にわたる調査委員会の報告書で、役員らがスニール氏と組んだ形跡はなく、善管注意義務違反を問われそうな役員はいるものの、会社は被害者と位置付けられた。 ただ経営陣の責任を追及する株主もいて、杉浦元氏らが臨時株主総会の招集を請求した。これを受けて会社側は、8月25日に株主総会を開いた。その結果、代表取締役の福田道夫氏と取締役の野崎正徳氏は解任され、新たな代表取締役には杉浦氏が就き、他に4名の取締役が選任された。仕掛けた相手はかつての“仲間”だった オウケイウェイヴは日本最大級のQ&Aサイトを運営する会社。フィンテック事業に進出して株価も高騰したが、前社長のインサイダー疑惑などの不祥事もあり、軌道を修正してメインのソリューション事業を約71億円で売却、2021年6月期決算で約60億円の特別利益を計上した。 この手元資金を遊ばせておくわけにはいかないと、福田氏が経営管理本部長の野崎氏に指示して、スニール氏の会社であるRaging Bullへの投資を検討させた。まず3億4000万円の投資が2021年4月6日の取締役会で承認され、1億5000万円の利益がもたらされた。以降、発覚までの約1年間に34億2900万円を運用委託、受領した利益分の15億300万円と合わせ、49億3300万円が取立不能となった。 投資失敗の責任を取らされての福田、野崎両氏の解任だが、そう仕掛けた杉浦氏はかつての“仲間”だった。 福田前社長は、慶応大学を卒業後、大手通信会社を経てベンチャーの世界に飛び込み、2000年4月、創業したばかりのオウケイウェイヴに入社した。一方、杉浦氏は早稲田大学を卒業後、大手証券系投資会社でベンチャー投資業務を行い、その過程の2000年2月、オウケイウェイヴ取締役に就任、8年間、役員を務めている。 ネット社会にQ&Aサイトを定着させようと手を組んだ2人が、20年余を経て争うことになったわけだが、福田氏が復帰を画策するのはなぜか。そもそもの原因である50億円詐欺事件の行方はどうなるのか。 会社を提訴したばかりの福田氏を直撃、その真意を聞いた。――50億円詐欺事件の結果責任を問う声があるなか、復帰を画策するのはなぜか。福田:もともと会社に居座ろうという気はありませんでした。経営を安定させ、見通しが立ったら野崎とともに辞めるつもりでした。ただ、プロキシーファイト(委任状争奪戦)の過程で、我々が事件に関与しているような情報を流され、それが敗因にもなった。それは認められないという気持ちです。――具体的にはどんな攻撃か。福田:杉浦氏は、8月4日に〈オンライン説明会開催についてのお知らせ〉というページをネットに公開、株主に対する情報提供を行いました。その際、例えば「オウケイウェイヴの取締役らがRaging Bull社を通じて会社資金を実質的に横領したとも捉えられかねない事態」などと記載、野崎とRaging Bullに矢印を引き、「資金流入疑惑」と記載していました。ほかにも「現経営陣において、不正の可能性を疑われてもやむを得ない」と記すなど、悪質な印象操作を行っています。「反市場勢力」と判断せざるを得なかった――杉浦氏にどのような抗議を行い、その対応はどのようなものだったか。福田:警告者や抗議文は何度も出しています。それに対して、たとえば前述の野崎との絡みにおいて、横領の文面が乗った文書はそのままに、チャートを訂正、「資金流入疑惑」を「個人メール(を送った)」とするなどしていますが、役員が疑惑に関与したとする全体の流れは変わっていません。――そうしたプロキシーファイトの過程の“悪しき”情報が解任につながったのか。福田:影響を受けた株主さんがいるのは間違いありません。「どうなんですか。(詐欺と)わかっていたんですか」といった質問を受けることはよくありました。杉浦氏の情報・資料の公開以降、ネットの掲示板などにも、「(福田・野崎は)一連の会社資金流出の主犯格」といった表記が多くなりました。――「悪質な印象操作」が裁判所に認められればどうなるか。福田:杉浦氏の委任状勧誘が、「ネットや郵送を通じて虚偽の事実を伝える形で行われた」とされれば問題です。勧誘者は重要事項について「虚偽の記載や記録を提示することによって議決権行使の勧誘を行ってはならない」と、金融商品取引法の施行令で定められているからです。――会社創生期に苦労した仲の杉浦氏と、事前に話し合いはできなかったのか。福田:事業売却で手元資金が豊富になり、いろんな資金運用の話が持ち込まれましたし、「割安」になったということで買い占めに動く投資のプロも多かった。我々もそれなりに気にはなり、詐欺事件の起こる前から大株主の“素性”については調べていました。杉浦氏は、事件発覚の直後、「大株主を知っているので会ってみないか」と、連絡してきました。その株主の方は過去に証取委(証券取引等監視委員会)の業務停止命令を受けており、「反市場勢力」と判断せざるを得なかった。だから杉浦氏とも会うわけにはいかなかったんです。――被害者として警視庁に刑事告訴、捜査が始まったことを公表すべきだったのでは?福田:警視庁に対して、6月9日、スニール氏を被告訴人、被疑事実を詐欺とする告訴状を提出し受理されています。委任状争奪戦の際、その事実を開示すれば、我々に刑事上の嫌疑がかかっていないことの証明になったのですが、当局の指導により上場企業の立場ではそれができなかったのです。「ポンジスキーム」に誘い込んだ仲介役 民事法廷での主な争点は、現経営陣の杉浦氏サイドが、虚偽情報を流してプロキシーファイトに勝利したか否か、反市場勢力と組んでいたか否か、という2点だろう。 これについてオウケイウェイヴでは次のように回答した。「野崎前取締役対しては『疑惑の指摘』に留めており、既に報道されている内容や関係者からの話をもとに文章を作成しています。また資料は、会社側からの警告に基づき速やかに修正しています。 さらに指摘されている大株主の方と杉浦が組んでいる事実はなく、代理を務めているようなこともありません。杉浦は『株主対応はしっかりした方がいい』という内容の申し入れをしただけです」(広報担当者) 刑事事件については、解任された前経営陣が起こした告訴を現経営陣が引き継ぐ形となったが、会社を存亡の危機に立たせた詐欺商法の全容解明を望むのは、「前」も「現」も同じだろう。 被害者はオウケイウェイヴにとどまらない。普通に考えれば、数10%の配当が確実に約束されるような儲け話が転がっているハズはないが、流暢に日本語を話すインド人の巧みな勧誘と華麗な人脈、そしてなにより目先の高配当に“幻惑”されて、100名(社)以上の投資家が関与した。動いた金額は約300億円で、少なくとも約150億円が回収不能といわれている。 オウケイウェイヴは、この巨額詐欺事件で最後にババを引かされた印象だが、スニール氏だけの犯行とは思われず、事実、オウケイウェイヴを含めた被害者を「ポンジスキーム」に誘い込んだ仲介役がいる。そうした全体像の解明が急がれている。

ライフ

升毅がかじきソテーを振る舞う
俳優・升毅が伝授する「かじきソテー」レシピ 淡白な味わいにバターでコクをプラス
 料理好きの俳優・升毅は、自宅マンションの隣室を借りて、仲間たちと芝居の話をしながら酒が呑める「居酒屋」を月2回ほど開催しているという。そんな升が、香り立ち食欲をそそり、日本酒にも合う魚料理を、振る舞ってくれた。「『この頃、食事が肉に偏っているな』と感じた時に、よく作るメニューです。通年で手に入りやすい、めかじきの切り身を、しょうがとにんにくを利かせて食欲そそる和風ソテーに仕上げます。めかじきは淡白な味わいなので、焼く時にバターを使ってコクをプラスするのがポイント。最後に粉さんしょうをふれば、日本酒に合うつまみになります」(升) さらに、升の特製レシピを、以下に紹介する。淡白な魚がバターや粉さんしょうで大変身「かじきソテー」●材料(2人分)めかじき(切り身)…2切れ塩…適宜こしょう…適宜バター…10gA[酒…大さじ2、しょうゆ…大さじ1、みりん…大さじ1、チューブのしょうが…小さじ1、チューブのにんにく…小さじ1、粉さんしょう…適宜]●作り方【1】ボウルに[A]を入れ、混ぜ合わせておく。【2】めかじきの両面に塩・こしょうをふる。【3】フライパンにバターを熱して【2】を入れ、中火で両面に焼き目がつくまで焼く。【4】[A]を加えて弱火で少し煮詰め、めかじきに絡める。【5】器に盛り、粉さんしょうをふる。焼き野菜を添えてもよい。【プロフィール】升毅(ます・たけし)/1955年生まれ、東京都出身。主演ドラマ『旧車探して、地元めし』が映画チャンネルNECOで放送中。BS松竹東急 土曜ドラマ『お父さん、私、この人と結婚します!』10月8日夜11時~スタート。■YouTubeで升毅の料理動画公開中(https://youtu.be/xwWB7QP0M5A)※週刊ポスト2022年10月7・14日号

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貯金ゼロで楽しく生きる65才を行動経済学で分析「成功体験が生存本能を長らえさせる」
貯金ゼロで楽しく生きる65才を行動経済学で分析「成功体験が生存本能を長らえさせる」
「私には貯金の習慣がない」と公言してきた『女性セブン』の名物記者・オバ記者こと野原広子さん(65才)。とかく50~60代の女性は、夫の定年退職や親の介護などでお金が入り用となって苦労するが、野原氏は「まとまったお金がなくてもやりくりできるし、毎日、幸せに暮らせている」と言う。  行動経済学に詳しい昭和女子大学現代ビジネス研究員の橋本之克氏との対談形式で、オバ記者の消費行動をひもとく。今回は、65年前にアメリカのジョンズ・ホプキンス大学で行われた、ラットに関する実験から始まる──。【全3回の第2回。第1回から読む】【図解】「成功体験と生存本能」の相関を検証した実験【実験1】(1)ラット(動物実験に用いるシロネズミ)を1匹ずつガラス瓶に入れる(瓶の内側はツルツルしていて、よじ登れない)。(2)瓶を水で満たす。(3)ラットが命懸けで泳がなければ、上から水を噴射して沈めようとする。エサも、休息も、逃げるチャンスも与えられないまま、ラットはどのくらい泳いだか?オバ記者:何、この実験。動物虐待じゃない! 私は3年前に、19年連れ添ったネコを看取ったんだけど、ネズミになんの恨みもありませんよ。橋本:お気持ちはよくわかります。私もそう思います。でも、もし野原さんがこれと同じ状況にいたらどうしますか?オバ記者:私がもしここまでやられたら、研究者の期待になんか応えてやるもんか。どうやって楽に死んでやろうか、としか考えないわね、多分。橋本:確かにこの状況は助かる見込みはなさそうです。そんなとき、人は(生物は)どうするかというと、選択をやめてしまいます。「ほかの選択肢を探してみる」「別の方法があるかもしれないと思いを巡らす」ということをしなくなる。オバ記者:フン、何もできないなら寝てりゃいいのよ。こうすれば助かるかも、と溺れながら必死に考えて、それでもダメだったら目も当てられない。むしろ、なまじ選択肢があったら、そっちの方が厄介よ。 だって、人生だってそうでしょ。みんなが大学に行くようになって、勉強すればするほど人生が有利になると思ってあれこれやってみようとするんだけど、実際のところ、うまくいってる人なんて多くない。学歴=輝かしい未来なんて、そう単純じゃないよ。学歴社会を歩んでこなかった私にはそう見える。橋本:幻想ですか。オバ記者:そう。多くの人にとってはね。でもね、たいしてうまくいかないとはいえ、最初からあきらめて選択すらしなかったら、今度は「何も選ばなかった自分」を責めるんだから、人間って困ったもんだよね。橋本:それはありますね。行動経済学でいう「後悔の回避」。後悔を避けたいという思いが決定に影響を与える心理です。  損することを最初から回避しようとするわけですが、これには「やった後悔」と「やらなかった後悔」の2種類があります。やった後悔は「失敗した」という気持ちや悔やむ気持ちが大きい。そのぶん、「あの失敗は二度と繰り返さない」と次の手を打てるようになります。でも、やらなかった後悔は、そのときは傷つかないものの、気持ちを長く引きずるから後悔度は大きい。明確な改善点もわからないから、人生の糧にもならない。  恋愛もそうですよね。告白してフラれたら「言わなきゃよかった!」と悔やむけど、だんだんあきらめがつく。でも、気持ちを伝えないままだったら、「あのとき、もしかしたらうまくいったかも!?」と延々と考えてしまう。オバ記者:あら、やだ。先生、いきなりいい球投げてくるわね~。橋本:ハハハ。オバ記者:でも、確かにそうよね。貴重なワンチャンスがあったかもしれない、って後から思うと引きずっちゃう(笑い)。で、かわいそうなラットたちの実験でどういうことがわかったの?橋本:はい、「溺れるか泳ぐか」の状況に置かれた彼らは、結果として2種類に分かれました。体力的な個体差があったにしても、「15分ほどあがいた後にあっさりあきらめたラット」と、「肉体的限界まで平均60時間を泳ぎ通したラット」にはっきり分かれたそうです。オバ記者:60時間も泳がされて、がんばり通したのに……かわいそうすぎ。割に合わないにもほどがあるわ。でも先生、それにしても、対照的な2種類に分かれたのはどうしてなのかしら?橋本:そこに疑問を抱いた研究者たちは、次の実験を始めたそうです。ギャンブルの成功体験で「明るい未来しか考えない」【実験2】(1)今度はまず、ラットをケージからいったん逃がしては捕まえるということを何度か繰り返した。(2)それからラットを瓶に入れ、水噴射を数分間浴びせた後で瓶から取り出し、ケージに戻した。これを何回か繰り返した。(3)そして、前出の【実験1】と同じことをした。さて、ラットはどのくらい泳いだか?橋本:実験1を行う前段階として、上の(1)(2)が加わったわけですが、さて野原さん、今度のラットたちはどんな反応を見せたと思いますか?オバ記者:この答え、わかります。ズバリ、「希望」があるかないか、でしょ? 希望があれば最後までがんばり通せる、と。橋本:さすが野原さん、ご明察です。15分であきらめたラットは1匹もいなかったのです。オバ記者:でも、動物は死を恐れないでしょうし、ラットに「希望」という概念はないわよね。橋本:ないでしょうね。未来の予測はできないし、「希望」や「信念」といった概念もない。あるのは、“成功体験”です。(1)(2)を経験したラットたちは(たとえそれが仕組まれたものであっても)、捕獲者の手から逃げることができたし、水噴射を切り抜けることもできた。その経験があったから、新たな困難に直面しても、不快な状況に耐えることができたのです。  自力で状況を変えることができることを覚えた彼らは、むざむざ無策のまま溺れることなく、最後まで長時間、粘り強くがんばり通したのです。これを「希望」と称するかはともかく、体で覚えた成功体験が彼らの生存本能を長らえさせたことは確かです。おや、野原さん、大きくうなずいていらっしゃいますが、心当たりがおありですか?オバ記者:過去の成功体験がものをいうといえば、私の場合、ギャンブルは希望の塊だよね。明るい未来しか考えない。橋本:なるほど、そっちですか。「明るい未来しか」と言うからには、当たることしか頭にない?オバ記者:そりゃそうでしょ。帰りにオケラ街道を歩くかも‥‥なんて思いながら競馬場に向かう人はいないのよ。橋本:はい。オバ記者:私はいま衆議院議員会館でアルバイトをしていて時給が1050円なんだけど、それが突如2万円に化けることはないわけ。だけど、ギャンブルは数分で大金を稼げる可能性があるわけよ。橋本:はい。オバ記者:しかも私はその成功体験を持っているわけね。橋本:なるほど。オバ記者:まぁ、その3000倍は失敗もしてるんだけど(笑い)。橋本:ビギナーズラックで最初に当たってギャンブルにハマっちゃう人は多いです。少し儲けただけで、自分はできると思い込んでしまうんです。オバ記者:でも、成功体験があれば希望は持ちますよ。最初に勝って、それを次のレースで膨らませてということを繰り返して、ドンと大きく獲ったりすると、天下を取った気分になります。橋本:でも実際はその場のすべてをコントロールできているわけではない。それなのに、うまくいくと自分の力で制御できているんだと思い込んでしまう。「コントロール幻想」というんですが、自信過剰、勘違いです。オバ記者:はぁ~ッ(ため息)。そう言われると過去の不成功体験を思い出して耳が痛いわ。でもね、若い頃はパチンコでも麻雀でも競馬でもそれこそ血眼になってやったもんだけど、この年になるとそれはない。だけど、ギャンブルに挑むときの気持ちというか、明るい未来があるぞ、という気持ちはいまでも何かにつけて抱くけどね。橋本:野原さんの強さはそこにあると思います。年齢を重ねて自分の限界や行き先を察すると、人は縮こまってしまうものですが、新鮮なチャレンジ精神を持ち続けている野原さんにはそれがない。貯金ゼロでも人生を謳歌できる秘訣がそこにあると思います。(第3回へつづく。第1回から読む)【プロフィール】橋本之克さん/マーケティング&ブランディングディレクター。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。著書は『9割の買い物は不要である』(秀和システム)など。オバ記者との対談は3回目となる。「オバ記者」こと野原広子さん/空中ブランコや富士登山など体当たり取材でおなじみ。本誌『女性セブン』連載『いつも心にさざ波を!』も好評。笑顔の絶えない65才。※女性セブン2022年10月13日号