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日本一のアユを競うコンテスト開催! 「キレイな水」と「おいしい水」の違いとは?

日本一のアユを競うコンテスト開催! 「キレイな水」と「おいしい水」の違いとは?

「キレイな水」というキーワードを耳にしたとき、澄んだ湧き水や山奥の清流を思い浮かべる人は多いのではないだろうか。そんな自然界を流れる水のキレイさを測るバロメーターのひとつに、アユの生息状況がある。アユはキレイな水を好む魚だからだ。

 実は先日、全国の川に生息するアユを持ち寄って食べ比べ、日本一のアユを決めるコンテストが開催された。そこで選ばれたのは、果たしてどこ産のアユだったのか…? 今回は、アユを育む清流から、水質の問題について考えてみたい。

コスモウォーター

◆栄光に輝いたのはどこのアユ?

 生物が生きていくにあたり、それぞれ適した環境がある。アユやイワナといった淡水魚は、開発されてコンクリートで固められていたり、生活排水などで汚れた川では生命を維持していくことが困難なことが知られている。体が汚染に耐えられないこと以外に、アユが生きていける生態系が崩れていることもあるからだ。

 アユは主に岩についた藻を食べるので、食性に適した藻が生えない水質や、プランクトンが異常発生して水中の酸素の不足が生じると、やはり生きていくことはできなくなる。アユが清流の象徴として語られるのは、そうした理由からだ。

 キレイな川で育ったアユは、食用としても人気が高い。塩焼き、甘露煮、うるか(アユの身や内臓を塩づけにしたもの)などいろいろな調理法がある。特にアユ独特の、スイカやキュウリなどのウリ科系の植物のような香りを楽しめるのは、捕れたてを塩焼きでいただくことだろう。

 そこで、日本一おいしいアユを選出しようというイベントが、今回紹介する「清流めぐり利き鮎会」だ。2019年9月で22回の開催となった。アユは環境の影響を受けやすく、地域や川の状態によって味が異なるため、いろいろな産地のものを食べ比べしてみようというのがそもそもの始まりだ。毎年、全国の50河川前後のアユが集結するという。今年は9月13日、高知市内のホテルで開催され、28都道府県から63河川のアユが2800匹も集められ、過去最多のにぎわいを見せた。

 審査のルールは、産地の川がどこかを伏せて「利きアユ」を行うというもの。結果、グランプリに選ばれたのは、岐阜県の「和良川」産のアユだった。準グランプリは順位形式ではなく、同列で8つの河川が受賞した。北から、朱太川(北海道)、秋川(東京都)、秋神川(岐阜県)、佐見川(岐阜県)、長良川(岐阜県)、美山川(京都府)、水内川(広島県)、丈ヶ谷川(徳島県)、新庄川(高知県)。興味深いことに、グランプリまで入れると岐阜県の川が4つも入っている。

おいしいアユが育つにはキレイな水が不可欠

おいしいアユが育つにはキレイな水が不可欠

 審査員の構成は、漁業関係者や有識者、アユ好きの一般人を含めた300人あまり。いずれもアユには思い入れのある人々だ。それがそろって岐阜県産を選んだということは、いかに同県の川がおいしいアユを育むに適した環境であるかがうかがえるというもの。

 また、東京都の川が選ばれているのを意外に感じる方もいるかもしれない。秋川は檜原村(ひのはらむら)という、東京都と山梨県の県境あたりのエリアを源流として、多摩川に合流し太平洋に流れ込む。東京とはいってもビルひとつない大自然に囲まれたエリアであり、キレイな川にすむ川魚が豊富に捕れる場所なのだ。

◆人間にいい水とアユにいい水の違い

 こうして、おいしいアユが生息する川が今年も選出されたわけだが、ミネラルウォーターやウォーターサーバー用の水の産地と、必ずしもリンクしていない点が面白い。

 飲料用天然水の採水地としてメジャーなのは、「フレシャス富士」、「プレミアムウォーター富士吉田」などの山梨県、「アルピナウォーター」、「フレシャス木曽」などの長野県、「コスモウォーター 大分の天然水」、「日田天領水」の大分県など。また、富士山周辺である静岡県や、大手のドリンクメーカーが採水地を構える鳥取県も名水の山地として名高い。しかしいずれも、受賞アユの生息地とはあまり共通していない。

 ウォーターサーバーの天然水は、川ではなく地面のはるか下を流れる水、つまり地下水を使っていることがほとんどだ。地下水は、長い時間をかけて地層を通り抜けてろ過されて作られる。一般的に採水されるのは「深井戸」と呼ばれる、深さ数十メートル以上の場所だ。生態系が構成される環境ではなく、そのため水はかなり澄んでいる。そのおかげで、ろ過と加熱殺菌などの処理だけで飲むことが可能となる。

 一方、川や池のような地表水は、雨や雪解け水がそのまま流れ込んでくる。地面の土や落ち葉なども混ざり、太陽の光が差し込むことで、微生物やそれをエサとする水生生物、魚類、さらにそれを食べる大きな動物が現れる。動植物の生態系のバランスが良好で人間による汚染がなければ、元気なアユも育つ。ただその一方で、こうなると自然のものとはいえ不純物が多くなるため、飲用とするにはろ過、沈殿、殺菌剤の投入などのプロセスが必要となる。私たちが日常的に使用している水道水の多くは、地表水に対しこうした様々な処理を行っている。アユが好む水と、人間が飲んでおいしい水。どちらも良好な水質ではあることが必須だが、条件がイコールとは限らないわけだ。

キレイな川は生態系が豊か

キレイな川は生態系が豊か

 ウォーターサーバーの水は、長い年月をかけて大自然というろ過装置で清らかになった地下水だが、もちろん地上の環境保全も大切だ。各ウォーターサーバーメーカーは、ゴミの削減や採水地の清掃活動などを積極的に行っている。アユは限られた川にしかなぜ生息しないのか? そしておいしいアユはどこで捕れるのか…? そんなちょっとしたことから、水と環境について思いをめぐらせてみてはいかがだろうか。

   
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