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2017.12.14 15:00  マネーポストWEB

「私は専業主婦です」と人前で言えなくなる時代到来か

まだまだ日本で専業主婦の割合は高い


 日本の「専業主婦世帯」は720万世帯(「男女共同参画白書」2014年より)。35年前の1114万世帯に比べると、かなり少なくなっているが、世界的に見ればその割合は高い。

「専業主婦は2億円をドブに捨てているようなものなんですよ」と話すのは、47万部の大ベストセラー『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮社刊)の著者である橘玲氏だ。同氏は11月16日『専業主婦は2億円損をする』(マガジンハウス刊)を上梓し、再び世間を仰天させている。

 同氏によると、大学を出た女性が60才まで働いたとして、平均的な生涯賃金の合計は、退職金抜きで2億1800万円。専業主婦はその得られるはずのお金を捨てているのだという。さらに、現在は配偶者控除など、専業主婦を守る制度が存在するが、今後は共働き家庭との「収入格差」がさらに拡大するのは必至だ。

「共働き家庭と専業主婦家庭の収入差は大きくなる一方です。しかも人口減と超高齢化に悩む政府は『女性が輝く社会』というスローガンに象徴されるように女性の労働力を求めており、この先、専業主婦を優遇する制度は廃止されるでしょう。年金も受給開始が遅くなり、受給額が減額されると予想されます。近い将来の苦境を乗り切るには、“生涯現役”、“生涯共働き”が何より重要なのです」(橘氏、以下「」内同)

 人生100年時代、40才から働き始めて80才まで働いたとして、年収200万円でも8000万円稼げる。専業主婦として長い間過ごしてきた人からは、「今さら働けない」との声も聞こえるが、橘氏は、「主婦だからこそチャンスがある」と言う。

「日本企業の特徴は、正社員が定期的に異動することです。しかし、契約社員やパート社員なら異動もなくずっと同じ部署にいられるので、そこで経験を積んで技術を磨けば、その道のスペシャリストになれます。雇用側としても貴重な人材は手厚く扱います」

 しかも最近は“主婦のシューカツ”に追い風が吹く。人手不足に悩む企業が主婦の採用を強化しているのだ。

 たとえば、ファミリーマートやセブン-イレブンなどコンビニ各社は、主婦向けの採用説明会やクルー(従業員)体験会を実施している。牛丼チェーンのすき家が従業員向けの保育所を設置するなど外食産業も主婦採用に積極的だ。

 さらに今後は、女性の方が男性より有利な仕事が増えると橘氏が言う。

「女性は男性よりも、周りの人たちが何を欲しているかを察知する『共感力』が優れています。この先、AIロボットなどのテクノロジーが進歩すればするほど、女性が得意とする『共感的な仕事』が必要とされるはず。たとえば看護や介護は、高齢化と相まって主婦が活躍できる分野です」

 もちろん専業主婦も“立派な仕事”であり、自宅で子供とともに夫の帰りを待つのが“幸せ”と感じる女性が多いのも事実である。だが、時代の流れとともに専業主婦が生きにくい世の中になってきていることも、また事実だ。

 年を取って、すっかり働けなくなってから、文句を言っても後の祭りなのである。それならば、まだ体が動く今こそ、「働く」という選択肢を加えてみてもいいのではないだろうか。

「人手不足で働き手の価値が上がっているにもかかわらず、“稼げる私”を捨てるのはあまりにもったいない。労働することでお金だけでなく、生きがいや新しい交友関係が見つけられるかもしれません。日本では主婦の現場復帰の動きが確実に進んでいます。あと10年もすれば、『専業主婦です』と人前で言うことが恥ずかしくなるはず」

※女性セブン2017年12月21日号

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