戸松信博の明日の爆騰株を探せ!

シリコンウェハ価格の上昇で業績大幅改善、「SUMCO」の可能性

SUMCOの業績が大幅改善(同社HPより)

「第4次産業革命」の根幹を担う半導体用シリコンウェハの需給が逼迫している。今後も爆発的な需要増が期待されるなか、それが業績伸長の後押しとなりそうな企業も少なくない。グローバルリンクアドバイザーズ代表・戸松信博氏が注目するのは、半導体用シリコンウェハの世界的メーカー「SUMCO」(東証1部・3436)だ。

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 2002年に旧住友金属工業と三菱マテリアルのシリコンウェハ事業を統合して誕生したSUMCOは、あらゆる電子機器に使われる半導体チップのもととなるシリコンウェハでは信越化学工業(東証1部・4063)に次ぐ世界第2位の規模を誇るメーカー。

 スマートフォンの高機能化やクラウド化によるデータセンターの増大、さらにはIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)といった「第4次産業革命」の進展など、押し寄せるIT化の波は年々高まっており、その根幹を担うシリコンウェハはフル生産でも追いつかないほど需給が逼迫しています。同社の試算では、特にスマホやデータセンター向けに使われる大口径の300mmウェハが2019年下期に世界中で月60万枚強が不足するとされています。またIoTではスマホのみならず、自動車、家電、医療機器、住宅などあらゆる分野に半導体が組み込まれ、そのもととなるシリコンウェハは爆発的な需要増が期待されます。

 振り返ると、2008年のリーマン・ショック後には需給のゆるみと半導体メーカーからの値下げ圧力でシリコンウェハの価格は大きく下落。同社も赤字転落を余儀なくされ、事業縮小に追い込まれました。しかし、昨今の需給逼迫によって長らく低迷していたウェハ価格が上昇し、同社の業績も大幅に改善しています。

 奇しくも世界同時株安となった2月6日に発表された2017年12月期決算では、売上高が前期比23.3%増の2606億円、営業利益は実に同3倍増の420億円、純利益は同4倍超も増えて270億円と、ものすごい追い風を受けています。ましてこの先を考えると、2000年代後半に起こった低価格競争は考えにくく、むしろ需給逼迫を背景としたウェハ価格の上昇によって同社の業績のさらなる拡大が続くと見た方がいいでしょう。

 当面は良好な環境が続くと見られることから、現在3000円前後で推移している株価も2007年につけた6700円台という高値を目指す可能性もあると見ています。

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