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仮想通貨の価格低迷が続く背景 盗難・価格操作など脆弱性の指摘も

2018.07.12 16:00

 仮想通貨の代表的存在であるビットコインの価格は、2017年の1年間で約20倍という高騰を見せたが、

 仮想通貨の代表的存在であるビットコインの価格は、2017年の1年間で約20倍という高騰を見せたが、現在は70万円前後と2017年の高値の半値を大きく下回る水準で推移している。仮想通貨の価格低迷は何に起因しているのか。フィスコデジタルアセットグループ代表取締役でビットコインアナリストの田代昌之氏は、次のように分析する。

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 現在の仮想通貨価格の低迷は、まず国外要因が挙げられよう。2018年6月5日に米ドル建てビットコイン取引量が市場最大である香港の大手仮想通貨取引所ビットフィネックスがサイバー攻撃を受け、一時取引中止となる事態を招いた。

 それが悪材料視されてビットコイン価格が軟調となった中、6月10日に韓国の仮想通貨取引所コインレイルがハッキングを受けて複数の仮想通貨の盗難に遭い、4000万ドル(約44億円)相当の被害が報告された。

 さらに、6月20日には韓国の仮想通貨取引所最大手であるビッサムが、ハッキングによって複数の仮想通貨が盗難被害に遭い、その総額が3000万ドル(約33億円)相当に上ったことをアナウンスした。

 コインレイルは韓国で大手の取引所ではないが、ビッサムはビットコインやリップル、イーサリアムなどの仮想通貨市場で高い取引シェアを持つ韓国最大の取引所だ。

 こうした一連の事態でサイバー攻撃に対する仮想通貨の脆弱性が改めて露呈。投資家のマインドを冷やしたことに加えて、米国のテキサス大学・オースティン校が発表した学術研究論文で、2017年12月のビットコイン価格の急伸は価格操作によるものだという見解を示したことが、さらなる売り材料となった。

 論文によると、香港の大手仮想通貨取引所ビットフィネックスが、ビットコインと連動性の強いテザーを利用し、ビットコイン価格を引き上げたと指摘。これに対し、ビットフィネックスの最高経営責任者(CEO)は、「市場価格操作のような行動に従事したことはない」と否定している。

 こうした海外発のネガティブなニュースがマーケットの重しとなって、ドル建て価格が大きく弱含み、これに円建て価格も追随した格好だ。

 このような海外情勢に加えて、国内でも、6月22日に金融庁が、マネーロンダリング(資金洗浄)対策や顧客保護などの管理体制が不十分だとして、仮想通貨交換業者の正式登録業者6社に対し、改正資金決済法に基づき業務改善を命じた。取引所によってはかなり厳しい文言も含まれていたことから、この処分も短期的に仮想通貨価格に陰を落とすこととなった。こうしたニュースが続いたことで、仮想通貨価格の上値が押さえられているというのが現状である。

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