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2018.08.07 11:00  マネーポストWEB

今の日本に「自動運転車」は存在するのか?

自動運転車の運転責任の所在は?(撮影:近藤篤)

 政府主導で実現に向けて動いている「自動運転」。運転席のドライバーに代わり、車に搭載されたカメラやセンサー、超音波などを駆使して、システム(車)が走行中の周辺環境を認識あるいは感知して、車の走る、止まる、車線を変更する、速度を維持する…これらを制御する技術は、政府が掲げる自動運転の定義に従えば、すべて「自動運転」だ。

 その意味では、衝突軽減ブレーキや誤発進抑制機能など、事故を未然に防ぐ、あるいは軽減する「予防安全技術」も自動運転の範疇だ。車メーカー各社は、国のガイドラインを踏まえつつ、独自の安全運転支援機能を開発している。

 これに加えて、車体を全角度から把握するマルチビューカメラシステムや、車線内で加速や停止を自動でコントロールしながら前方車に追従する自動パイロット機能など、運転のストレスを軽減する快適な運転支援機能も多彩だ。

「自動運転」には5つのレベルがある。レベル0は自動運転機能が一切ついていない車。そこから始まり、レベル1は車による運転サポート、レベル2は高速道路での部分自動運転化、レベル3は条件付き自動運転、レベル4は高速道路での完全自動。そしてレベル5が車が自律的に走行する「完全自動運転」、無人走行も可能なレベルだ。運転で考え得る危険の回避と「ついていたら便利」を網羅して、車の機能はすでにレベル3に達しているように思えるが、実際のところ、現状はレベル2と3の間あたりだという。

「なぜなら、それらの機能はハンドルを握るドライバーの“支援”にすぎないから。ドライバーに“車を確実に操作する義務”を定めた道交法によって、運転責任の所在はドライバーに100%ある。その意味では、厳密に言うと今の日本に“自動運転車”は存在しません」(モータージャーナリストの渡辺敏史さん)

 これが2020年施行予定のレベル3になると、道交法が改正され、いわゆる「手離し走行」のように、ドライバーが運転責任を車に委ねる状況が生まれる。まだ議論の最中ではあるが、事故の際には、車メーカーの責任が問われる可能性が大きい。これはメーカーにとって重大な事態で、ドライブレコーダーなどの標準装備化も検討されている。

◆ふだん高速道路を使わない人には無縁?

 2018年上半期の新車販売台数ランキングは、1位「N-BOX」(ホンダ)、2位「スペーシア」(スズキ)、そして3位「ムーヴ」(ダイハツ)と、軽自動車がトップ3を独占している。とくに「スペーシア」は、20か月連続で販売台数を伸ばしており、今年6月の販売台数は、前年同月比でなんと53.6%増という快進撃だ。

「弊社では、軽自動車だけでなく普通車も製造販売しておりますし、これまでもこれからも、自動運転技術の研究開発は重要課題ではあります。

 しかしながら、『スペーシア』を購入いただいているのは高齢のご夫婦や子育て世代のファミリーが中心で、日常の生活の一部として使用されるケースが多いのです。

 日常の“足”として、仕事や買い物、通院などに運転しやすく快適であること。衝突被害軽減ブレーキや、後退時のブレーキサポートなど、先進安全技術を装備して安心であること。そしてもちろん、低燃費や自動車税などの経済性も大きな魅力です。

 先進技術の重要性は認識しております。その中で、お客様のニーズをとらえながら、いちばん身近でお求めやすい商品をお届けできればと考えております」(スズキ広報部、東京広報課係長・小林大祐さん)

 軽自動車の利用者や、ふだん高速道路をあまり利用しない人にとって「自動運転」は、あまり実感のわかない“SF映画”の話かもしれない。

※女性セブン2018年8月16日号

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