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2018.12.15 16:00  マネーポストWEB

平成を彩ったCMの数々 ポリンキーや「ポポポポーン」など10選

湖池屋「ポリンキー」他、心に残る平成の名CMの数々(公式HPより)

 テレビの影響力が落ちて久しいと言われる昨今だが、いまだにテレビ番組で「エゴマ油を摂取すると痩せる」と紹介されたところ各地のスーパーやネット通販で売り切れが相次ぐなどその影響力は計り知れない。また、今年は「ハズキルーペ」のCMが大いに話題となるなどCMの影響力も再び見直されている。平成が終わりを迎えようとする中、博報堂出身のネットニュース編集者である中川淳一郎氏が、「平成を彩ったCM」について振り返る。

 * * *
 いやぁ~、ハズキルーペのCM最高っすよ! 久々にCMが脚光を浴びる結果になったので、このCMを考えた同社の松村謙三会長の発想力には脱帽です。私は今では編集者になってしまいましたが、元々はコピーライターになりたいな、ウヒヒ、みたいなことも考えていたわけで、広告は好きです。というわけで、私自身の思い出とも紐付いた「平成を彩ったCM」を勝手に10個挙げてみます。

◆【1】ポリンキー(湖池屋)

「バザールデゴザール」や「ドンタコス」等でも知られる佐藤雅彦さんによるCMです。「ポリンキー劇場」として、三角形のスナック菓子であるポリンキーのキャラが歌を歌いながら踊る。「ポリンキー、ポリンキー、三角形の秘密はね…」とか「ポリンキー、ポリンキー、10%増量中」などとやって最後に「値段は元のまま、ジャン」と締める。とにかく歌が頭に残るという意味では秀逸なものでした。また、佐藤さんが作っているということがよく分かる時点でCMにも「作家性」ってあるんだな、と思います。

◆【2】あいさつの魔法(AC)

 2011年3月11日の東日本大震災の発生直後、各企業はCMを自粛しました。すでに枠は押さえている場合は、AC(公共広告機構)のCMに差し替えられることが多いです。もちろんACにしないという選択もありますが、当時は仁科亜希子さん・仁美さん親子のがん検診啓蒙CMと「ポポポポーン」で知られる「あいさつの魔法」CMが大量に流れました。このCMを見ると「震災を思い出してしまう」という声はあったものの、「ポポポポーン」は2011年の「ネット流行語大賞」を取るほど流行ったことばになりました。しかしながら「あいさつは大事なこと」というメッセージはその通りだと思います。私も妙に「ポポポポーン」が好きになってしまい、誰かと飲む時は両手でハイタッチをし「ポポポポーン」と未だにやっております。

◆【3】冬物語 1995年版(サッポロビール)

 カズンの「冬のファンタジー」をバックに、北浦共笑さんが雪が積もった屋根の上に寝っ転がって冬物語を飲んでいたら仲間がやってきて皆で家の屋根の上でビールを飲む、という無茶苦茶なシチュエーションなのですが、当時マーケティングを勉強していた身分としては、「季節限定商品」というのは非常に関心が高かったこともあり、このCMは非常に印象に残っています。当時は「鍋の季節の生ビール」みたいな商品があったり、晴れた清々しい日に飲む「太陽と風のビール」なんてものもありましたね。

◆【4】クリスマスエクスプレス(JR東海)

 このシリーズについては、1988年の深津絵里さんバージョンと1989年の牧瀬里穂さんバージョンが白眉として知られております。しかしながら、2000年の星野真理さんが登場するバージョンに深津さんと牧瀬さんが「見守るお姉さん」的に登場するものも秀作です。若き日にモテることのなかった私としては「けしからん!」と言いたくなる一連のCMではありますが、やっぱり恋愛っていいものだな、と思わせる出来栄えです。

◆【5】キンチョール(大日本除虫菊)

 故・大滝秀治さんが岸部一徳さんに対して「お前の話はつまらん!」と説教をするCMです。キンチョールが地球環境に優しいものになったことについて岸部さんが滔々と説明する中、「つまらん!」と言い放つ大滝さんが2003年に話題になりました。【1】で紹介した佐藤雅彦さんの「作家性」と合わせてこれも電通関西にいた山崎隆明さんによるものだと分かる点が素晴らしいです。

◆【6】どうする、俺(ライフカード)

 2000年代中盤、「続きはWEBで」が流行りましたが、その走りのようなCMです。オダギリジョーさんが人生の様々な選択で悩み、さて、この後はどんな展開になる? をウェブで見せようとするいわゆる「メディアミックス」型のCMです。いかにネットとマスを融合させるか、という実験の先駆けとしてここに挙げさせていただきました。

◆【7】春咲き生ビール 1995年版(キリンビール)

 EPOの「う・ふ・ふ・ふ」に合わせて大塚寧々さんが桜が散る様子を見て「春だ」と気付くところから始まります。1995年3月、私自身は村上春樹さんの小説に出てくるビールが好きな孤独な若者に憧れていた痛い学生でした。春休み、JR中央線の国立駅から南に伸びる大学通りを歩きながら勝手に孤独な感傷に浸っていました。誰と会うでもなく過ごした春休みだったのですが、このCMに出てくる大塚寧々さんの「忙しい中、春だと気付き、仕事に熱中している場合ではない! 友人と一緒に春咲き生ビールでも飲むか!」という感覚を自らに重ね合わせ、大学通りの桜の下、一人このビールを飲んだ思い出があります。

◆【8】そうだ京都、行こう。(JR東海)

 このシリーズもとにかく京都に行きたくなる効果はありますが、特に好きなのは1993年の伏見稲荷バージョンです。このCMを見て実際に伏見稲荷に行ってみましたが、とんでもなく寒い日、一人して連続する鳥居をくぐった時、頭の中で『サウンド・オブ・ミュージック』の『My Favorite Things』が鳴り響いていました。

◆【9】黒ラベル「温泉卓球」(サッポロビール)

 2000年の正月、箱根駅伝を見ていたらメインスポンサーたるサッポロビールのこのCMを見てガツンと衝撃を受けました。「2000年問題」がとりあえず起こらなかったな、と安心した中、まさかの豊川悦司さんと山崎努さんが卓球勝負をするCMが登場するとは! 2人ともシリアスな役柄が似合う役者だというのにあまりにもコミカルで一気に2人のファンになりました。その後、この2人はBBQ対決をするなど、季節ごとに楽しませてくれました。私がサッポロ黒ラベルが好きなのは、このCMの影響もあると思います。

◆【10】ピコー(サントリー)

 これについては、大学に入った年、男35、女5というクラスに所属することになったのがきっかけです。新入生1200人が歓迎旅行に水上温泉へ行ったのですが、クラス一の美女が確かこの「ピコー」の踊りを真似して見せたんですよね。それが頭に残っているとともに、彼女の姿を今でも思い出すことから入れました。

 皆さんにも様々な平成のCMの思い出はあるでしょう。広告は時に邪魔だと感じることはあるでしょうが、時々楽しませてくれるものもあるので、侮れません。

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