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2019.01.05 15:00  マネーポストWEB

医療保険は必要? その分の現金あれば癌の入院費用ほぼ賄える

医療費負担の増大は確実視されているが…(イメージ)


 年金大改悪を前にして老後の「お金」の悩みを抱えている人は少なくない。「年金博士」こと社会保険労務士の北村庄吾氏が講師を務める老後資産セミナーでは、さまざまな質問が飛び交う。その中も目立つのが、病気、入院、通院などでかかる医療費についての質問だという。

 健康リスクが増加する定年後に、最も心配なのが医療費。頼みの綱となるのが「高額療養費制度」だ。

「医療費が一定額を超えた場合、上限との差額が健康保険から払い戻される制度です。年金生活者に多い住民税非課税世帯の場合、自己負担の限度額は2万4600円で済みます」(北村氏)

 ただし、高額療養費制度がカバーするのは保険診療のみで、入院時の差額ベッド代や日用品代、通院の交通費などは自己負担となる。

 生命保険文化センターの調べでは、60歳代で入院した患者の自己負担額は平均21万7000円だった。さらに、今後は医療費負担の増大が確実視される。現在、後期高齢者の医療費窓口負担は原則1割で済むが、政府は団塊世代が75歳になる前に、原則3割に引き上げる議論を進めている。そうなると、入院費用の負担もハネ上がるだろう。

 ここで「それなら医療保険に加入しよう」と考えるのは早計だ。

 生命保険文化センターによると、がんになった場合でも、平均入院日数は20日間前後。骨折や糖尿病で50日間弱。一方、大手ネット生命保険の終身医療保険では、入院日額1万円の保険に入るために必要な保険料は、70歳男性で月額1万3000円強だ。

 1年間何もなければ、15万円超の保険料を捨てることになる。保険料の分の現金を手元に残しておけば、がんの入院日数分の医療費はほぼ賄えるのだ。

 しかも、1回の入院保障が60日間までという医療保険も少なくない。前述の「高額療養費制度」も活用できると考えれば、医療保険は無駄なケースが少なくない。

※週刊ポスト2019年1月1・4日号

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