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2019.03.04 16:00  マネーポストWEB

今こそ考えたい「老親と共働き夫婦が同居する」という選択肢

介護問題と子育て問題を一気に解決することが可能に(イメージ)


 平成の31年間で、明らかに日本の社会構造が変わった。それは「共働き世帯」の増加だ。年功序列や終身雇用といった日本型雇用システムが崩壊するなか、夫ひとりが家計を支える専業主婦世帯が激減する一方、夫婦で家計を支える共働きが増え続けている。

 ただし、そこでは新たな問題も噴出している。子育てをする共働き世帯にとっては、養育費の問題に加え、子どもの預け先となるはずの保育園不足の問題も浮上するなど、根本的な解決策が見いだせていないのが現状だ。そんな状況に対して、ファイナンシャル・プランナーの藤川太氏(家計の見直し相談センター代表)はこんなプランを提示する――。

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 国の行く末を決めるのは子どもの数です。経済の拡大までは望めないとしても、せめてその規模を維持していこうと思ったら子どもの数を増やすことが最適解になるでしょう。しかし、少子化の進行を止めるのは難しい。母親予備軍に話を聞いても、「子育てにはお金がかかる」「子育てしながら働こうとしても、預ける先がない」といった不満ばかりです。

 では、どうすればいいか。条件さえ整えば、根本的な解決ができる策があります。それは、共働き夫婦は高齢者世帯と同居すればいい――。

 順を追って説明しましょう。

 まず世帯がまとまればまとまるほど1人当たりの生活費は安く済みます。総務省「家計調査年報2017年(勤労者世帯)」では、年収500万~600万円の単身世帯の消費支出が252.6万円であるのに対し、同じく年収約600万円の2人以上世帯では353.4万円。1人当たりに換算すれば102.7万円と半分以下に収まる計算です。

 見逃せないのは、金銭的な負担ばかりでなく、子育ての負担も減ることです。保育園や小学校に子どもが通っている時期は、病気だなんだと子どもに手がかかります。ところが、子育て経験者である高齢者と同居すれば、それらの負担も軽減されます。もちろん親世代と同居すれば、“嫁姑問題”なども避けて通れないかもしれません。しかし、嫁姑の関係が良好な場合や、あるいは母方の両親と同居すれば、そういった問題もクリアされる可能性が高まります。

 一方で、親世代は年を重ねるにつれ、介護問題が浮上してきます。「老老介護」はいかにもキツイものでしょうし、そこで共働き夫婦が可能な範囲で手伝うことも期待できます。要は支え合う構図です。

 興味深いデータがあります。福井県をはじめ石川県、富山県という北陸3県は都道府県別の幸福度ランキングで常に上位を占める幸福度の高い県として知られています。それはなぜか。調べてみると、実は同居が多くて大家族で、しかも共働きが多いことがわかります。加えていえば、同居のみならず、同じ敷地内や町内に住む「近居」も多いそうです。そのように違う世代がお互いに支え合うことで幸福度が高まっている。それこそ少子高齢化がもたらす問題を解決できる大きなヒントではないでしょうか。

 現在、安倍政権では消費増税対策も踏まえて、2019年10月に保育・幼児教育の無償化をスタートさせようとしています。子育て世帯にとってはひとつの解決策につながるかもしれませんが、一方で無償化に伴ってさらに保育園などの預け先が不足する問題も浮上してくる気がします。金銭的な施策だけで解決できるほど簡単な問題ではないのも事実でしょう。

 それよりも高齢者と共働き夫婦がともに支え合うほうがよほど解決策につながる。家族状況にもよりますが、みなさんもぜひ考えてみてください。

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