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2019.03.10 08:00  マネーポストWEB

【ドル円週間見通し】米追加利上げ観測後退でドル買い抑制も

米追加利上げ観測は一段と後退、その影響は?


 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が3月11日~3月15日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は上げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)や英中央銀行のハト派姿勢で欧州通貨が買いづらいなか、ドル選好地合いとなりそうだが、米経済指標が低調だった場合、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測はさらに後退し、リスク選好的なドル買いは抑制されるとみられる。

 経済開発協力機構(OECD)による世界経済見通しの下方修正で、特にユーロ圏の下振れに懸念を示した。ECBは7日の理事会で、今年後半を目標としてきた利上げ時期を来年以降に延期する方針を示すなど、従来よりもハト派姿勢を強めている。

 また、OECDは英国の経済に関しても成長の鈍化を予想。英中央銀行当局者からは、欧州連合(EU)からの英国の離脱(ブレグジット)が実現するまでは現行の金融政策を維持するべきとの意見が目立つ。このため、ユーロやポンドは買いづらく、ドルに資金が流入しやすい地合いとなりそうだ。加えて、これまで金融正常化を進めてきたカナダ中央銀行の政策金利見通しが不透明となったほか、豪準備銀行も景気の腰折れ懸念から利下げへの思惑が広がっていることも、ドル買いを支援しよう。

 しかし、足元の米経済指標は製造業を中心に低調な内容が示されており、米金融当局者からは目先の引き締めに否定的な見解が聞かれる。目先も消費者物価指数などインフレが鈍化すれば、利上げ期待のドル買いは大きく後退する見通し。

 一方、貿易・通商分野における米中協議で合意への期待は継続するものの、交渉は長期化が見込まれリスク選好的な円売りは縮小しつつある。米貿易収支はここ10年間では最大規模の赤字幅となっており、トランプ政権は貿易赤字削減に向け今後の貿易黒字国に攻勢をかけるとの見方もある。特に、今後の交渉相手となる日本に対して、為替条項などで円安政策を封じるとの思惑が円買いを支援しそうだ。

【米・2月消費者物価指数(CPI)】(12日発表予定)
 12日発表予定の2月消費者物価指数(CPI)は前年比+1.6%、コア指数は同+2.2%と予想されている。コア指数の上昇率が市場予想を下回り、追加利上げ観測が一段と後退すればドル売りを誘発しよう。

【米・3月NY連銀製造業景気指数】(15日発表予定)
 15日発表予定の米3月NY連銀製造業景気指数は10.00と、前月の8.80から改善が見込まれている。市場予想と一致した場合、3月ISM製造業景況指数は多少改善するとの思惑が広がり、リスク回避的なドル売りは抑制される可能性がある。

・3月11日-15日週に発表予定の主要経済指標の見通しについては以下の通り。

○(米)1月小売売上高 11日(月)午後9時30分発表予定
・予想は、前月比+0.1%
 参考となる12月実績は前月比-1.2%で減少率は過去9年で最大。金融市場の混乱や政府機関の一部閉鎖が影響した。1月については、健康・パーソナルケア、スポーツ、趣味用品などの項目の売上高やオンライン販売の増加が予想されているが、反動増の域を出ないとみられており、前月比で小幅な増加にとどまる見込み。

○(米)2月消費者物価コア指数 12日(火)午後9時30分発表予定
・予想は、前年比+2.2%
 参考となる1月実績は、総合指数は前年比+1.6%、コア指数は同比+2.2%だった。住宅関連と衣料関連のコスト上昇が寄与した。2月については、住宅関連費の上昇が続いていることや一部衣料品価格の上昇が予想されており、全体の物価上昇率は1月実績と同水準となる可能性がある。

○(中)2月小売売上高 14日(木)午前11時発表予定
・予想は、前年同月比+8.1%
 参考指標となる中国・商務省が発表した2 月 4 日-10 日の全国小売・飲食店の売上高(中国・商務省発表)は前年比+8.5%で伸び率は前年同期を 1.7ポイント下回った。個人消費はまずまず良好だが、前年との比較で消費の勢いは弱まっていることから、2月中の売上高の伸びは前年同月の水準を下回る可能性が高いとみられる。

○(日)日本銀行金融政策決定会合 15日(金)決定会合の終了予定時刻は未定
・予想は、金融政策の現状維持
 日本銀行は2月12日、需給の引き締まりに対処するため、「残存10年超25年以下」の買い入れ額を前回の2000億円から200億円減額することを通知した。日銀は消費者物価の前年比は2%に向けて徐々に上昇率を高めていくとの見方を変えていないが、世界経済の成長鈍化リスクは除去されていないため、金融調節を通じて長期金利が0%近辺で推移することを日銀は容認するとみられる。

○その他の主な経済指標の発表予定
・11日(月):(米)12月企業在庫
・13日(水):(日)2月国内企業物価指数、(日)1月機械受注、(欧)1月ユーロ圏鉱工業生産、(米)2月生産者物価指数、(米)1月耐久財受注
・14日(木):(中)2月鉱工業生産、(米)1月新築住宅販売件数
・15日(金):(米)3月NY連銀製造業景気指数、(米)2月鉱工業生産、(米)3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報、(米)1月対米証券投資(TICデータ)

【予想レンジ】
・110円00銭-112円50銭

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