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2019.04.24 11:00  マネーポストWEB

中国で台頭する新ビジネス 褒め屋、食事代行業の意外なニーズ

SNS(WeChat)上で褒めてもらうサービスのニーズは?(写真:アフロ)

 消費者のニーズは、より個性化、多様化しているが、中国では、そうした変化に対応したサービスが次々と生まれている。

 日本にも、アフィリエイト(成果報酬型)広告のように、インターネットを通じて、いろいろな商品の紹介を代行するサービスがあり、それで収入を得ているアフィリエイターがいる。その一方で、販売店から収入を得て、高評価の口コミ情報、「やらせ」レビューを大量に書き込む悪徳サクラ業者がいるのも事実。

 中国では、そうしたサクラ行為を行う者が大量に発生したことで、今や、こうした口コミ情報を信じる消費者はほとんどいないといった状態になっている。しかし、このサクラ行為が広く世間に知れ渡ることになって、それからヒントを得てそれをビジネス化したとみられる一風変わったサービスが最近注目を集めている。

 消費者が料金を払い、積極的に褒めて貰ったり、励ましてもらったりするサービスである。

 テンセントが運営する無料メッセンジャーアプリ・微信(WeChat)上には、“夸夸群”という有料の“SNSグループ”サービスがある。

 たとえば、仕事に慣れずに、ストレスを抱えている新入社員が、寝坊して遅刻してしまったとする。SNSの“夸夸群”に入り、「今日は朝寝坊して半休を取ってしまった」と書き込むと、すぐさま、「午前中にしっかりと休みが取れたので、午後はすごく体調が良かったでしょう」などといったポジティブな「励まし」が多数書き込まれる仕組みとなっている。

 1分5元(85円、1元=17円で計算、以下同様)程度の料金を払うと、たくさんの見ず知らずの“友達”から誉め言葉を貰い、元気をもらえるといったサービスである。

 競争社会の中で、営業ノルマに追われたり、同僚よりも少しでも良い企画、アイデアを出すことで社内評価を高めようとしたり、必死にもがいている中国の若いサラリーマンは、日々、大きなストレスと向き合って生活している。時には自信を喪失し、肉体的にも、精神的にも疲れ果ててしまうこともあるだろう。周りは競争相手ばかりであり、友達などいないといったサラリーマンにとって、こうしたサービスはありがたく感じるようだ。

 もっとも、上辺だけの励ましに、どれだけの安定した需要があるのかわからない。しかし、ビジネスは試行錯誤である。いろいろなサービスが生まれては消えていく中で、本当に必要なサービスが生き残っていくのであろう。

 他にも奇抜なサービスが幾つも見られる。消費者がお金を払って、代わりに飲み食いしてもらうといった“代吃喝”が最近、ネット上で話題を集めている。

 例えば、ダイエット中で食べたくても食べられない消費者が、一回8元(136円)程度の料金を支払い、火鍋を食べてもらい、それを映像情報にして送ってもらうといったようなサービスである。食事でも、飲み物でも、いろいろなバリエーションがある。もちろん、実際の食事代、飲み物代よりも格安であり、供給者はニーズが少なければ赤字となってしまうが、逆に同じようなニーズをたくさん集めれば、大きな利益が得られることになる。

 食事、食べ物以外でも、動物を飼うことができない消費者のために、動物を可愛がるサービスがある。特に猫が人気を博しているようだ。

 中国では、ユーザー側も、供給側も、試行錯誤を続けながら、新たなビジネスを模索しているようだ。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(http://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。

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