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2019.08.14 16:00  マネーポストWEB

60代は夫婦で「働く&繰り下げ」で年金受給額が約50%アップ

90歳まで生きるなら「繰り下げ+働く」が最強の選択肢に

 年金は原則として65歳支給だが、最大60歳まで早められる「繰り上げ受給」と最長70歳まで受給を遅らせる「繰り下げ受給」を選べる。とくに超高齢社会では、「長く働いて年金を繰り下げる」という選択が、老後の生活を安定させる鍵となる。

 年金は受給を遅らせると1か月ごとに0.7%増額され、限度いっぱいの70歳まで繰り下げると42%の増額となる。定年後も長く働いて収入を保ちつつ、できるだけ受給を遅らせて年金を増やす戦略だ。

 このやり方の利点として、定年後も働いて厚生年金の保険料を支払い続けることで、その分、年金額が増えることが挙げられる。年金博士こと社会保険労務士の北村庄吾氏の指摘。

「国民年金と違って、厚生年金には『満額』という考え方がありません。定年後も厚生年金に加入して保険料を支払えば、その分だけ年金の報酬比例部分が増えていきます」

 繰り下げ受給による増加とは別に、働き続けて厚生年金の加入期間を長くすることによる年金増が生まれるのだ。

 例えば定年後の60歳から69歳まで年収216万円で働き、70歳で繰り下げ受給するケースでは、通常の65歳受給で月額約15万6000円だった厚生年金が月額約23万2100円になる。「長く働く」+「繰り下げ」で50%近い増額となる。

 さらに北村氏が勧めるのは「妻が厚生年金に加入して働くこと」だ。

「国民年金の保険料は一律で月額1万6410円で全額自己負担ですが、厚生年金は会社が半分負担してくれます。しかし現状では男性の約半数が加入期間35年以上なのに、女性は半数が10年未満。定年後は妻が厚生年金に加入して働くことで、夫婦の年金を大きく増やせます」(北村氏)

 2016年の法改正でパートでも厚生年金に加入しやすくなった。具体的には、労働時間週20時間以上、月給8万8000円(年収106万円)以上、1年以上の雇用継続などが見込めれば加入できる。

 仮に月10万円のパートを1年間続ければ、厚生年金は死ぬまで月額約550円アップする。3年で約1650円、10年で約5500円増やせる計算だ。

 60歳で同い年のAさん夫婦(夫の収入216万円、妻の収入144万円)のケースでシミュレーションしたのが掲載した図だ。Aさん夫婦が65歳から年金を受給した場合、90歳までの受給総額は約6645万円だが、夫婦で5年間繰り下げると、約7546万円となり、約1000万円多くなる。

 それが夫婦で60~69歳の10年間働いて5年間繰り下げた場合、余分に払う保険料などを差し引いても90歳までの年金総額はさらに約200万円増える。この差は長生きするほど広がっていく。

※週刊ポスト2019年8月16・23日号

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