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2019.11.06 15:00  マネーポストWEB

キャッシュレス決済に挑戦も挫折… 現金派に“出戻り”した人たちの本音

現金派から見えたキャッシュレス化の課題

 消費増税とあわせて10月からスタートした、政府によるポイント還元制度。現金派が多い日本人にとってキャッシュレス決済促進の追い風になるかと思いきや、一度は挑戦してみたものの早くも現金決済に“出戻り”する人たちもいるようだ。

 20代の男性会社員・Aさんは、クレジットカードを持っているが、ほとんど使わない現金派だった。だが、iPhone6sからiPhone8に機種変更をしたことをきっかけに、スマホ決済(QRコード決済)を導入した。だが、キャッシュレスで買い物ができる便利さと引き換えにAさんを待っていたのは、浪費だった。

「倹約家とまでは言いませんが、一応、月に食費や交際費はいくらまでと決めていたんです。でも、キャッシュレス決済にしてから、1万円くらい出費が増えた気がします。キャッシュレス決済はとにかく便利でしたが、気軽に買えてしまうのは怖いですね。自販機でジュースを何本も買うなど、小さな出費が日々重なり、ヤバイです」

 何にそんなに使ってしまったのか、後からチェックしようにもスマホ決済には落とし穴があったという。

「具体的に何を買ったか、覚えていないんです。クレジットカード明細にはスマホ決済のサービス名だけ表記されているので……なかなか厄介ですね。キャッシュレスは控えて、現金派に戻りました。そういえば以前もムダ遣いするのが怖くて、ソシャゲ(ソーシャルゲーム)の課金決済方式をクレジットカードから、iTunesカードに切り替えたことを思い出しました。僕にはキャッシュレスは向いていないのかもしれません」(Aさん)

 明細で苦い思いを感じたのはAさんだけではない。30代自営業の男性・Bさんは、こんなエピソードを明かす。

「これまで、クレジットカード決済は1か月に概ね5万円くらいだったのですが、30万円くらいあったものですから、不正利用を疑い、会社に問い合わせしてしまいました。明細も見たのですが、本当に買ったものか、記憶がなかったんです。ただ、結局は不正利用ではなく、自分が購入したもので恥ずかしくなりました」

 Bさんは、なぜクレジットカードをそこまで使ってしまったのか。

「キャッシュレス化したことで、せっかくならカードのポイントも貯めたいというのもあって、ついつい……。現金が減る感覚がある方が、僕には合っているのかな。減る状況が目に見えていないと、自分がいくら使ったのかわからない。しばらくはキャッシュレス決済とは距離をとろうかなと思っています」(Bさん)

 Pay PayやLINE Payなど乱立するスマホ決済の還元キャンペーンに踊らされ、「もう現金とクレジットカードでいいのでは」とため息をつくのは、40代女性会社員・Cさんだ。

「お得と聞いて始めましたが、レジ前での操作に不慣れで意外と面倒くさいし、個人情報の流出も何だか怖いなと……。クレジットカードは普通に使いますが、“なんとかペイ”は、ポイントが還元されてもそれでしか使えない不便さがありますし。あと、先日の台風のときには、台風対策としてまず現金をおろしにいきましたね。停電になって、何も買えなくなるのが怖かったので」(Cさん)

 Cさんの60代の母親も「目先のポイントに欲をかくと、かえって損する」「キャッシュレスは明細チェックが面倒くさい」と基本的には現金派で、必要なときにSuicaかクレジットカードで十分だと、スマホから決済アプリを削除したという。

「仕事柄、高齢者の方ともよく会うのですが、キャッシュレスで一番戸惑いを抱えているのは高齢者だと思います。得体の知れないもので詐欺にあうのではないかと不安視する人も結構多い。ただでさえ不慣れなスマホで、また操作が増えるのも面倒なようです。そんな実態があるのに、キャッシュレス決済のほうがお得とされることに疎外感をおぼえる高齢者の方も少なくない印象です。難しい問題ですね」(Cさん)

 キャッシュレス化が推進される日本だが、まだまだ現金派が根強い背景には、便利さよりも不便さや不安の方が上回ってしまう実情があるようだ。

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