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コラム

2020.02.18 16:00  マネーポストWEB

リツイートによる誹謗中傷 「悪気なかった…」で済まされぬ影響力

気軽なリツイートが大きなトラブルに繋がる可能性も

 昨年発生した「茨城県あおり運転殴打事件」の“ガラケー女”に間違われ、いわれのない誹謗中傷を受けた女性は、自身の名誉回復のため、デマをネットに書き込んだ人物を訴えた。とはいえ、自分に同様の事態が降り掛かったとき、「訴えるなんて自分にはできない」と考える人は少なくない。

 しかし、インターネットの誹謗中傷は無差別で行われており、この女性同様、あなたが明日突然、標的にされるかもしれない。それと同時に、何気ないリツイートのつもりでも、それが誰かを傷つけ加害者になる可能性もあるのだ。実際、元大阪府知事・元大阪市長の橋下徹氏は自身にまつわるデマをリツイートしたジャーナリストを訴え、勝訴。ジャーナリストに33万円の支払いが命じられた。

 なぜ近年、ネット上のトラブルが増えているのか。これは、スマートフォンの普及に伴い、SNSのユーザーが増えたことも一因としてある。

「ネット上で問題を起こす人が増えたというわけではなく、SNSのユーザーが増えたため、ネット上のトラブルも増えたというわけです」

 こう話すのは、ネット問題に詳しい情報リテラシー専門家の小木曽健さんだ。ネットには、普段人には見せない別の一面を、安易に露呈させてしまう特性がある。ネット上では投稿する相手と対面することがほとんどないうえ、投稿者は顔や本名を公表しないことが多い。「自分だとはバレないだろう」と高をくくることで、普段は口にしないような悪口も、気軽に発してしまうのだ。この気軽さが、誹謗中傷投稿を生む一因になっている。

「投稿する当人でさえも、自分の行為が人を傷つけているとわかっていないケースが多い。だから、誹謗中傷が増え続けているともいえます。こういった“無意識の中傷”の代表例が、リツイートです。これは、自分で発言をするわけではなく、誰かが発した興味深い投稿を、ほかの人にも拡散しようと、その投稿を転載することをさします」(小木曽さん・以下同)

 リツイートは、わずか2クリックでできるため、多くの人が気軽にやってしまう。しかしこのリツイートも、拡散する内容により、誹謗中傷行為にあたる場合があるのだ。

 冒頭で紹介した「茨城県あおり運転殴打事件」から派生した誹謗中傷事件も、リツイートによる被害が大きかった。この事件では、一般女性Aさんが、容疑者の女性と身につけているものが似ていたという理由だけで、Aさんを犯人とするツイートが投稿された。その投稿を信じた多くの人が、犯人を懲らしめようとリツイートして拡散したため、わずか1日で、Aさんの顔と実名が全国にさらされた。

 これを受け、Aさんはリツイートした人たちも含めて、法的措置に踏み切った。リツイートした人たちは、「容疑者の女はこいつだ」という情報を拡散させ、悦に入ろうとしたのだが、情報源が誤っていたため、過失により誹謗中傷行為に加担してしまったというわけだ。しかし、悪気がなかったからでは済まされないほどの影響力と、人を傷つける破壊力がリツイートにはあるのだ。

※女性セブン2020年2月27日号

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