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コラム

2020.08.02 16:00  マネーポストWEB

Go Toキャンセル話から見え隠れするご近所主婦たちの面倒臭い見栄

キャンペーンを謳う旅行会社の広告(時事通信フォト)

 7月の4連休前に前倒し実施されるも、新型コロナウイルス感染拡大により直前で「東京発着除外」が発表されるなど、迷走ぶりが目立つ「Go To トラベル」キャンペーン。フリーライターの吉田みく氏が、同キャンペーンに翻弄されたパート主婦の体験をレポートする。

 * * *
「Go To トラベルキャンペーンを利用して旅行を計画していましたが……残念です」──そう語るのは、都内在住のパート主婦・藤田さん(仮名・50代)。現在、食品会社の事務として働いている。家族構成は、夫と高校生の子供が2人。

 藤田さんは、新型コロナで打撃を受けた旅行・観光業界の活性化をサポートしたいという思いから、「Go To トラベル」を利用しての旅行を計画していた。しかし、都民は対象から外されてしまった。新型コロナウイルス感染が広がっていたこともあり、旅行はキャンセルすることに。7月23〜26日の4連休は自宅で過ごしたそうだ。

「ご近所の主婦仲間の間でもGo Toトラベルの話題が出たのですが、庶民的な私には理解しがたいというか……」(藤田さん、以下同)

 一体、どのような会話が繰り広げられたのだろうか。

「私がGo To トラベルを利用して旅行を計画していることを話した時、“え、Go To 使うの? 私は使わないなぁ〜。面倒じゃない?”と言われたんです」

 そもそも「Go To キャンペーン」は、新型コロナウイルスにより打撃を受けた観光業や旅行業などを支援するための需要喚起策で、「Go To トラベル」のほか、「Go To イート」「Go To 商店街」「Go To イベント」がある。

「Go to トラベル」キャンペーンでは、利用者に旅行代金の割引と、旅先の地域で利用できる共通クーポンが支給される。一人当たり1泊最大2万円相当の補助が受けられることで話題となった。当初は9月よりスタートされる予定だったが、前倒しで7月22日より旅行代金割引のみが適用されることとなり、世間を賑わせた。しかし一部では、“申請手続きが面倒”、“宿泊先がキャンペーン対象かどうか、わからない”などの声もある。

「ご近所さんには、旅行予約サイトを利用すれば簡単みたいだよ、と伝えたのですが、“え〜、そういったサイトは利用したことないし、泊まるときは仲間にお任せだからなあ”とのこと。聞く耳を持ってもらえませんでした。でも、ここまでは正直あまり気にしていなくて……。どちらかというと、その後の“高級旅館アピール”が面倒でした」

◆「高級旅館を知ってますわよ」

 藤田さんによると、話題は「Go To トラベル」の流れから変わり、ご近所の主婦同士で“私、こんな高級旅館を知ってますわよ”アピール合戦が始まったそうだ。

 ご近所さんたちが挙げるのは、1泊2名で10万円オーバーが当たり前の高級旅館や老舗旅館ばかり。“テレビで見たわ、すごく素敵よね”や、“知ってる知ってる、息子夫婦におねだりしちゃおうかしら?”などの発言が飛び交ったんだとか。

「みんな口をそろえて、“この4連休、せっかくだし行ってみようかな”って言っていたんです。ひと月分のパート代よりも高い宿に泊まれるなんてって思ったら、凄く羨ましかったです」

 藤田さんが予約した宿は、「Go To トラベル」を利用すれば、4人家族全員で1泊3万円ほどだった。それでも、「正直、我が家からすると決して安い金額ではないです」と藤田さんは言う。ご近所主婦たちから金銭的な余裕を見せつけられたときは惨めな気持ちになったそうだ。

 しかし、状況は一変する。「4連休が始まる前日、ご近所さんたちは大騒ぎでした」──小池百合子東京都知事から4連休の外出を控えるように呼びかけがあったことで、多くの都民に影響が出た。そして、藤田さんのご近所の間でも騒動となったそうだ。

「“コロナが怖いから、行くことをやめたの”、そう言い始めるご近所さんが続出しました。4人ほどが高級旅館に宿泊予定だったのですが、全員がキャンセルしたそうです」

 もちろん、新型コロナウイルスの感染を考えて外出自粛することを否定する気持ちはない。藤田さんが引っかかったのは、ご近所主婦たちの高級旅館の話であった。

「そもそも予約していなかったのでは? と疑いました。数日前の段階で予約できるような宿ではなかったし、感染者数が増加していたタイミングで予約したというのも、“コロナが怖いから”というキャンセル理由と矛盾を感じてしまいます。都知事の外出自粛の呼びかけもあったかもしれませんが、庶民が気軽に泊まれる場所ではないので……怪しいなぁって思っています」

 以前にも、ロボット掃除機や食洗器の話題で盛り上がったことがあり、“我が家にも絶対導入する〜!”と話していたのにもかかわらず、“やっぱやめた。お金がないわけじゃないんだけど……。なんか難しそうだし”というご近所主婦がいたそうだ。

「私のご近所の主婦仲間たちって、“我が家、買うお金はあるけど、あえて買わないんです”みたいなアピールがあるんですよね。何をしたいのか」

 そう言う藤田さんは、うんざりした様子だった。

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