コラム

キラキラ、難読、イメージギャップ… 名前で苦労する人たちの嘆き節

名前はその後の人生に大きな影響を与える

 さまざまな願いや思いをこめて、親が子供につける名前。しかし、親の思いとは裏腹に、いわゆる“キラキラネーム”や読みにくい名前だと、その後の人生で苦労することも少なくない。そんな人たちの嘆き節を聞いた。

◆名簿で男子側に振り分けられる女子

 メーカーに勤務するYさん(女性/20代)は漢字1文字の名前。一見すると「男性の名前」のようにも見える。

「私の名前は、特にキラキラネームというわけではないのですが、初見で読める人はまずいません。男の子の名前としてはありきたりだからこそ、ややこしい。人名読みとしては“アリ”なようですが、珍しいのは事実です」(Yさん)

 小学校低学年の頃は、名前がひらがな表記なので問題はなかったというが、漢字表記になってから苦労することも多くなった。

「名簿で、男子側に振り分けられることはしょっちゅうでした。自分の名前を説明するとき、『この漢字を書いて○○と読みます』と最初から言うのですが、『えっ、この漢字でそう読むの?』などと、何度か聞き返されます。確認されるのが面倒な時は、最初からひらがなで書くこともあります。自分的には、珍しいし素敵な名前なので、気に入っているのですが」(Yさん)

◆キラキラネームはヤンキーっぽい?

 高校生のKさん(女性/10代)の名前は、漢字3文字。愛や輝といった漢字が入るその名前は、いかにも“愛情豊かに育ち、輝く人生を送って欲しい”という親の願いを感じさせるものだが、本人は「いかにもキラキラネームだし、ヤンキーっぽくて、イヤ」と縮こまる。

「どんな名前でも、まずは一発で読める名前が羨ましいです。私の知り合いにも“キラキラネーム”がいますが、全員読めないし、漢字3文字とか、当て字過ぎてヤンキーっぽい字面になる名前が多い印象です。

 そもそも、どうして名前にあてる漢字の読み方に制限がないのかわかりません。読んでもらえないし、こちらから読みを説明するのも恥ずかしい。以前、テレビで改名した人の番組を見ました。私も大人になったら改名しようかと思って、その方法を調べたりしています」(Kさん)

◆実際の雰囲気と名前のイメージが乖離して…

 IT企業で働くOさん(女性/30代)は、7月生まれ。偶然にも弟も同じ7月生まれで、きょうだいで七夕にちなんだ名前をつけてもらった。

「弟と同じ学校に通っていた小学生や中学生の頃は、七夕の時期によくからかわれました。高校生くらいになると、女子からはむしろ羨ましがられるようになったり、名前を覚えてもらいやすいので気に入っているのですが、歳を重ねると、“姫”が名前に入っているのがちょっと恥ずかしい時も……。私の見た目が“姫”っぽかったらいいのでしょうけど、私は完全に“地味”側。病院で名前を呼ばれる時など、恥ずかしくて下を向いてしまいます」(Oさん)

 自分の名前の印象と実際の雰囲気のギャップに苦しむ人は、男性にもいる。人材派遣会社で働くSさん(男性/30代)もその一人だ。人気少年漫画の登場人物と同じ名前を持つ。

「僕の名前は、有名な少年漫画の登場人物と同じです。ありそうでなかなかない名前なので、すぐに『あの漫画からつけられたんだな』ってバレます。漫画では筋肉隆々でめちゃくちゃ強いキャラクターなんですが、僕はやせ型で、ひょろひょろ。

 自分で言うのもなんですが、いかにも頼りなさそうな見た目なので、たくさんの人から、あからさまに『まさか親があの漫画のファン?』『お前がその名前~?』と言われながら生きてきました。漫画のキャラの名前をつければ、子供がそのイメージに近づくとでも思ったのでしょうか……」(Sさん)

 名前とのギャップから「名前負け」と言われたこともあり、複雑な心境になることも多かったというSさん。「芸能人にあやかった、とかならまだしも、そもそも架空の物語から名前をつけないでほしかった」とボヤく。

 司法統計によると、家庭裁判所に寄せられた名の変更の新規申立て件数は、2017~2019年度の平均で約6000人を超えている。名前は親から子供への「最初の贈り物」と言われるが、自分では決められないものだけに、その後の人生で苦しんでいる人たちは少なくないようだ。

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