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2021.02.24 07:00  マネーポストWEB

庄野真代、66才の快適ひとり暮らし 家族同居より「気持ちが自由になれる」

「66才という、いまの年齢が大好き」と語る庄野真代

 高齢化が進む日本社会。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2015年に全国で625万世帯だった65才以上の高齢者のひとり暮らしは、2040年に896万世帯まで増えるという。これにより、高齢者世帯のうち40%がひとり暮らしになると見込まれる。

【写真】同居人である2匹の愛猫。庄野真代の肩に乗れるほどの大きさ

 高齢のひとり暮らしというと、身体機能の低下によるケガや病気になった際のリスクが考えられ、家族との同居や施設に入居する方が安心した日常生活が送れるはずと考える人は多いだろう。

 ところが大阪府門真市・つじかわ耳鼻咽喉科院長の辻川覚志さんが2012~2014年にかけて60才以上の男女約1000人に聞き取り調査をしたところ、配偶者や子供など家族と同居する人よりも、ひとり暮らしの人の方が、すべての年齢層で日常生活に対する満足度が高いことが明らかになった。

 大勢のスタッフやファンに囲まれ、華々しい芸能界で生きてきた有名人の中にも、ひっそりと、ひとり暮らしを満喫する人は多い。

「いまは一年一年が毎年楽しくて、おもしろい方向に転がっています」

 そう笑顔で語るのは、今年歌手活動45周年を迎える庄野真代(66才)だ。『飛んでイスタンブール』の大ヒットで知られる彼女は現在、都内にある一戸建てにひとりで暮らす。

 1976年のデビュー翌年に作曲家の小泉まさみさんと結婚した庄野は2人の娘に恵まれたが、33才のときに離婚。以降はシングルマザーとして、仕事と育児の両立に奔走した。

「あの頃は、毎日、学童保育のお迎えに間に合うかヒヤヒヤして、ママ友や大家さん、時には大阪の母親にも来てもらって周囲に助けられていました。家事をがんばる一方で歌手活動が疎かになっているのではないかと悩み、夜中に子供のお弁当を作っていると、『明日のコンサートでは笑顔で歌うのに、どうしていま、こんなにつらい思いをしているんだろう』と、つい考えることもありました」(庄野・以下同)

 44才のときに事故と病気で立て続けに入院し、“命は有限だ”と実感した庄野は一念発起して2000年に法政大学人間環境学部に入学。環境問題を学び、その後にイギリス留学も経験した。

 そんな彼女がひとり暮らしを始めたのは、50代半ばの頃だった。

「下の娘が嫁いで、いよいよひとりになるかと思ったら、上の娘が小1の孫を連れて出戻ってきました。最初は楽しかったけれど、朝起きるとテレビには子供番組が流れている。もっとゆっくりしたくても、孫や娘が支度する中で寝ているのは気が引けた。仕事中に孫が部屋のドアをコンコン叩いて遊びにくるのも邪険にできない。そうしたことが重なって、だんだん同居することがつらくなってきたんです。娘や孫のことに一生懸命になるのではなく、『できることだけする。できないことはできない』が私の信条なので、最終的に私が家を出ました(苦笑)」

 50代半ばにして「家出」した庄野は、人生初となるひとり暮らしを始めた。しかし、何ひとつ困ることはなかったという。

「もう10年ほどひとりで住んでいますが、大変だと思ったことは一度もありません。私の母親が『ひとりでできないことは何もない』というタイプだったため、何でも自分でやる背中を見て育ったし、本当にできないことがあれば無理せず業者に頼めばいいという考えです。保護猫が2匹いるので寂しさも感じません」

 孫の成長を日々、隣で感じられる喜びは代えがたいものがある。実際に、前述の辻川さんの調査でも、三世代世帯に暮らす60才以上の人はほかの同居形態と比べて満足度が高く、わずかだが、ひとり暮らしの満足度を超えた。

 しかし最近は、昔ながらの三世代世帯のように高齢者が家族の一員として溶け込むことができず、自分自身をある程度抑えて暮らすケースも増えている。

「現代の子供夫婦や孫は、高齢者とは生活習慣や価値観が大きく違います。同居すれば寂しさは薄れるかもしれませんが、自分の気持ちを抑えて同居人に気を使うことで、精神的に疲れてしまいます。悩みが多くなると、満足度が低くなる恐れがあります」(辻川さん)

 それを証明するかのように、庄野はひとり暮らしのメリットについて、「気持ちが自由になれること」だと語る。

「私は散らかし屋できっちり片づけるタイプではないけど、同居していた娘や孫には、『ちゃんと片づけなさい』と注意していたので、自ら散らかすわけにはいきませんでした。でもひとり暮らしなら、自分が納得できる程度の片づけをすればいい。いまの家は気に入っているのですが、どうも自分は階段の掃除が好きじゃないと気づいたんです。地方公演のたびに大荷物を持って階段を上り下りするのも面倒だし、今年は引っ越しを検討しています。娘は一緒に暮らそうと言ってくれますが、私はひとりがいいかな(笑い)」

【プロフィール】
庄野真代(しょうの・まよ)/1954年生まれ。1976年に歌手デビューし、1978年『飛んでイスタンブール』『モンテカルロで乾杯』などが大ヒット。現在は国境なき楽団PLUS代表。2014年より法政大学人間環境学部兼任講師を務める。子ども食堂しもきたキッチン主宰。3月7日に『庄野真代コンサート~Domestic Mayo Line 2021 in Tokyo』が、こくみん共済coopホール/スペース・ゼロ(東京)にて開催予定。

※女性セブン2021年3月4日号

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