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2021.05.03 19:00  マネーポストWEB

テイクアウト頻繁利用で母に頼らざるを得なくなった30代男性の苦しい胸中

テイクアウトの種類が増えて嬉しい限りだが…(イメージ)

 5月11日までとされる3回目の緊急事態宣言。東京、大阪などの対象地域では酒類やカラオケを提供する飲食店等に休業要請が出されるなど、これまでのものと比べて一段と厳しい内容になった。一方、この1年以上の間に飲食店でも新しいサービスが充実してきており、飲食店のテイクアウトサービスも広く普及した。そんなテイクアウトを頻繁に使用しているという、ある30代男性公務員が抱える悩みとは。フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。

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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は4都府県に対し3度目の緊急事態宣言を発令。酒類の提供の終日停止や、1000平米以上の商業施設や遊興施設などにも休業要請が出されるなど、感染拡大防止に努めた行動を求められることとなった。今年もステイホームを強いられるゴールデンウイークとなっている。

 休業要請や時短要請をされている飲食店やそれらに食材などを卸す会社は、苦しい状況が1年以上も続いている。帝国データバンクの調査によると、2020年の飲食店の倒産は780件で過去最多だった。政府などから「協力金」が出されているものの、それでは賄いきれないのが多くの飲食店の現実のようだ。

 コロナ禍で大変な飲食業を応援したい気持ちからテイクアウトを利用しているという都内在住の公務員、多田雄介さん(仮名・34歳)に話を聞いた。

「食べることが趣味なので、飲食店へ足を運びづらい状況に窮屈さを感じているのが本音です。今はテイクアウトを利用して自宅でお店の味を楽しみ、微力ながら飲食店を応援しています」(多田さん、以下同)

 テイクアウトの場合、食べきれなかった分は翌日も楽しむこともできる。また、外食時のお通し代や飲酒代がかからず節約にもつながったと、多田さんは非常に満足しているようだった。しかし最近はちょっとした悩みも出てきたという。

「最初はメイン料理を1品程度でしたが、最近は2品ほど多く注文することが増えました。財布のひもを締めなおさなくちゃと思ったのですが、行きつけの店主から『いつもありがとう! 本当に助かるよ!』と言われ、僕が応援しなくちゃ! と強く思うようになったんです」

 多田さんはコロナの影響がほとんどない公務員。収入減などもなく、安定して生活できているという。コロナと最前線で戦っている医療従事者には頭が下がるばかりだが、飲食店を利用して経済に貢献することならできると思ったそうだ。だがある日、クレジットカード明細を見たら驚きの数字が飛び込んできたという。

「テイクアウトを利用しすぎて、普段の支払金額より3万円ほどアップしていました。思い返してみれば、最近は週3回くらいでテイクアウトし、自炊はほぼなし。美味しい料理を食べながら自宅で晩酌する機会が増えたので、缶ビール代もかさんでいたようです。恥ずかしながら貯金ができない性分で、足が出た分は実家の母に立て替えてもらいました……」

 話を聞くと、多田さんはこの件に限らず、60代の母親から金銭的なサポートを何度か受けていたという。多少の嫌味は言われるものの、頼み込めば送金してくれるので、ついつい甘えてしまうそうだ。

「本当は直接会ってお願いすべきなんでしょうけど、今はコロナですしね……。母親も高齢になってきたので気を遣ってしまいます。コロナが落ち着いたら、親孝行して、恩返しをする予定です」

 自宅で本格的な味が楽しめる飲食店のテイクアウト。飲食店を応援したい、美味しい食事が食べたいという気持ちも大切だが、生活に影響するほど利用するのは考えものである。

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