コラム

「占い依存」生活のリアル 占い師に会うことが最優先、自分で考えるのは放棄

占いに依存するようになって、冷静な判断ができなくなっていったという(イメージ)

 テレビの情報番組で毎日紹介される運勢のいい星座や血液型ランキング、雑誌の巻末の占いコーナーなど、日本人の日常に溶け込んでいる占い。気軽に楽しんでいる分にはいいが、中には占いにどっぷりのめり込んでしてしまう人も増えているという。

 心理カウンセラーの小川のりこさんは、21才から2年間、まさに「占い中毒」と呼べる依存状態にあった。当時をこう振り返る。

「きっかけは恋愛だったのですが、ひとりの男性を追いかけ、完全に振られているにもかかわらず、しがみついていたんです。相談できる人もいなくて、毎日が不安でした。話を聞いてもらえることがうれしくて、占い師のところへ通うようになりました」(小川さん・以下同)

 占い師のもとには週3日、2日連続で訪れることも。

「信頼している占い師が3人いて、その日に3人回るなんてこともしていました。『彼は私のことを好きだと思いますか?』『こんなことを彼にしたのですが、どう思っているでしょうか?』など、聞く内容は同じようなこと。彼との行動を全部報告して、当たり障りのないことを言われては安心していましたね。1回の鑑定料は10~15分で3000~4000円。月10万円以上は使っていました」

 日常生活は、占い師に会うことが最優先。友人の誘いは理由をつけては断り、たまに飲み会へ行っても、帰り道に占い師のところへ足を運ぶ日々だった。大きな出費もあった。当時、大阪に住んでいた小川さんは、テレビの占い特集に出演する有名占い師に会うため、東京へ行く。

「不安が収まらず、それを止めるための大きな安心感がほしかったんです。占い師には、“心が乱れすぎている”と、水晶玉をすすめられました。約30万円でしたが、高いという感覚はなく、迷わず購入しました。その水晶玉が安心感につながっていたことは確かなので、後悔はしていませんが、冷静な判断ができなくなっていたことは事実です」

 占いに使うお金を捻出するため、生活は苦しくなる一方だった。そもそも、恋愛成就を願っているにもかかわらず、美容院へ行ったり、洋服を買ったり、身だしなみに使うお金は残っていなかった。

「身なりもひどくなり、表情も曇っている。つきあいが悪いので、どんどん人は離れ、仕事でもミスばかり。会社で泣くこともありました。孤独と不安で心が壊れ、決断はすべて占い師に託し、自分で考えることを放棄していました」

 占い中毒から抜け出せたきっかけは、新たな恋人ができたことだった。その瞬間、占いが必要なくなった。

 この経験を生かし、心理カウンセラーとなった小川さんは、自身が占いに依存した背景をこう分析する。

「私の父はアルコール依存症で、とても暴力的だったんです。それにより人間不信になり、中高時代はいじめに遭いました。私はどこへ行っても嫌われると思う一方で恋愛にのめり込んだのですが、それすらうまくいかなくて、すがりついたのが占いでした」

 自己肯定感の低さは、占い中毒の大きな要因となる。占いカウンセラーの夢叶さんが言う。

「占い依存症者に共通していえるのは、『自分で何も決められない人』です。私もかつて占いに依存していたのですが、子供の頃から親の目を気にして、自立した考えを持てずに生きてきたんです。大人になっても自分で決断することに慣れていないため、人からアドバイスをもらわないと何も決められない。レストランでメニューを決められない人、行きたくない飲み会へ断れずに行く人、洋服を自分で選んで買えない人などは占い依存症になるリスクが高い」

 まじめで素直ゆえ、人の顔色をうかがって優柔不断になるタイプは注意が必要だ。

※女性セブン2021年6月24日号

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