投資

【経済評論家・山崎元さんが遺した名著に学ぶ】年齢も資産額も関係ない“1つの投資信託を買って持ち続けるだけ”の「ほったらかし投資術」

経済評論家・山崎元さんが10年以上前に提唱していた“ほったらかし投資術”から学べることは多い(撮影/木村圭司)

経済評論家・山崎元さんが10年以上前に提唱していた“ほったらかし投資術”から学べることは多い(撮影/木村圭司)

「投資」というと毎日の株価をチェックして売買を繰り返すイメージがあるかもしれないが、経済評論家・山崎元(はじめ)さんが提唱していたのが、それとは正反対の「一度買ったら後は何もしない」という運用法だった。日銀によるマイナス金利解除など投資環境が激変する今だからこそ、今年1月に亡くなった山崎さんの“ほったらかし投資術”に学ぶべきことは多い。【前後編の前編。後編を読む

誰もが同じ方法でいい

 日経平均株価が史上最高値を更新して4万円を突破。空前の株高で投資ブームが盛り上がるなか、春闘での高水準の賃上げを受けて日銀がマイナス金利解除に踏み切るなど、経済環境は激動の最中にある。

 そうしたなか、投資初心者でも簡単に大きなリターンを目指せる手法として改めて注目を集めているのが、「ほったらかし投資術」である。

 投資先を設定した後は放置して、いつの間にか資産が増えている──そんな投資術の提唱者が、1月1日に65歳で亡くなった経済評論家の山崎元さんだ。2010年にインデックス投資ブロガー・水瀬ケンイチ氏との共著『ほったらかし投資術』(朝日新書)を発表。長きにわたって版を重ね続け、累計25万部の大ヒット作となっている。

 初代担当編集者の友澤和子氏が言う。

「山崎さんが『インデックスファンドの投資信託を使えば、投資先を自分で考える必要がなくなる』とおっしゃったことから企画がスタートしました。“投資はこの1冊さえ読めばいい”という決定版を作りたかった。

 手間をかけずにほったらかしで資産を増やせることから、タイトルを『ほったらかし投資術』にするのはいかがでしょうかと山崎さんに打診したら、当初は乗り気じゃなかったんです(笑)。蓋を開けてみて、こんなに支持されたことに驚きました」

 同書はブラッシュアップが重ねられ、現在発売中の〈全面改訂 第3版〉では「1つの投資信託を買って持ち続ける(長期投資する)だけ」という超シンプルな方法にたどり着いた。しかも、「年齢」「収入」「資産額」「投資経験」などは関係なく、「誰もが同じ方法でいい」という、驚くほどわかりやすい内容へと進化している。

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