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【注目銘柄】ハピネット:エンタテインメント商材のトップ商社

ハピネット(7552):市場平均予想(単位:百万円)

ハピネット(7552):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 ハピネット(7552)は、玩具、DVD・CD、ゲームを専門とする中間流通事業会社。主な事業内容は、メーカーと小売事業者を結び、物流、在庫管理、受発注管理などを提供しています。

 例えば、バンダイやタカラトミー、任天堂などの玩具メーカーから仕入れを行い、ヨドバシカメラなどの家電量販店や楽天などのECモールなどに販売しています。

 取引先の数はメーカー約700社、販売先約1200社と業界最大で、国内玩具卸で30%のトップシェアを誇ります。玩具卸業の他でも、カプセルトイで60%、任天堂ゲームで25%、プラモデルなどのホビー玩具で17%など、複数の周辺市場でトップシェアを獲得しています。

 同社の創業は1968年。元々はバンダイの元役員河合洋氏が個人創業した玩具の卸売会社で、後にバンダイが資本参加し、現在ではバンダイナムコホールディングスの持分法適用会社としてバンダイの国内中間流通の9割を担っています(バンダイによる同社株の保有比率は2023年9月末現在で24%まで低下しています)。

 バンダイ色が強い事業基盤ですが、その事業領域は買収によって拡大。現在では、玩具卸事業のほか、映像音楽、ビデオゲーム、アミューズメントの4つの事業セグメントでビジネスを行っています。

 それぞれの2023年3月期における売上構成比は、玩具事業41%、ビデオゲーム27%、映像音楽22%、アミューズメント10%でした。

 玩具自動販売機運営のサンリンクとアップルの買収は、現在拡大中のカプセルトイショップ「gashacoco(ガシャココ)」展開の下地となりました。

注目ポイント

 ガシャココは2020年3月期から運営がスタートしたカプセルトイ(コインを入れてレバーをガチャガチャ回すと玩具の入ったカプセルが出てくる)の店舗。大手家電量販店、駅構内や空港、大手量販店、ショッピングモールなどに自動販売機を設置して販売しています。最近では駅ナカや路面店も増えてきました。

 もともとやっていた事業ですが不採算拠点も多く、赤字が続いていたといいます。それが2007年に2社を買収したことを機に不採算拠点からの撤去を進め、買収直後8000か所以上あったのが2010年には半分程度にまで減らし黒字化に成功しています。

 以降も「優良ロケーションの獲得」と「収益性の低いロケーションからの撤退」を方針とすることで、(コロナ禍の影響あった2021年3月期を除いて)増収増益を続けています。

 ガシャココの出店数について、2024年3月期の計画は前回予想100店舗から5店舗増やされ105店舗体制となる見通しとなりました。この3月からフランチャイズ展開も開始しており、12月8日時点で11店舗となっています(9月末時点5店舗)。

 カプセルトイの客層は、ここ数年で、子供だけでなく大人にも広がっています。懐かしい物シリーズや推し活など大人が手を出したくなるラインナップが増えているからです。値段も100~500円のものから1000円など高額なものまで出てきています。

 そして今から期待されるのがインバウンド消費です。カプセルトイは外国人観光客にとって、「日本ならでは」「ちょうどいい大きさ」「手軽な値段」「開けるのが楽しいエンタメ性」などの理由から、お土産として人気を博していました。その需要が復活するというわけで、その動向が注目されます。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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