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「大学生活は丸ごとコロナ禍」2024年新卒社員の育成の鍵 上司からの「プライベートな質問」がモチベーション向上につながることも

相手のプライベートを聞くことが職場環境の改善につながることもある(イメージ)

相手のプライベートを聞くことが職場環境の改善につながることもある(イメージ)

 今年の大卒新入社員の多くは、入学した2020年4月から新型コロナウイルス感染症による外出規制が出され、大学生活のほとんどをコロナ規制のなかで過ごした「コロナ禍学生世代」だ。彼ら彼女らを職場に迎えた上司や先輩社員はどう接すればいいのか。Z世代の特性に応じたマネジメントの必要性を訴える識者に、フリーライターの岸川貴文氏が聞いた。

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 大学生活といえば、勉学はもちろん、サークル・部活動、アルバイト、遊びも含めてさまざまな経験を重ね、多様な価値観や人生観、人間関係のスキルを身につけていく期間である。それだけに、コロナ禍の規制で一部の経験が失われた影響は人間形成に少なからずあるのではないか。

『新しい教え方の教科書~Z世代の部下を持ったら読む本』(ぱる出版)の著者で、今春も多数の企業の新入社員研修を手掛ける人材育成コンサルタント・北宏志氏は、彼ら彼女らの特性をこう見る。

「コロナ前の世代と比べて目立つことを極端に避け、おとなしいというのが、私も企業の人事担当者とも一致する意見です。挨拶にしても元気のいい声が返ってこないし、『何か質問はありますか?』と聞いても手が挙がりません。Z世代は素直で真面目である反面、『失敗したくない』思いが強い傾向がありますが、それがコロナによって少し強調された感じです」(北氏、以下同)

お互いに腰が引けている

 とはいえ、「言われたことはしっかりできる」ところは他のZ世代とも変わらないという。

「研修などでは、まず初歩の初歩として『挨拶は“自分はここにいます”という意味でするんだから、大きな声でするんだよ』というと、すぐにできるようになります。上長の立場からすると『こんなことも知らないのか。常識だろう』ということも、彼らは経験もしていないし学習もしていないので、わからないだけです」

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