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資産150億円投資家・片山晃氏が実践する「勝つ投資」 新規投資時に考えるべきは「いつか上がるだろう」ではなく「いつ上がるか」

「勝つ投資」を目指すうえで、「いつか上がるだろう」という考え方がご法度の理由は(写真:イメージマート)

「勝つ投資」を目指すうえで、「いつか上がるだろう」という考え方がご法度の理由は(写真:イメージマート)

 2005年に元手65万円で投資をスタート。現在は150億円の資産を持つ個人投資家の片山晃氏。片山氏は株で利益を得るときには大きく分けて“3つのパターン”を理解することが大事だと話す。では、それを理解したうえで、どのように投資のアイデアにつなげていけばよいのか。小松原周氏との共著『改訂版 勝つ投資 負けない投資』も話題の片山氏が解説する。

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 僕の投資に対する具体的な考え方をいくつかご紹介したいと思います。まずは、投資で利益が得られる3つのパターンについて説明します。

【1】優等生が100点満点を取り続けるパターン
【2】優等生が期待外れの点数を取ってしまうパターン
【3】落第生が期待以上の点数を取るパターン

 大雑把にいうと、株で儲けるにはこの3つのうちのどれかに当てはまる銘柄に投資をすることです。実際には「【4】落第生が赤点を取り続けるパターン」もあるのですが、これは当てたところで利益にならないので意味がありません。

【1】のパターンは、銘柄でいえばキーエンスやSHIFT、GMOペイメントなどが該当します。2桁の成長を長期間にわたって出し続ける優等生タイプで、年単位で綺麗な上昇トレンドのチャートを描くのが特徴です。

 これまで一貫して変化が重要だと主張していますが、これらの銘柄は常にいい決算を出し続けるため、ある意味では変化が起きていないともいえます。なので、僕が苦手としているパターンでもあります。

 こうした銘柄は、学校でいうところのテスト、すなわち決算で常に投資家の期待に応える満点を出すことを要求されています。すでに優等生であることは誰もが知っているので、期待が織り込まれた高いPERがついていることが多々あります。従って、ちょっとでもミスがあると大きな失望を買い、株価が暴落する危険性があり、投資家はその恐怖に怯えなければなりません。

 しかし、いい結果を出し続けているのにはきちんと理由があるものです。それはビジネスの「仕組み」であり、その優位性が脅かされない限り、彼らはきちんと投資家の期待に応え続けます。なので、「割高だ、将来を織り込み過ぎている」と言われたところから、さらに株価が何倍にもなっていきます。

 このパターンのいいところは、途中からでも上昇に乗りやすいことです。反面、短期間に急騰することもないので、大きな果実を得るにはそれだけの長い期間、投資し続ける必要があります。

【2】のパターンは、【1】に当てはまる銘柄が悪い決算を出した時に起こります。ずっと学年トップだった優等生が2位に転落すると、「何かあったのかな?」と思いますよね。2位という成績自体はとてもすごいのに、なぜか心配されてしまう。株価もそんな反応を示します。このパターンで利益を得るには空売りのアイデアが必要です。

 ただ、その期待外れの成績が一過性のものであれば、再び【1】の軌道に戻ることが可能です。たまたま風邪を引いて本調子じゃなかったということは起こるでしょうし、企業業績においてもそれに近いことは起こりえます。その場合、一時的に下がった株価が戻る過程で利益を得ることもできるでしょう。

【3】のパターンは、誰も期待していなかった銘柄が思いのほかよい数字を出した時に起こります。優等生がトップから2位に転落しただけで心配されるのと正反対で、赤点から70点になっただけでもスーパーサプライズ。周囲からは大喜びしてもらえます。

 この時、株価はしばしば過激な反応を示します。それまで誰も投資していなかった銘柄に急に注目が集まるので、多くの場合は行き過ぎるし、その上昇に要する期間も短めです。短期間に大きなリターンが得られる反面、激しい値動きに耐える必要があり、乗り方次第では思わぬ損が出る可能性も覚悟しなければなりません。しかし、そうなることを事前に予想して仕込んでおければ、これほど儲かる投資のチャンスはありません。

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