公開日:2017.11.08 / 更新日:2020.05.09 |サービス   

高齢者施設の選び方 施設別特徴一覧|自分に合うのはどこ?

 高齢化社会の日本において「終の住みか」は大きな問題だ。ひとりで暮らす高齢者の中には、将来的に施設暮らしを希望する人も多い。

 しかし、施設といっても種類が多くて、どこが自分に合うのかわからないというケースも少なくない。

 また、難しいのが施設に入るタイミングだが、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんによると「ギリギリまで自宅にいて、ひとりでの暮らしが難しくなったら施設に移ろうというかたが圧倒的に多い」とのこと。ただその前に、自分の中で整理しておくべきことがある。

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種類が多い介護施設。自分に合う場所はどう選んだらよいか?(写真/アフロ)

なぜ施設に住むのか?目的をはっきりさせる

「まず、どうして施設に住むのか、目的をはっきりさせましょう。例えば、ひとりだと夜が不安だけど、子供夫婦に迷惑はかけたくない。でもたまには顔が見たい、というなら、24時間介護型で子供の家から1時間以内の距離の施設など、自然と選択肢が絞られるからです」(太田太田差惠子さん)

 施設を終の住みかにするなら、認知症の介護や看取りまで対応しているのかを確認するのも重要だ。

「非介護型の施設に入居した直後に認知症になり、退去せざるを得なくなったケースもよくあります。看取りは大抵の施設が“する”としていますが、医療機関と密接な関係がないと実質的に不可能。看取りの指針や実績も必ず聞いておきましょう」(太田さん)

 太田さんの著書『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本』を参考にすると、高齢者向け施設は、大まかに「介護型」と「住宅型」に分けられる。そして「介護型」には福祉施設である「特別養護老人ホーム」、「老人保健施設」、「介護療養型医療施設」、「ケアハウス」と、民間の「介護付有料老人ホーム」、「介護型サービス付き高齢者向け住宅」、「グループホーム」、「小規模多機能型居宅介護施設」がある。

 一方「住宅型」の施設は、福祉施設の「ケアハウス」、「シルバーハウジング」と、民間の「住宅型有料老人ホーム」、「サービス付き高齢者向け住宅」に分けられる。施設は必ず複数を見学し、体験宿泊して比較検討をすることが大切だ。

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※介護型施設の場合、いずれも65才以上。上・下の表は共に『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本』(翔泳社)を参考に作成

介護型
 ■福祉施設

特別養護老人ホーム

 認知症などにも対応し、看取りまで行うところが増えている。全国どこでも申し込めるが、住民登録している人を優先するところが多い。介護保険で入居可。要介護3以上。

●初期費用なし
●月額5万〜15万円

老人保健施設

 病院と自宅の中間施設。リハビリで在宅復帰を目指すことを目的としている他、特別養護老人ホーム入居の待機場所にするケースも。認知症に対応。通常、3か月程度の期間限定で入居するが、なかには長期入居者も。介護保険で入居可。要介護1以上。

●初期費用なし
●月額6万〜17万円

介護療養型医療施設

 病院なので医学的ケアが充実しているが、空きは少ない。認知症、看取りに対応。介護保険で入居可。要介護1以上。

●初期費用なし
●月額6万〜17万円

ケアハウス(介護型)

 24時間体制で介護を受けられる。介護保険は「特定施設入居者生活介護」を利用。要支援1以上。

●初期費用0〜数百万円
●月額10万〜30万円

介護型
 ■民間

介護付き有料老人ホーム

 24時間体制で介護を受けられる。重度の人も入居可能だが料金が高くなる。介護保険は、「特定施設入居者生活介護」を利用。要支援1以上。

●初期費用0〜1億円
●月額10万〜40万円

介護型サービス付き高齢者向け住宅

 手厚い介護体制は整っているが、外出制限などがあり、自由度は低い。ケアマネジャーや介護事業者も選べない。認知症対応は要確認で、看取り対応しているところは少ない。介護保険は、「特定施設入居者生活介護」を利用。要支援1以上。

●月額12万〜25万円

グループホーム

 地域に住む認知症患者だけが入居できる。1〜9人の小人数で共同生活を送る。看取り対応をしているところは少ない。要支援2以上。

●初期費用0〜100万円
●月額12万〜18万円

小規模多機能型居宅介護施設

 自宅に住みながら「日帰り」「宿泊」「訪問」の3つのタイプのサービスを受けられる。認知症に対応しているが、看取り対応をしているところは少ない。住民票のある自治体の施設に申し込める。介護保険は「小規模多機能型居宅介護」を利用。要支援1以上(看護小規模多機能は要介護1以上)。

●初期費用は不要
●月額利用料は介護度合による(例:要介護3で 約2万5000円、別途食事 代、宿泊費)

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※住宅型施設の場合、いずれも要介護2~3、60才以上で、介護保険は、個別に契約して「居住サービス」を利用

住宅型
 ■福祉施設

ケアハウス(住宅型)

 諸事情により在宅が困難になった人向けの施設。日常生活のサポートを受けられる。入居者の所得に応じて補助があるので、低所得者も入居しやすい。「一般型」と「特定施設」があり、後者は認知症や看取りに対応しているところもある。

●初期費用0〜数百万円
●月額8万〜20万円+介護費

シルバーハウジング

 バリアフリー対応がされた公的な賃貸住宅。既存の公営住宅などを改修しているところが多い。全国どこでも申し込めるが、住民登録している人を優先するところもある。

●初期費用0〜数百万円
●月額1万〜10万円+介護費

住宅型
 ■民間

住宅型有料老人ホーム

 料金設定や提供されるサービスはホームにより大幅に異なる。介護は個別に契約して利用することになる。

●初期費用0〜1億円
●月額10万〜40万円+介護費

サービス付き高齢者向け住宅

 安否確認と生活相談サービスを提供する、高齢者向けの賃貸住宅。介護が必要になると個別に契約して利用することになる。

●初期費用0〜数十万円
●月額8万〜20万円+介護費 

教えてくれた人

太田差惠子さん/

介護・暮らしジャーナリスト、ファイナンシャルプランナー(AFP)。1960年、京都市生まれ。20年にわたる取材活動より得た豊富な事例を基に、「遠距離介護」「ワークライフバランス」「介護とお金」等の新たな視点で新聞・雑誌・テレビなどで情報発信。行政、組合、企業での講演実績も多数。著書に、『70歳すぎた親をささえる72の方法』、『老親介護とお金』、『故郷の親が老いたとき』、『遠距離介護』などがある。NPO法人パオッコ(http://paokko.org/about/)代表。

※女性セブン2017年11月9日号

●老親の住まい、どう選ぶ?主な介護施設の特徴と費用

●親の自立度がポイント!入居型介護施設の選び方

●老健、ケアハウス、サ高住どれが入りやすい?利点、欠点は?

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