こむらがえりの原因|続く痛みの解消法、腓返りの対策
ふくらはぎが激痛とともに痙攣する「こむらがえり」。気持ちよく寝ていたのに、ひどい痛みとともに目覚めたことのある人は多いはず。
寝ている間、冬の朝方に発生しやすい
「特によく冷えた冬の朝方に布団からヌッと足が出ていると、こむらがえりが起こりやすいんですよ」
と語るのは、出沢明PEDクリニックの出沢明院長。
「こむらがえりは、ふくらはぎの筋肉が過剰に収縮して起こる発作です。特に寝ている間は筋肉の縮みすぎを防ぐセンサーの役割を果たす『腱紡錘(けんぼうすい)』が働かず、こむらがえりが発生しやすい。
また寒い時期で体が冷えると血管が収縮して血行不良になり、筋肉に酸素と栄養が充分に行き届かないため、こむらがえりが起こりやすくなります。とりわけ筋肉のコントロールにかかわるマグネシウムと水分が不足している場合は危険です」(出沢院長)
就寝前の1杯の水が予防策に
予防策として心がけたいのが、毎晩、就寝前に「コップ1杯の水」を飲むことだ。
「人間は睡眠中の発汗で500CCほどの水分を消費するため、あらかじめコップ1杯の水を補給してから就寝するべきです。わかめ、納豆、牛乳、するめなどでマグネシウムを補給することも大事。梅干しに含まれるクエン酸はマグネシウムの吸収を高め、疲労回復の効果もあります」(出沢院長)
また、足を冷やさないために就寝時に靴下やストッキングをはいて布団に入ることも予防につながる。
「温かいうえ、足の筋肉をほどよく圧迫して血流もよくしてくれる医療用の『弾性ストッキング』がおすすめです」(出沢院長)
筋肉をほぐすストレッチが有効
こむらがえりを含む「足のつり」対策として、筋肉をほぐすストレッチも効果的だ。
「30cmほどの高さの台に片足を乗せる『波止場のポーズ』がおすすめです。
台に乗せた足にグッと体重をかけて、息を吐きながら7秒間静止する。これを左右交互の足で15回ずつ繰り返すと、太もも裏の筋肉が鍛えられて血行がよくなります。
立ったまま足の親指と人さし指を使い、床に置いたタオルを持ち上げる運動も効果があります。普段あまり使わない下腿三頭筋や足の裏側の筋肉などを使うことで、足のつりを予防できます」(出沢院長)
つったときは、患部を伸ばす
それでも足がつってしまったら、どうすればいいか。
出沢院長がすすめるのは「患部を伸ばすこと」だ。
「こむらがえりの場合、ふくらはぎを伸ばしましょう。横になった体勢ならひざを立てて痛む方の足を体に引き寄せ、つま先をそり返すようにします。立っている場合は、つっていない方の足を前に出し、アキレス腱のストレッチのように、両手で目の前の壁を押しましょう」(出沢院長)
漢方「芍薬甘草湯」には即効性がある
また、漢方薬も助けになるという。
「痛みを緩和する作用を持つ『芍薬』と『甘草(かんぞう)』が含まれた『芍薬甘草湯』は、舐めるだけでも即効性があります。
こむらがえりが起きた時も鎮静効果が期待できるので、万が一に備えて枕元に置いておくと安心です。
ただし、甘草は血圧を上げる作用があるので、血圧が高い人は服用に注意しましょう」(出沢院長)
※女性セブン2018年1月1日号
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