公開日:2020.05.09 |暮らし   

親がデイサービスに行けない!食事はどうする?|700人以上看取った看護師がアドバイス

 週に何回と通っていたデイサービスに行けなくなると、介護している側が困ってしまうことが多い。専門家の手にゆだねていたのに、背負わなくてはならなくなる大変な部分について、700人を看取った経験を持ち、今は訪問看護をしている宮子あずささんに聞いた。

みそ汁と白いご飯と漬け物
高齢の親に毎日の食事を準備するのは大変なことも…

【目次】

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バランスを!と頑張って作らず、宅配弁当でもいい

 いつも通っているデイサービスに行けないと、困るという話をよく聞きます。

 まず問題になるのが食事ですね。例えば通常、週に3回通っていたデイサービスに行けなくなった場合、介護している人は週に3回多く作らなくてはならない。

 しかも、だれも家族がいない時のお昼ご飯は、適当に何か食べて済ましていたりするから、親にメニューを考えて食事を作るとなると、増える負担は大きいですね。

 でも、デイサービスと同じように栄養バランスを考えた食事を作らなくてはならないというふうに、難しく考えなくていいと思います。

●デイサービスで、それほどすごいものを食べているわけではない

 実際のデイサービスでも、食事に費用をかけられませんから、それほどすごいものを食べているわけではないのです。多くのところで出されているのは、塩分には配慮した安い仕出し弁当、という感じのものです。

●自宅での食事を宅配弁当にするという方法も

 だから、デイサービスに行かなくなった分の食事を、宅配弁当に置き換えるという方法もあると思います。

 もちろんお金はかかってしまいますが、最近ではリーズナブルな宅配弁当もかなり出ています。ふたつ取って、介護する人が一緒に食べてもいいし、ひとつ取って親に食べさせ、自分はいつものように適当なものを食べるというのでもいいわけです。そうすると、メニューを考えて料理をする大変さは減らすことができます。

 気になる場合は、お弁当からお漬物など塩分の多いものや、揚げ物をひとつ取りのぞいておいて食べないようにするといった方法もあるでしょう。

「毎度の食事」ではなく、「週単位」で考える

 デイサービスに行けないというケースに限らず、家で食事をすることになる場合もあります。入院している病院や老人ホームなどの施設から一時的に自宅に帰っている時などですね。持病があるかたは、特に食事が心配になることと思います。

●今日食べ過ぎたら、翌日減らせばいい

 高血圧のかたなら塩分の摂りすぎが心配でしょうし、糖尿病のかたはカロリーを摂りすぎてしまうのではないかと心配になるでしょう。

 しかし、場合によりますが、毎日、毎食について、そんなに神経質にかっちり考えなくていいのです。今日食べ過ぎてしまったと思ったら、翌日は少し減らす算段をするとか。一週間ぐらいの単位で平均して落ち着くようにコントロールしていきましょう。

●2か月、3か月ならそんなに神経質に気にしなくても

 もちろん、毎日、目標の値を守るのに越したことはありません。しかしデイサービスに行けないのが1年、2年という長期ではなく、2か月とか3か月とかいう期間で終わるのだったら、そんなに神経質に気にしなくていいことが多いのです。

食事の時間は変えないようにする

 食事の内容にばかり気をつかいがちですが、もうひとつ大事なことは、時間です。食べる時間は、変えないほうがいいでしょう。

●生活全体が不規則になっていく心配が

 食事時間のリズムを崩してしまうと、そのまま生活全体が不規則になっていく心配があります。親が、ペースが崩れていくことに不安を感じることにもなります。

 それまでの生活と同じ時間に同じように起きて、着替えて、食事をして、ということを続けていったほうがいいでしょう。これは、また元の生活に戻った時のためです。

<デイサービスに行けない時の食事をどうするかのまとめ>

●デイサービスと同じように、バランスのいい食事を作らなくてはと考えなくてもいい。

●宅配弁当を取るという方法もある。

●持病があっても、必ずしも毎食について、神経質に考えなくてもいい。

●今日食べ過ぎたら翌日減らす。週単位ぐらいで考える

●食事の時間は、元の生活から変えないようにする。

今回の宮子あずさのひとこと

「生活のペースを変えないことは、親にも介護する側にもいい」

 年をとると、新しいことが苦手になります。今までどおりに暮らすことのほうが得意です。起きて身づくろいをしてという生活のペースを変えないようにするのは、世話をする子どもの側にもいいことかもしれません。

●新型コロナウイルスのことばかりを考えないようにする

 新型コロナウイルスによって、通常の生活ができない状態がどれだけ続くかわからないのが、一番しんどい理由ですね。

 1年たってもおさまらないだろうなどという情報を目にすると、不安になるのは当然です。親がテレビをつけっぱなしにして、ワイドショーなどで1日中、大変だ、こんな恐れもあるという情報を観続けていると、コロナのことしか考えない不安定な状態になることも多いのです。

 少し他のことにも目を向けるように仕向けて、元の生活が戻る日を待てるといいと思います。

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教えてくれた人

宮子あずさ

宮子あずさ(みやこあずさ)さん/
1963年東京生まれ。東京育ち。看護師/随筆家。明治大学文学部中退。東京厚生年金看護専門学校卒業。東京女子医科大学大学院博士後期課程修了。1987年から2009年まで東京厚生年金病院に勤務。内科、精神科、緩和ケアなどを担当し、700人以上を看取る。看護師長を7年間つとめた。現在は、精神科病院で訪問看護に従事しながら、大学非常勤講師、執筆活動をおこなっている。『老親の看かた、私の老い方』(集英社文庫)など、著書多数。母は評論家・作家の吉武輝子。高校の同級生だった夫と、猫と暮らしている。

構成・文/新田由紀子

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