ホットヨガ・冷え対策に靴下…その健康法、NGかも…医師が指摘
次々と新しい健康法が生まれては消えていくが、その多くが、医学的根拠がなかったり、正しいやり方が広まっていなかったりする。あなたがやっている健康法は大丈夫？健康にいいと思ってやっていたホットヨガが実は…。専門医に取材した。
足の冷え対策に…靴下はOK？NG？
冬場になるとつらいのが足の冷え。しかし、寝るときまで分厚い靴下を履くのはやめた方がいい。内科医の秋津壽男さんが言う。
「寒いとき、手先や足先などの末端の血液循環が悪くなって冷えるのは当然のこと。体でいちばん大事なのは脳や心臓、肝臓、腸などの内臓であり、どんなに寒くてもそれらが活動できれば生命は維持される。極論を言えば、たとえ手足の指が凍傷でちぎれても命に別状はないため、優先順位が低くなっているのです。
むしろ、寒いからといって靴下を履いて寝ると、足が蒸れることでかえって冷えたり、締めつけられて血行が悪くなったりします」
どうしても履きたいなら、ルーズソックスくらいゆるい靴下を。
足の冷え解消には→温・冷シャワーが正解
秋津さんがすすめるのは、入浴後のこんな裏ワザ。
「風呂で温まった後、ひざから下に冷水をかけるのです。あえて足を冷やすことで血管を引き締め、温まった足先の熱が逃げにくくなります」
さっそく今夜から実践を。
ホットヨガでデトックス…はOK？NG？
汗をかく健康法として、ここ数年女性に人気のホットヨガ。体にたまった毒素を排出できるといわれるが、これも効果は怪しい。
「ホットヨガは、高温で体に負荷をかけて脱水状態に持ち込むので、体に大きな負担がかかり、心筋梗塞などのリスクが上がります。よほど若くて健康な人にしかおすすめできません。
脱水によって一時的に体重が減ったように感じるものの、脂肪が燃焼しているわけではありません。本来のヨガは体にやさしいもの。大汗をかいて行うのは不自然です」
老廃物のほとんどは汗ではなく便や尿から…
そもそも、汗をかくことにデトックス効果はほとんどない。信州大学医学部特任教授の能勢博さんが話す。
「お酒を飲んだりにんにく料理を食べたりすると、それらの代謝物が汗に微量に混じることから“汗をかく＝デトックス”という考えになったのでしょうが、基本的に汗に含まれるのは水分と塩分が主で、老廃物はほとんどの場合、尿と便でしか排出されません」
過度な期待はしない方がいいようだ。
教えてくれた人
秋津壽男さん／内科医、能勢博さん／信州大学・医学部特任教授
※女性セブン2020年12月3日号
https://josei7.com/
