公開日:2021.05.07 / 更新日:2021.08.12 |暮らし   

高齢の親に教えたい“スマホ”が必要な3つの理由|始めるなら一番若い今でしょ!

 高齢の親にスマホを使ってもらいたいけれど、ガラケー※を頑なに手放そうとしない――。70代、80代の親世代が新しいものを受け入れるのはひと筋縄ではいかないことも。そこで、シニア向けのスマホ教室を主宰する増田由紀さんに監修いただき、「高齢の親に教えたいスマホ講座」をお届けする。

 第1回は、「今こそ高齢者にスマホが必要な理由」がテーマ。親にスマホをすすめるときのキーフレーズを覚えておこう。

※ガラパゴス携帯の略といわれ、一般的にプッシュ式のボタンがついた二つ折りタイプの携帯電話のこと。

スマホを進める娘と拒む母
スマホを嫌がる高齢の親にかけるべき言葉とは?イラスト/朝倉千夏

→第2話「シニアのスマホ選び4つの注意ポイント 高齢者向けより教える人と同じ機種にするのがおすすめ」

ガラケーを使う親がスマホを拒否!?

50代の娘:お母さん、そろそろスマホにしたら?

70代の母:いらないわよ~。これ(ガラケー)で充分。高いし、だいたい電話とメールにしか使ってないし。それに何だか怖そうだし。

 スマホをすすめても頑なに拒む親。必要ないとか、怖いとか…。なかなかスマホにしてくれそうにない。

 スマホを巡る高齢の親と子のこんなやりとり、ありませんか――?

「シニア世代の中には、スマホはわけのわからない物体で、電話なのになんでそんなに高額なんだと感じている方もいるかもしれませんね」

 こう話すのは、シニア世代向けのスマホやパソコン講座を開催しているスマホ活用アドバイザーの増田由紀さんだ。

「スマホは、“高級な電話”ではなく、手のひらに乗るパソコンみたいなものと考えるほうが受け入れやすいですよ。

 インターネットでの調べ物、友だちとの交流、カメラにビデオにお買い物、そして電話もできる。これからは身分証明書にもなる。災害時にも大変役立つ、私たちの生活に欠かせない便利な道具ととらえてください」(以下、増田さん)

「これからの時代、シニア世代こそスマホをどんどん使うべきです」という増田さんに、高齢者こそスマホが必要な理由について解説してもらった。親世代にスマホをすすめるときの参考にしてほしい。

高齢の親に教えたいスマホが必要な3つの理由

1.地震や台風…災害時の情報収集にスマホが必要

 地震、豪雨、土砂災害など、自然災害はいつどこで発生するかわからない。増田さん自身、東日本大震災の際にスマホの重要性を痛感したという。

「住んでいた地域が被災して、水道が止まって給水車が出動しました。スマホを持っていた教室の生徒さんは、自宅で市役所のサイトを見て情報収集されていました。

 しかし、スマホを持たないご近所の高齢の方は、寒い中、町内会の掲示板に張り出された情報を書き写していました。その時の光景は今も忘れられません。災害時は情報が宝です。人の話やテレビだけが情報源ということがないようにしておきたいものです。

 また、災害時は電話もつながりにくくなります。災害時に孤立しないためにも高齢者こそなるべく早くスマホに切り替えて、操作に慣れておくことが必要です」

2.ガラケーの3G回線サービスが間もなく終了

「どうせ電話とメールしかしないんだからと、使い慣れたガラケーを手放したくないという高齢者も多いかもしれません。

ガラケーとスマホを使うシニア女性
ガラケーのサービスは終了してしまう…(写真/GettyImages)

 しかし、ガラケーの多くは、3G回線という通信回線を利用していますが、この3G回線は、電波の提供が終了することが決まっています。

 使っているガラケーが4G回線対応ならそのまま使えますが、3G回線対応だとサービス終了とともに使えなくなってしまいます。

 そして、4G回線も、5G、6Gの世の中へと移っていくなかで、いずれ使えなくなる可能性も…。

 ガラケーが使えなくなってからやむなくスマホにし、四苦八苦するよりも、『一番若い今』から早めに使い慣れておく方がよいと思いませんか?

 後になった方が覚えがよくなる、というのならそれもいいのですが(笑い)。みなさんスマホの実力を知った後では、『こんなことならもっと早くに始めておけばよかった』とおっしゃいますよ」

★ガラケー向け3G回線サービス終了予定時期※

ソフトバンク:2024年1月下旬

ドコモ:2026年3月31日

au:2022年3月31日

3.スマホで若々しく!新たなコミュニケーションで生活が豊かに

 コロナ禍でさまざまなサービスや生活様式のオンライン化が急速に進んでいる。

「自粛生活の中で気軽に帰省できない今ですが、スマホがあれば簡単にビデオ通話ができます。いつだってお孫さんやお子さんの顔を見ながら話すことができますよ。

 また、私のスマホ教室もそうですが “オンライン教室”も増えています。

 外出自粛のせいで、今までの習い事や趣味をすべてあきらめるなんてもったいない。コロナ禍で一気に加速したデジタル化の波は、もう後戻りしません。

 病院の面会もオンラインでならできる、というところだってあるのです。オンラインサービスについてはシニア世代こそ早めに慣れておいた方がよいですね」

 さらに、スマホ生活は若返りにも一役買ってくれるというのだ。

「私の教室には、70代後半の方が多く、80代、90代の方も通ってくださっていますが、みなさん生き生きしていますよ。

 最初は苦戦していた方でも、次第にいろいろなことを覚え、お孫さんとLINEのやり取りをしたり、SNSを使って友だちと交流したり、Zoom(ビデオ会議ツール)を使ってレッスンを楽しんでいらっしゃいますよ。

 これからの時代は、スマホがあるかないかで生活の質が変わると言っても過言ではありません」

 遠く離れた家族と会えたり、買い物に行けない時はお店になったり、お金のやり取りができてお財布にもなる。普段は楽しく使って、いざという時は優れた情報収集の道具となる。スマホは『高級な電話』ではないと増田さんは強調する。

「スマホに取り組むことは、新しい世界への扉を開くこと。その扉を一番若い“今”開いて、早めにその世界に慣れておくことをおすすめします」

高齢者こそスマホのすすめ【まとめ】

・スマホは災害時に欠かせないツール

・ガラケーは使えなくなる日が来る

・スマホで生活が豊かに楽しくなる

・新しい世界の扉を開くのは一番若い「今」!

教えてくれた人

増田由紀さん

スマホ講師の増田由紀さん

2000年に千葉県浦安市で初心者向けのパソコン教室「パソコムプラザ」を開校。2020年10月より全国どこからでも学べるオンラインスクールにリニューアル。スマホ、iPad、パソコン講座の講師をはじめ、講座の企画、執筆、講師養成などを行う。丁寧な解説と、わかりやすい教材が人気。シニア世代のスマホの利活用に力を入れている。『いちばんやさしい60代からの』シリーズ(日経BP)著者。デパートカルチャー講座、新聞・雑誌への執筆・監修など多数。

取材・文/鳥居優美

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