8月1日、国内3キャリア目となるLCC(格安航空会社)のエアアジア・ジャパンが成田空港を拠点に札幌、福岡、沖縄(那覇)各便の運航を始める。「成田―福岡」の最低運賃はなんと5180円。各社の価格競争も相まって、“空飛ぶ路線バス”への期待は高まるばかりである。
すでに就航しているピーチ・アビエーション、ジェットスター・ジャパンも搭乗率は上々で、座席の狭さや有料でしか提供してくれない飲食物、手荷物預かり、座席指定のサービスなどの不都合さを差し引いても、運賃の「格安」ぶりは大きな魅力となっているようだ。
間もなくやって来るお盆休みもLCCで帰省するという人は多いだろう。では、まだ予約をしていない人も空席は押さえられるのか。人気の「成田―札幌(新千歳)」便で各社の予約サイトをチェック(7月31日午後6時調べ)してみると――。
・エアアジア・ジャパン 8月10日~13日「該当フライトなし」
・ジェットスター・ジャパン 8月9日、10日、11日、13日「ご利用できません」
予約画面上の文言こそ違うが、つまり「満席」ということ。その他のお盆期間でも、エアアジアで1万3080円~1万8880円、ジェットスターで1万4390円~2万2990円と、各社が国交省に申請している上限に近い高価格帯でしか座席が取れない状態だった。
航空・旅行アナリストで城西国際大学観光学部助手の鳥海高太朗氏はいう。
「いくらLCCといっても、お盆や年末、連休は数か月前から予約しないと最低価格では乗れません。それでもJALやANAなど大手キャリアでお盆期間の『成田―札幌』便を取ると3万5000円程度はするので、まだLCCのほうが安いといえます。例えば、どうしても東京から福岡までの直行便が取れない人は、関西経由でLCCを乗り継ぐ人までいます」
確かに8月10日にLCCの乗り継ぎをしようと思えば、ジェットスターの「成田―大阪(関西)」で8890円、ピーチに乗り換えて「大阪―福岡」まで1万1790円、合計2万680円で福岡まで行けるため、大手より4000円以上安い計算になる。
そんな“離れ業”も通用しないほど席が埋まってしまったら、予約サイト上にてキャンセル待ちを粘り強くチェックするしかないが、24時間開設しているサイトでいつ空きがでるかも分からないし、常にパソコンや携帯をチェックするのも面倒だ。そこで、前出の鳥海氏が秘策を明かす。
「例えば元祖LCCのスカイマークエアラインズでは、ネット予約の代金決済期限を指定日の夜中11時59分に設定しているので、翌0時を過ぎると満席だった飛行機に空きが出ることがよくあります」
他のLCCでも同じ支払期限になっているのか、各社の広報担当者に確認したところ、「チケット予約時点より24時間かつ出発予定時刻の72時間前まで」(ピーチ広報)、「銀行振込の場合は予約時から48時間(2日)保留」(ジェットスター広報)とまちまちの回答だった。
とある航空業界関係者は、こんなテクニックを教えてくれた。
「サラリーマンが私用でネットを使う昼休みの時間帯や、帰宅後の夜9時~12時まではアクセスも集中しますし、数席の空きが出てもすぐに埋まってしまいます。そんな競争率の高い時間を狙うならば、少しずらして、午前中の早い時間か日付が変わった深夜帯にチェックしてみると、決済期限を過ぎた人や別便への変更をした人の空席をタイミングよくゲットできる可能性が高い」
今からでも遅くない。賢くLCCを活用したい。